TEACという会社に、エソテリックというブランドがある。

高級オーディオのみを出し続けている、日本でも数少ない会社の、最高ブランドだ。

その中でも、トップラインが、Grandioso というシリーズで、エレクトロニクス機器、アナログターンテーブル
を発売している。

なぜかスピーカーを出していないのが不思議。

このたび、Grandioso N1Tというとネットワークトランスポートが出た。

ネットワークサーバーから音を取得し、それをDACに送り込むだけの機能なので、ニーズは極端に少ない。

いまのDACは、だいたい、直接ネットワークサーバから音を取得できる。

 

サーバは、サーバで、直にDACに接続できる。

 

つまり、サーバとDACをつなぐこんな製品は、相当なマニアでも、ほとんど必要ないのだ。

たぶん、日本メーカーでは、過去にsfzのDST-01しかなかったと思う。

もう10年以上前の製品だが、DST-01を上回るネットワークトランスポートは、sfz自身も出せていない。

さて、エソテリックの新製品なので、マニアからは注目される。

僕にも、販売店からあれこれ案内が来るのだが、スペックをみて驚いた。

これでは、、、

DST01より劣っている.


昨今の製品なので、当然にHDMI 入出力がついていると思いこんでいた。

ネットワーク配信の再生では、必須といえる端子である。

TEACは、倒産寸前だったオンキョーやパイオニアのAV機器の、日本代理店を務めているから、当然にあるはず、
と思っていたのだ。

当初は2chかもしれないけれど、HDMI音声出力はあると思っていた。

さらに、勝手に期待したのは、マルチch デコードをしたうえで、すべてのchをPCMにして送り出す機能くらい

エソテリックならつけているだろうな、と勝手に期待していた。

ない。

オプションで付けるスペースも確保されていない。

一気に興ざめした。


DST01は、AES/EBU規格として、XLRデジタルの左右独立出力があるが、そんな気の利いた機能もない。

当然にDACも内蔵されない。

クロックinはあるが、そんなの当然だ。

音がよい?

そんなこともなさそうだ。

聞く前から思い込みで書くのはよくないのだが、

断じていう。

ネットワーク再生は、CDのディスクを使った再生より音が悪いと思っている。
 

ものすごい装置を使ったところを何度も聞いたことがあるが、

 

roonだろうが、zero linkだろうが、なんだろうが、

 

しょせんネットワークが介在するインダイレクトな音に感じる。

特にエソテリックのディスクトランスポートを使うと、ディスクの良さが際立つ。

僕も普段はネットワーク再生をしているが、これが手軽なだけである。

 

そもそも、音楽を聴くために、CDをいちいち探して聞くのがおっくうになる。
 

楽な方に体がなびくので、そうしているに過ぎない。

でも、真剣に音を聞きたいときは、ビニールレコードでも、CDでも、引っ張り出して

きちんと聞く。

 

そうした環境を、持っているか否かの違いは大きいのだ。


話をN1Tに戻すと、これ、ネットワーク再生専門でデジタル出力はあるが、HDMIなし。

それでいて 300万円する。

いまどき、こんな、トランスポート、一体、だれが買うんだろうか。

といいつつも、一応 音を聞きに店に行ってみるかと思っているけれど。
 

2/3(mon)、wowowで開催された、マルチチャネル再生極意のセミナーに参加した。

2時間の予定が3時間になったのだが、実に密度の濃い、有用な情報だった。

マルチchの再生は、マルチchで、スピーカーを設置しておかないと体験できない。
しかも、ATMOS、Auro-3D、NHKの22chと、それぞれ流派ごとにスピーカーの設置基準が異なっているため、これにすべて対応できている環境でないと、あれこれ比較できぬ。

そんなことができるのは、wowowの広いスタジオがあってこそであり、しかも、第一人者の入交先生が自ら、その説明を、理論編、体験編、とわけて提示してくれる、素晴らしい時間だった。

頭で知っていることもあったけれど、それを耳や目で確認できるということは初めてだったので、僕自身の今後の取り組みへも、貴重なノウハウとして取り入れられるというものである。

とりわけ、NHK 22ch、Auro-3D、DD(5ch)、2ch、それぞれのフォーマットで同じソースを聴き比べられたのは、貴重な、初めての体験だった。

ほぼ最高の位置で聞いていた僕には22chが最も自然だった。ただ、Auro-3Dに切り替えても、それほど落差は感じなかった。それを5chに切り替えたとたん、まったくレベルの低い音に成り下がった。
 ただ、2chに切り替えたら論外なほどに醜い音になってしまったが、これは、2chを担当するSPのクォリティが低いからだろう。

いずれにしても、5.1では全く不十分であることがよく分かる。

2人の(有名な)オーディオ評論家の方が感想を述べられていた中で、Auro-3Dが自然でよかったと言ってた。ひとりの先生は、完全にセンターで聞いての感想だった。僕自身はその隣であったが、ほぼセンターという理想的な席で聞いており、22chが一番よく、Auro-3Dに切り替えると大きな落差はないが、やはり差があった。その差は、しいて言えば、同じソースをSACDとCDで聞く感じ程度の差である。

それを、圧倒的と感じるか、似たようなもの、と感じるかは人次第だけれど、音だけを聞くのではなく、映像がある中での音、という前提では、映像に支配されるので大差なかったともいえるかな。

あ、少しばかり気になったところも言っておきたい。
 十分に広いスペースのスタジオで、申し分ない設備ではあるが、低域の質が悪く、その割に量が出すぎる。オルガンの低音にそれを感じた。キースエマーソンがハモンドオルガンで出したかのような不自然な音が、盛大に出るので参った。本来のオルガンの低音は、あんな出方は決してしない。音楽ではなく、映画であればゴジラの足音程度の話なので気にならないのだけれど。


 また、そのシーンに限らず、全時間を通して音量が大きすぎた。85dBは超えていたと思う。85dBは映画館が基準とする音量であるが、家庭で聞く音量より10dBはでかい。
 たとえば、森の中でひとりアカペラで歌うシーンは鳥のさえずりの遠近感が非常に魅力的だったが、音量が大きく、鳥のさえずりというよりはカラスの叫びのような音量であった。

 あれだけの音量を出さなければ、プロ用のスピーカーの力量が発揮できないのだろうか。あるいは、デモンストレーション効果としての意味合いをもとめたのだろうか。
 
話を戻すと、こうした、体験イベントは必要だと思った。体験しないとわからないのである。これだけのセミナーが、不思議なことに無料であったが、有料でよいのでは、とも思う。


いまや、オーディオショップはほとんど消え失せたのだけれど、ステレオ装置が日本に入りだした昭和50年代は、あちこちの電気屋にオーディオコーナーがあって、少し静かな視聴室があって、実際に装置を聞きながら、いじりながら、素晴らしさを体験して購入していたものだった。

AVもしかり、なのだ。こうしたセミナーは、かなり準備に時間がかかるものであるはず。有料でよいから、各地のAVショップで体験できるようになることを望む。
 

(もう絶滅しつつあるけれど)AV雑誌をみると、新機種や新ソフトの評論ばかりである。

雑誌=新製品のPRという面があるので、当然ではある。

残念ながら、イマーシブサウンドの正しい再生というのは、なかなか接する機会がない。

これは、日本だけではなくって、英国でも、米国でも同じ状況だ。

マルチch再生、正確にいうなら、5.1chや7.1ch(1層)の情報は十分にあった。

しかし、これはドルビーデジタルの時代の情報で止まっている。

ATMOSとかDTS-HD、Auro-3Dの再生に関する、正しい情報は、ほとんどない。

現代マルチチャネルは、立体的なスピーカーレイアウトになっていて、2層,3層まである。

スピーカー設置や音響調整のバリエーションは、1層という平面に比べると2乗,3乗に膨れ上がり、
次元が変わっているのだ。

正しい情報なんて、雑誌をきちんと購入していた僕自身も知らなかったから、
なかなか手に入らない、と断言できる。

情報なくして理解はない。

興味ある人は、webで文献を探せばかなりヒットする。

でも、大半が論文や白書で、しかも、英文だ。

と思っていたのだけど、

WOWOWのスタジオ(たぶん日本で一番優れたマルチch再生が聞けるスタジオ)で、
プロが再生技法について教えてくれるという。

講師は、wowowのエグゼクティブディレクターである入交さん。

凄いぞ。

入交さんといえば、冨田勲の遺作、『源氏物語幻想構想絵巻』とか、
昨年末に 出たばかりの Mr.BIGの『Finish live』 の録音を手掛けた方だ。

高名なオーディオ評論家もゾロゾロ参加するので、行けばおもしろい話が聞けるだろう。

価値があるこのセミナー、なぜか無料。

これで行かない、などという選択肢はあるまい。

2/2もしくは2/3に都内のwowowのスタジオで開催される。

詳しい案内を張り付けときます。
万難排していくべし。

欧州(&米国)と、日本の文化が違うなぁ、ということが、終わりと始まり、で強く感じる。

たとえば年末年始の音楽。

日本では年末にベートーベンの第九がどこでも演奏される。

欧米だと、年末に第九、という感じはない。

あれはお祝いの音楽であり、年末に〆の音楽ではないのだ。

と思っていたら、昨年末、ロイヤルフィルの演奏で、第九があった。

なんとLSOの本拠地、バービカンホール。

クリスマスフェスというタイトルだったから、〆ではなく、
クリスマスのお祝いだったのだろう。

なるほど。

ドイツに限定するならば、年始の音楽になっている。

新年のお祝いということであれば、やはり、お祝いの音楽ともいえる。

戦後、1951年にバイロイト音楽祭は再開されたが、こけら落としは第九だった。

バイロイト祝祭合唱団をフルベンが振ったその録音は、第九の中でも特別な音源だ。

サントリーホールの落成記念でも第9が演奏された。
サバリッシュがN響を振ったと記憶している。

週の終わりと始まりという点では、仕事の流儀としても違いがある。

欧米流では、週の終わり、金曜日に1週間のサマライズを行う。
アジェンダがメンバーから出るので、それに関して必要に応じてシェアするなり、ディスカッションしてoutput(=意思決定)が行われる。

 だから、週末はゆっくり、仕事のことを気にせずに過ごせる。
気分もあらたに、週初からアゲーの気持ちで仕事に入れる、というものだ。

日本流だと、シェアなり、ディスカッションは、週の最初、月曜に行われる。アジェンダもない。

月曜日は、週のスタートであり、特に午前は連絡ごとが最も多いので、そんな忙しい中で、意思決定を伴わない、意味のない社内会議に午前から参加するのは効率が下がる。

週の最初から、サゲーの気持ちが入るのだから、どうしようもない。

先進国最悪のビジネス効率の悪さが、こんなところにも出ている。

 

いままで、音楽をステレオで再生することに注力していた。

その延長で、AVアンプでマルチチャンネル再生も一応やっていたけれど、あくまでも映像のおまけとしての音声を再生するだけであり、ソースに対する理解がまるでなかった。

昨年から、音楽もマルチチャネルで再生することに興味をもちはじめ、いまさらながらなのだけれど、マルチチャンネル再生における基本を勉強している。

いろいろな文献がwebで公開されていて、論文やホワイトペーパーもあって読みごたえがある。

ものすごく数が多い文献を読み漁ったが、知っておいた方がよいことを、ピックしてメモしたので、それを自身の備忘として記録した。

ここでは、それを紹介しておきたい。

<LFE>

 ディスクメディアに記録される帯域は、ドルビーでは上限は120Hz, DTSでは80Hzに制限される。欧州のデジタル放送でも、ドルビーに準ずる。

つまり、それ以下の音声は、LFEとして記録するので、再生時には、LFEが必須となる。
これは、2chステレオには存在しない制約条件といえる。

<再生周波数特性>

 ダビングスタジオや映画館では、Xカーブが基準となっている。
Xカーブとは、63Hzから2kHzまでがフラット、63Hz以下は40Hzで-2dBまでリニアに減衰、2kHz以上は、10Khz で-7dBまでリニアに減衰、10kHz以上になると、減衰量が少し増して16kHzで-11dBまで減衰するカーブだ。この周波数特性を、自分の部屋のリスニングポイントで実現するのは、ひとつの基準になると思う。

<スピーカーの距離>

 LPとの距離は3m以上が理想。それが難しくても、2m以下になると、不安定になりやすい、としている。

各SPがリスニングポイントからの距離差が8mmを超えるばあい、20kHz以下にディップが生じる。
30cm以上の距離差がある場合、近い方の音源に定位を強く感じるハース効果が起こる。
SPとサブウーハとの距離差が1mを超える場合、ディップを生じる。

こうした問題を解決するために、タイムアライメント調整と、ベースマネジメントが必要になる。

<タイムアライメント>

 普通AVアンプ自動調整するのだけど、8mmの精度となると、レーザーポインタで測定して、自分で距離を手入力するのがよいことになる。

<ベースマネジメント>

アンプ側で用意されるLFEのローパスフィルタは、24dB/oct に固定される。
(AVアンプでは、クロスオーバー周波数が各SPごとに設定できる事が多いが、-24dB/octということになる)
 

LFEにはメインchに対して+10dBのゲインが要求される。

プロが行うミキシングの過程では、80Hz以上のLFE信号は定位感が出やすいために避けられており、ローパスフィルタは80Hz になることが多い。

 ということは、できれば、マルチchを再生するすべてのSPに対して、LFEを80Hzで設定できるのが理想になると思う。実際には、部屋のスペースや天井に吊る設置上のサイズや重量の制約もあって、難しいとは思うけれど。

 このとき、ベースマネジメントで改善が図れる帯域は、80Hz以下であり、それ以上の低域帯域では、室内音響処理が必要である。

<マルチchのレベルバランス>

このように調整される。
5ch(L C R )における音圧レベルを85dBとする。
音圧は、サウンドプレッシャーメータ(slow , c特性)で測定する。つまり、単位はdBCとなる。
 

レベルバランスは、ベースマネジメントを終えた後にを行う。
LS Rsに関しては、音楽ソースでは 85dBC、映画ソースでは82dBCとする

これは、映画再生時と音楽再生時は、マルチチャネル音量バランスは異なることを意味する。
こんな重要なSP設置調整時の約束事は初耳であった。

 

僕が使っているDENON AVC-A1Hでは、同じソースに対して、音楽モードのサラウンドモードと、映画モードのサラウンドモードで、(たとえばDTS-HDモードとして)、音楽モードでは映画モードに対してLs/Rsが3dB下がっているかどうか、こんど確認してみたい。


2つのチャネル間のタイムアライメントは、8mm(0.025msec以下)精度で調整する.

ここまで追い込んでディレイを調整する必要があるのか。うーん、DENONでは難しいかもしれない。


なるほど、ね。

 

いやはや、参った。

Dirac が、残念なことになっている。


11月のブラックフライデーに買ったライセンスが、いまだに稼働できないでいるのだ。

必要性を感じないソフトなので買わなくてよいものだが、試してみようと思ったのが運の尽き。

問題満載なのである。

まず、購入できなかった。

Diracというこの会社、dirac liveなるソフトを売って食っている会社であるが、
ライセンスを買おうにも、日本発行のクレジットカードを受け付けていない。

Visa, Master, JCB.

みな、ダメだった。

日本の窓口はない。一応、日本人向けのメールアドレスは公開されているが、返事は1カ月ない。

仕方がないので、フランスのFocalに連絡をとり、欧州の窓口を聞いて、連絡した。

Diracに知らせると、1カ月間気が付かなかったようだ。

ということは、ブラックフライデーのセールでは、日本人は誰一人として買わなかったということになる。

デノマラのユーザは、あるいは、パイオニアやオンキョーのユーザは、誰一人として、
少なくともこの1カ月間、Dirac liveを買っていないわけだ。

こんな状況では、当然給料が出せないのであろう、
パーマネントな社員もいない感じの対応である。

もう会社が傾いている感が満点である。

一応、英国発行のカードは、受け付けたので、買うことはできた。

せっかくライセンスを買ったので、iOSのブラウザからdiracのsiteにloginし、
ライセンスキーを入力してアクティベートしてみたら、できた。

カネを払ったのであるから。ここまではアタリマエ。

でも、ここからが再び問題。

Diracのサイトにloginしてアクティべートする、という作業とは別に、
Dirac liveのソフトをPCにinstallして、PCソフト側からアクティベートを確認するという作業が独立していて、
同じパソコンで行わなくてはいけないのだ。


僕の場合、iPADでアクティベートしたのだが、僕のipadには指定のUSBマイクが接続できないので、マイクを
付けて測定できない。

そこで、dirac live ソフトは、iPADではなく、windows PCにインストールした。

installした後にライセンスを確認する画面があるが、なんと、ライセンスを買えというメッセージ。

PCを変えたら再度購入するようにできている。

PCが壊れたら、あるいはOSをアップデートしたら、PC機種を変えたら、
またDiracをあらたに買え、ということである。

そんなアグリーメントにはなっていないぞ。


DENONにも知らせておいたが、DENONによると、PC1台ではなく、アンプ1台に対して、1ライセンスになっている「と思う」が、要するに、よくわからんと。

無責任な会社であるが、DENONのせいではないので、責められない。


Dirac は、日本でサポートする窓口もなく、デノンもマランツもサポートはしない。


一応、Diracのサポート係は欧州に存在はしているし、返事は来ている。
曰く、ライセンスをリセットしたので、再度installからやり直せ、という。

やってみると、やはり、dirac liveはライセンスを認識しない。
よく見ると、機種がdenon AVC-A10Hになっている。

おれの機種A1Hとは違う。
(似てるけど)


これ、機種登録されたあとは、自分では変更できないのだ。


バイト以下のアホな対応をされた。


今後、あれこれ、メールでやりとりはできると思うが、時間切れ。

もう、このアンプを触ることは、しばらく、ない。

もうイギリスにも戻らないといけないもので。

安さに目がくらんで、Dirac liveなんぞに手を出したのがいけなかった、ということか。

Diracに手を出す人の要件はこうなる。

英語でのやりとりを十分に正確にこなせる必要があり、
かつ、
問題解決に2カ月もの時間軸で、たっぷり時間をつかえる人。


こんな人が日本に何人いるかわからぬが、この要件を満たせない人は、使うべきではない。

こんなクソ会社の製品を担ぐDENONもひどいものだ。

ぷんぷん。

北の富士さんが亡くなった。

18日は、LSOパッパーノ指揮のガーシュインやチャイコの小曲をバービカンセンターで鑑賞する
つもりだったのだけど、予定を変更して日本に来た。

北の富士さんの、お別れ会に参列するためだ。
八角部屋に久しぶりにうかがったが、角界の有名力士が勢ぞろい、TVで見る政治家も来ていた。

僕は、何度かお会いし、あれこれ話をしたこともある。

 両国場所だと、ラジオやらTVやらの解説の仕事で忙しい方で、話をできる状況にないのだけど、名古屋場所あたりで
あれば、夜は時間があるということもあり、食事に行ったこともある。

もう2年前の話だが、ロンドン巡業でもあれば、きてください、案内しますよ、と話したこともあった。

なんと、数カ月前に、おお相撲のロンドン巡業が本当に決まったので、来年の秋には、

ロンドンでもご案内したいと考えていたのだった。

 

しかし昨年1月以降ほぼ2年、顔も見ていない。
親しい人とも会っていなかったという。

げっそりした姿を、人に見せたくなかったのだろう。

伊達政宗も最後期はそうだったという。

そういう人なのだ。

昭和の、破天荒な、とにかく面白い方だった。

特にスポーツ紙のサイトでのブログは、ロンドンでも楽しみであった。

一つの時代の終わりを感じ、寂しさがこみ上げる。

今日は、相撲ファンと飲み明かしている最中だ。

合掌。

 

マルチチャンネルSP 入れ替え計画 11 Rh問題


マルチch SPで、自分なりに問題を発見し、多くの問題を解消できた。

まず、セッティングの場所で、音場の正確な再生を、一定程度確保できた。
2層 5.1chのリプレースで、音色の統一感を確保できた。

だけれど、ゴールにはたどり着いていない。


しっくりこない理由を、もう少し明確化するために、いろいろ試してみると、大きな要素が見えてきた。

前回のブログで掲載したグラフに答えがあった。

Rhが、我が家でのマルチchにおける、ボトルネックであったのだ。

このグラフでは、フロントよりも音量が出るチャネルは、サラウンド、サラウンドバック、リアハイが際立つことがわかったのだが、


もっと多くのケースで、
フロント2chがかなりの音量を出すシーンに限定して、他のチャネルのスペクトラムを測定したところ、一番最初に限界の音量に達するのは、Rh(リアハイ、サラウンドchの真上)のスピーカーだ。

心配していたセンターは、全然余裕なのである。

これは意外であった。

結局、せっかく買いそろえたKEFであるが、音色がどうしても合わないので、取り外した。

代えて、パイオニアの同軸ユニットだけのスピーカーに代えたところ、音色の統一感は解決した。

でも、リアハイが、音量が大きい時についてゆけない。

なんと、フロントchより 数dBは大きな音を要求されるのである。

その瞬間のスペクトラムを見ると、中心周波数は200Hz以上である。

当然、もっと低い音も入るので、200Hz以下をLFEに担当させると振幅は楽になる。

その分を担当するスーパーウーハは、持ちこたえられるか?

デノンのAVアンプのマニュアルを見ると、リアハイの低音は、後方のサブウーハ1台が担当する。


でかい音量を入れて、音圧が出るか、スーパーウーハを試してみる。

あらら、まったく問題ない。ひと安心。
 

では、さっそく、Rhのクロスオーバーを最適化する。

このスピーカーの最大音量の状態を聞く。

 

当然に、アンプの最大出力を超えていないことも確認しないと、アンプのせいでSPが壊れる。

 

音量とSP能率からアンプの出力は逆算できるので、余裕があるかどうかは、事前に計算できる。

よし、大幅に余裕があるので大丈夫だ。

 

アンプの余裕があっても、SPは限界音量で動くので、この状態を長続きさせると、SPが壊れる。

 

注意しながら、200Hzから、少しずつ下げてゆく。

なるべく短時間だけ聞いて、音が歪まない事を確認し、しばらくしてから、また、もう少し下げてみる。

しばらくしてから、というのは、耳の保護と、スピーカーの熱を冷ます、という両方の保護のためだ。

辛抱強く、これをくりかえす。

歪まない範囲でなるべくクロスオーバーを下げるのである。

最適なクロスオーバを設定すると、100Hzもしくは120Hz。

デノンのアンプでは、100Hz以下は10Hz刻みだが、100Hz以上は刻みがもっとラフになるので、
110Hzという設定はできない。

ピュアオーディオ機材ではないので仕方ない。

とはいえ、瞬間であれば、100dB位まで出せることがわかった。

チューニングしないKEFでは、せいぜい90dBであったので、10dB程度は稼げたことになる。

機材を壊すので、なんどもできることではない。

これで良し、にしよう。

 

前回は、マルチch(昨日はAuro-3D)における、各chの、ソースに入っているピークのスペクトラムをupした。
前回の資料を、わかりやすく、平滑化した曲線で、かつ、すべてのchを、自分の備忘録として一枚のグラフにしたものがこれだ。



これをみると、Rh Sb Cの各チャネルは、100-200Hzの再生能力を特に求められていることがわかる。
僕のシステムでは、前方2本、後方1本の3本のサブウーハがあり、近傍のサラウンドスピーカーの低域も担当する方向性onの設定をしているが、この特性を見ながら、手動で各スピーカーごとに、クロスオーバー周波数をそれぞれ最適化している。

こうした細かな作業によって、小型SPで頑張っているサラウンドチャネル群の低域における分担を減らすことができるので、再生系全体としての、最大再生音量を極大化できるのである。

具体的には、13chそれぞれを
F
C
Sr
SB
FW
Fh
Rg
TM
Ch
Ts

という系統にわけて、最大音量でも担当チャネルの低域が確保できるよう、音圧計とスペアナを観ながら、クロスオーバーをチューニングする。

 

音圧が確保でき、かつクロスオーバーが低い、という2つの矛盾する要素を最適化するものである。

音の方向性は、100Hz以下ではわかりずらいとされているが、人によって感じ方が異なるので、事前に、自分の耳で、何Hzまでは方向感を感じるか、テストしておくとよい、その周波数以下がクロスオーバの目標値と一致する。僕の場合は、80Hzを目標にした。

このチューニングを行うと,音質の破綻なしで最大音量を6dB程度、上昇させることができる。

だからとても重要な作業なのだが、AVアンプにオマケでついているマイクを使った自動計測の機能では実装されていない。こうした単純極まる作業こそ、自動化してほしいものだ。

ところで、各サラウンドチャネルの名前は、ドルビー、デノン、Auro-3Dなど、各社各様で、よくわからないので、僕が使っているデノンのマニュアルとAuro-3Dのホワイトペーパ―で作成した、スピーカー端子と設置位置を番号でリレーションを示す図も張り付けておいた。


スピーカ- ケーブルにも番号を振っておき、こうした図と照らし合わせることで、AVアンプにあれこれ配線する際に
効率的にワイヤリングできる。

こうした下準備もまた、やるとやらないでは、トータルの作業や、メンテナンスに要する効率が変わってくると思う。