TEACという会社に、エソテリックというブランドがある。
高級オーディオのみを出し続けている、日本でも数少ない会社の、最高ブランドだ。
その中でも、トップラインが、Grandioso というシリーズで、エレクトロニクス機器、アナログターンテーブル
を発売している。
なぜかスピーカーを出していないのが不思議。
このたび、Grandioso N1Tというとネットワークトランスポートが出た。
ネットワークサーバーから音を取得し、それをDACに送り込むだけの機能なので、ニーズは極端に少ない。
いまのDACは、だいたい、直接ネットワークサーバから音を取得できる。
サーバは、サーバで、直にDACに接続できる。
つまり、サーバとDACをつなぐこんな製品は、相当なマニアでも、ほとんど必要ないのだ。
たぶん、日本メーカーでは、過去にsfzのDST-01しかなかったと思う。
もう10年以上前の製品だが、DST-01を上回るネットワークトランスポートは、sfz自身も出せていない。
さて、エソテリックの新製品なので、マニアからは注目される。
僕にも、販売店からあれこれ案内が来るのだが、スペックをみて驚いた。
これでは、、、
DST01より劣っている.
昨今の製品なので、当然にHDMI 入出力がついていると思いこんでいた。
ネットワーク配信の再生では、必須といえる端子である。
TEACは、倒産寸前だったオンキョーやパイオニアのAV機器の、日本代理店を務めているから、当然にあるはず、
と思っていたのだ。
当初は2chかもしれないけれど、HDMI音声出力はあると思っていた。
さらに、勝手に期待したのは、マルチch デコードをしたうえで、すべてのchをPCMにして送り出す機能くらい
エソテリックならつけているだろうな、と勝手に期待していた。
ない。
オプションで付けるスペースも確保されていない。
一気に興ざめした。
DST01は、AES/EBU規格として、XLRデジタルの左右独立出力があるが、そんな気の利いた機能もない。
当然にDACも内蔵されない。
クロックinはあるが、そんなの当然だ。
音がよい?
そんなこともなさそうだ。
聞く前から思い込みで書くのはよくないのだが、
断じていう。
ネットワーク再生は、CDのディスクを使った再生より音が悪いと思っている。
ものすごい装置を使ったところを何度も聞いたことがあるが、
roonだろうが、zero linkだろうが、なんだろうが、
しょせんネットワークが介在するインダイレクトな音に感じる。
特にエソテリックのディスクトランスポートを使うと、ディスクの良さが際立つ。
僕も普段はネットワーク再生をしているが、これが手軽なだけである。
そもそも、音楽を聴くために、CDをいちいち探して聞くのがおっくうになる。
楽な方に体がなびくので、そうしているに過ぎない。
でも、真剣に音を聞きたいときは、ビニールレコードでも、CDでも、引っ張り出して
きちんと聞く。
そうした環境を、持っているか否かの違いは大きいのだ。
話をN1Tに戻すと、これ、ネットワーク再生専門でデジタル出力はあるが、HDMIなし。
それでいて 300万円する。
いまどき、こんな、トランスポート、一体、だれが買うんだろうか。
といいつつも、一応 音を聞きに店に行ってみるかと思っているけれど。