もうずいぶん前の話。

我が家に最初の音響セットがやってきたことを覚えている。

30cmのLPレコードが乗って、ターンテーブルがくるくる回る、レコードプレーヤー。
スピーカーも内蔵していたけど、スピーカーを別に購入して、ステレオ音声が再生できた。

電蓄と呼ばれる、今からみるとチャチな玩具だけど、高級なモデルは、いかにも高級そうな
ケバケバした木の装飾がついていて、車より高価なものもあったと思う。1960年代の話だ。
 

1970年代に入り、我が家で買いこんだ買ったステレオセットが、テクニクスのCD-4対応の製品だった。
この時代が、サラウンド再生のスタートになったと思う。

レシーバーとプレーヤーが1つの木調家具調ラックに一体化され、そのラック下部は空きがある。その空きはレコードを入れるようになっているのだけれど、カセットデッキを入れる人が多かった。FMステレオ放送が始まっていて、エアチェックするのが流行っていたのだ。

カセットデッキは、デッキTEACのA-450だった。

ドルビーFMに対応していた機器で、それで選んだのだと思うけど、そんなFM放送は実用化されなかったな.

 

ワウフラッター0.07%、ドルビーNR、VU計+ピークLEDという当時としては圧巻の性能機能だったけど、それよりも、ピアノタッチの操作メカの感触は素晴らしかった。これですっかり僕はTEACファンになった。1972年発売とTEACの歴史に書いている。

CD-4ステレオセットの型式は覚えていないけど、同じ年の製品だったのだと思う。

CD-4のステレオセットには、スピーカーが4本ついていた。
フロント2chは、家具調のレシーバーに合わせた豪華に見えるがスカスカに軽い木製。
さらに、リアスピーカーがついていた。高い位置に壁掛けするようにできていて、部屋の後ろ側に設置するよう推奨されていたので、今風にいうと、バックサラウンドハイになる.

壁掛けができるくらいに、十分に軽い、いいかえるとチャチなものだった。

4chのフォーマットは、世の中にたくさんあったけど、CD-4だけが4chで完全に独立した音が出る。

いまにして思うと、セパレーションも悪かったし、そもそも、ソースがなかった。

ステレオセットを買うとオマケにくれるLPがあって、ポールモーリアと、尾崎紀世彦のCD-4の世界、その2枚のみしか、我が家にはなかった。

だって、売っていないのだから、仕方がない。
いま検索をかけても、3流のソースだけしかなかったようだ。


結局、ステレオレコードをCD-4 モードで再生しても、4chにデコードできないので、リアSPは無用の長物だったわけだ。

CD-4以外の、マトリクス方式の4chであれば、2chソースも4ch化できるので、それを買った方がよかったことになる。

でも結局、4chの再生方式は、どの方式も、すべてコケた。

各社がソース不在の中、技術優劣だけを自社が優れていると主張する,ガキのケンカ並みのレベルの低さ、だったのだ。

 まぁ、家にあっただけであって、僕が選んで買ったものでないけど、このステレオセットのおかげで、オーディオに興味を持ったので、思い出深い。

昔のガラケーの時代は、ストラップ用の穴が必ずケータイ側にあって、そこにユーザが
お気に入りのストラップを付けて、首にひかけて、つかっていたものだった。

いつのまにか、スマホの時代になり、たぶんアップルの美意識であろうか、ストラップホールが
なくなってしまった。

できれば、すべてのスマホに、ストラップホールを最初からつけてくれるとありがたい。

すべてのカメラに、必ずストラップホールがついているように。

ストラップを付けるニーズはあるので、探せば、携帯の外側をすっぽり覆うケースなども売っている。

が、限られた製品型式専用になるので、使っている人は少ない。

けっきょく、素のまま手にもってつかい、ポケットにしまう、ということになる。

これは世界共通だと思う。

でも、これでは、スルっと手から滑っておとしやすい。

日本では、まず盗まれることはないが、ロンドンやパリでは、
うしろから、ジョギングして走ってくるおっさんにドンッと肩をぶつけらて、

よろけた瞬間にスマホやハンドバックを盗まれる事件が多発している。

ハンドバックだと、ブーとなる警告ブザーを仕込んでいる用心深い人も多いので、
いま流行っているのが、携帯のみをひったくる泥棒だ。

スコットランドヤードの発表では、2024年だけで 7万台もひったくられたらしい。

パリの倍近い被害数だ。

なんと、yahoo.co.jpでも、その記事をニュースで記事化していて、驚いた。

なぜロンドン?なのか、
なぞだ。

が、いずれ東京も流行ってくるものと思う。

で、いまロンドンで はやっているのが、ストラップ。

携帯ストラップが案外流行している。
手にひっかけるもの、首からぶら下げるもの、いろいろあるが、ヒモが太いものが流行っている。
 

目立つまだら模様なんぞをつけておけば、私は用心深く、太いヒモをつかってひったくりにあうのを

防いでいます、というアピールになること請け合いだ。

太い方がよい。

オーディオのケーブルと同じだな、と思った。

ハイレゾの音楽配信が増えてきた。


何がどうよいのか、わかっていないまま、

ハイレゾだから優れている、音は良い、と思ってる人も多い。
 

あえていうと、iphoneに高級ヘッドホンをワイヤレスでつないで、しょりしょり聞いている人は、

100%の確率で、ハイレゾの音は聞けていない、と断言する。

iphoneに限らず、どんな高級なものであれ、携帯プレーヤーでは、ハイレゾの音は再生できない。

ハイレゾは音がよい、と思いこんでいて、勘違いしているだけだ。

音がよく聞こえるのは、マスターテープから、ハイレゾのデジタル信号にマスタリングするときに、

丁寧に行っているからである。

 

要するに、もともとのマスタリングが、悪かったのを正したた点でよくなっているだけなのだ。

でも、そのまったく同じマスタリング作業で作成した、16bitと24bitの音を聞いたら差はわかるのか?

実は、この違いは、かなりの高級なオーディオを用いないと、まずわからない。

並みのオーディオ装置では難しいのだ。

しかも、高級なオーディオ装置でも、19bitか、せいぜい20bitまでしか再生できない。

 

たぶん、24bitを超えるハイレゾをきちんと再生できる部屋と装置を持つ人は、日本には存在しない。

そもそも、世界最高級のDACといえでも、製品として、24bitの解像度を持つのは無理だ。

1bitの処理で、6dBのダイナミックレンジが得られるのだが、24bitになると、144dBである。

1Vの出力を基準とすると、1/(2^24)=60nVの単位で信号が出てくる。

DACのチップ処理としては、24bitが出せるとしても、DACの出力は、実際には

アナログ信号であり、アンプを通して出てくる音声信号になる段階で、

 最小単位 60nVのような小さな音は出ないのである。

なぜか?

DAC製品内では、処理する最低bitの小さな音より、残留ノイズの方が大きいからだ。

この信号を増幅できるアンプは、並大抵ではない。

高級なオーディオアンプでも、SNは、93dB程度である。

 

これは、15.5bit程度にすぎない。

おれのアンプは、もっとずっとSNは良いぞ、という人は、だまされている。

たぶん電気の知識も足りない。

オーディオアンプの測定では、測定する際に、自由な(=メーカーの都合の良い)フィルターをかけて、

見栄え=数字のスペック をごまかす手法がとられる。

フィルターは、残留ノイズのもとになる高域をカットして、ごまかす手法である。
 

高域をカットした信号なんて、既にハイサンプリングではなくなるのは誰でもわかるはずだ。

93dBのアンプでも、 IHF-Aというフィルターをかけると、SNは108dB程度まで上昇する。

15dBもインチキしているのだ。

ちなみに、この15dBもごまかす手法が、最も普及している。

さらに、出力を、1Vではなく、20V程度に無理無理上げる表記も許される。

これで、118dBまでスペックは上がるが、ようやく19.7dBの解像度しかない。

最高のSNを誇るアキュフェーズのC3900でも、SNは118dBと表記されているので、
20bitしか再生できない。

今日現在、これを超える静かなアンプは、製品としてはたぶん存在しない。

仮に、そういった製品があったとして、

最高の装置で、24bitのハイレゾを再生すると、なにが聞こえて、なにが聞こえないのか?

聞こえるのは、大きな音である。正確にいうと、残留ノイズより大きな音。

聞こえないのは、小さな音である。正確にいうと、残留ノイズより小さな音。
ノイズに埋もれるのだ。

さらに、ヘッドホンではなく、SPに聞く場合は、
部屋の暗騒音というノイズもあり、騒音にかきけされる問題もある。

金に糸目をつけずに、遮音性能の高い部屋をつくっても、
暗騒音を0dB以下に抑えるのは日本では どんな田舎でも無理だろう。

もし、案騒音0dBの部屋が存在しても、144dBの爆音まで出せるSPは存在しない。
144dBとは、ジェットエンジンの真横で聞く音である。

せいぜい、120dBだ。

0dBから120dBまで、再生できる部屋も装置もあったとしても、
120dB、つまり、20bitの能力しかない。

 

要するに、あなたも、僕も、ハイレゾの音なんて、聞けていないんです。

 

OPSODIS1なる、スピーカーがある。
普通にステレオ2ch入力をすると、立体的に聞こえるというイマーシブなスピーカーだ。

売り方が面白い。クラウドファンディングに応募し、74800円を払い込むと、送ってもらえる、というシロモノだ。
https://greenfunding.jp/lab/projects/8380


今からだと、納品は2026年になるという、フェラーリ並みの納期である。

実はこれ、イギリスで開発された技術らしい。

ソニーがリアリティ360という、ヘッドホン用のサラウンドシステムを開発しているが、それと同じようなものだ。

ただし、鹿島の方は、ヘッドホンではなく、スピーカーで実現している。

小さなSPを横に並べたラインアレイと呼ばれる手法で、左右の指向性を鋭く独立させて耳に届ける。


最初、聞く前は、小型であり安物であるので、ショボいSPに見えた。
ぺなぺなに軽いし期待もしなかった。
でも、使ってみると、これで得られる立体感には、ぞくぞくする。

構造的にもアルミダイカストであり、小型ながら本格的な香りもする。

音はなかなか、良いのだ。

製品としては しょぼいのだけど、本格システムの音を80点とすると、60点くらいの音は出ている。

とはいえ、まじめにATMOSやAuro-3D をデコードした本格的なシステムで築いた音にはとてもかなわない。

欠点は、顔を少し動かすと、あっというまに臨場感やイマーシブ間が失せること。

多少の前後左右シフトくらいでは問題ないが、首を回してしまうと、左右の耳がスピーカーから均等距離では
なくなるので、音が一気にしらける。

それは耳に覆いかぶせるヘッドホンをつかわないで済むのだから、仕方ないかもしれない。

もっと大きな欠点は、なんと、HDMI入力が存在しないのだ。

つまり、ATMOSやAuro-3Dのソースを、OPSODIS1 で聞くことができぬ。

そもそも、マルチchソースはデコードできない。
なぜか、AACだけはデコードできるので、完全に日本市場の、テレビのSTBに特化したもの、なのであろう。

がんばっても金をかけても80点の音しか出ないのに、安いものをぽんと置くだけで60点の音が苦労せずに出せるのは、非常に素晴らしい。

HDMI入力をつけて、ATMOSをデコードできるようになれば、高いAVアンプは必要なくなるかもしれない。

 

『炎 トリビュート』 ピンクフロイドのトリビュートアルバム。
2021年に出たものだ。

フロイドのトリビュートものは、結構たくさんある。
持っているアルバムだけで4つあるが、ほかの3つは、これ。
Animals reimagined - A Tribute To Pink Floyd 
Back Against The Wall
Return To The Dark Side of The Moon
そのほかにも、探せばあるかもしれないし、さらに、ライブで行うトリビュートバンド、フロイドバレエなどもある。


back against the Wall

でもウェイクマン、キースエマーソン、ジョンウェットン、イアンアンダーソンが入っていたので、

これを上回るメンバーはまず考えられないと思っていた。

しかし、『炎 トリビュート』は、クレジットメンバーとしては、さらにすごい。

ウェイクマンは、フロイドのファンとしてすっかり知られているが、加えてパトリックモラーツも参加。
そして、トッドラングレン。
ここまでだけでも、グッとくる。

そして、スティーブハケット、ジョーサトリアーニ、スティーブヒレッジがギターで入る。
おー、
おぉ、
となる。

とどめに、エドガーフローゼ。
 

もう、ひっくり返る。
タンジェリンドリームだぜ。

これ、アナログ盤でも出ていて、手に入れたけど、もう売り切れだ。

欧州ではLPは直ちに買わないと、入手できないほどの人気市場なのだ。

CDは、まだまだ、新品を入手可能だけど。

さて、『炎』は、有名な『狂気』の次のアルバムとしてリリースされた。

あまりにセールス的に成功しすぎた『狂気』であるから、
次作には、かなり苦労したのだろう。

『炎』発表まで3年近くかかっている。

しかし、『炎』は、素晴らしい内容だった。

冒頭のシンセサイザーの分厚い音は、ピンクフロイドの音を決定づける、バンドとして欠かせない音となった。

音を出すのは、もちろんリックライト。

彼は、1979年、the wall の制作最中に、ロジャーウォーターズと対立し、ロジャーに解雇された。

しかし、そのロジャーもピンクフロイドを脱退したので、1987年、デビットギルモアに呼び戻された。

『ピンクフロイドの音は、彼しか出せない 』(ギルモア)

音を比較してみる。
炎オリジナルの冒頭のスペクトラムは、こうなっている。

赤は数秒間のピークホールド。



一方、『炎 トリビュート』冒頭のスペクトラムは、こうなっている。


スペクトラムを見ると一目瞭然だが、オリジナルの方が、低域が分厚い。
リックライトは、ミニムーグを使っていると思う。
対して、『炎 トリビュート』の冒頭のシンセは、ジェフダウンズの音である。
明らかに低域は薄く、軽い。

ミニムーグなんて持っているだろうから、同じ音は出せたはずだ。
いや、ムーグを持っていなくったって、サンプリングシンセで簡単に模倣できる。

でも、していない。

模倣しなかったのは、フロイドに、いや、リックライトに対する敬意なのだ、と思う。

自分の持ち味を出した、軽い音としたのである。

なにしろ、ラジオスターの悲劇、の作者である。

その後、エイジアを経てイエスにも入っているが、やはり、軽いシンセ音が身上なのだ。

凄いのは、CD4曲目、 Wish You Were Here。

ジョー・サトリアーニのギターで始まり、ゾンビーズのロッドアージェントがボイスを担当、シンセはエドガーフローゼだ。スティーブヒレッジのギターが重なってきて、ドラムスは、イアンペイスとカーマインアピスという、気絶寸前のメンバー。

もっと聞いていたいのに、あっという間に終わってしまうのが、残念。
CDなのでステレオ音源で、2chでも、かなり良い。

 

だが、Auro-3Dで聞くと、Auromaticに拡張して聞くと、本当にスバらしかった。

エドガーフローゼのシンセが、ふわふらと漂い、イアンペイスのベースはズンズン響く中で、ヒレッジの鋭いギターがうなる。
満点である。


AuromaticによるCDの視聴
イマーシブ感 ★★★★★
オリジナルソースのステレオ感 ★★★★

趣味のオーディオ専門の雑誌としては、最も歴史のあるステサンであるが、

どんどん薄くなっていている。

薄い、というのは、いくつか意味があって、

ひとつは、純粋に、ページの薄さ。

最新のNo.234号は、378ページ。2640円。
量で計算すると、1pageあたり、6.98円で購入していることになる。

ちなみに、No60(1981秋)号は、506page、1800円。
1pageあたり、3.56円。

ぱっと見て、最も厚いのは
No116 (1995秋)、654page,2000円。
1page当たり 3.06円。

量よりも質、厚さよりも中身が重要な、趣味の雑誌なのだが、残念なことに、中身はさらに薄くなっている。

1980年代のステサンは、カートリッジ、アンプ、スピーカー、ターンテーブルなどの視聴では、
実測データを添えていた。

ステサンが、機種紹介で測定データを添えるのは、もうない。

これをやるかやらないかで、掲載の手間は大きく異なるのは間違いない。

特にターンテーブル、カートリッジ、スピーカーなどの振動系コンポーネントにおいては、

実測データがある/ないで、記事の情報は月とスッポンである。

手間暇をかけていない記事で、情報量が、軽く、薄くなっているのだ。

まだある。

文を読むのは、書く手間と比例して長い時間を要する。
そして、文章が薄いと、あっという間に読める。

最新刊を1冊読むのに、30分も必要なくなっている。
文章が、薄いのだ。

評論家の中身が、薄くなっている。

ステサンの重鎮評論家が、どんどん死んでゆくので、
書き手をじゃんじゃん加えているのは、これは良い。

しかし、昔の評論家は、人生を賭けてオーディオをやっていた。

それが、文章に にじみ出ていた。

人生を賭けて取り組んだ人が書いた文章だからこそ、

1行の重みが違う。それに行間を読む価値もあった。

読むのに時間もかかった。

でも、いまは、そんな評論家は ほとんどいない。
趣味でオーディオをやっているライターが、どうでもよい言葉で書いている。
しかも、たいした装置でもないし、大した部屋でもないので、明らかに人生をかけていない。

だから余計につまらない。


趣味でオーディオをやっている知り合いは、おっさんは、僕もゴロゴロ知っている。

そういうひとたちと一杯飲んだ方が、はるかに情報量がある。

とにかく、ひたすら、ステサンが薄いのだ。

最新号に限らず、ここ何年も、読む価値のある文章をほとんどみていない。

オーディオに対する興味は相変わらずあるのにも関わらず、読みたいと思えない雑誌なのだ。
惰性で買っているだけ。


そもそも本屋がなくなっている現在、購入はamazonかサブスクに限られる。

いずれ、HiViのように、季刊 ステサンは、なくなる時が来ると思う。

なくなっても、特に残念でもない感覚が、既にある。
 

今日3月17日は、セントパトリックデー。

ロンドンのあちこちで、パレード(行列が動いているだけという言い方が適切かな)があった。

その行列の参加者は、緑の色を体のどこかにまとっている。

この緑が何を意味するのか僕はよくわからないのだけれど、要するにお祭りである。
意味はわからなくて良い。その行列に参加する人にきいても、どうせ誰も答えられない。

日本の各地にも、あれこれお祭りはあるが、いちいち、ねぶたの起源は。。。とか、調べてうんちく語る人はいない。それと同じだ

さて、この行列、どこにいくかというと、かならずアイリッシュパブにいく。

みどりの色をまとっていると、1杯ビールをおごってくれるのだ。
それだけのことなのだが、発祥の地、アイルランドでは祝日となっている。
https://stpatricksfestival.ie/

たぶん、表参道あたりでは、行列があったことと思う。
この感じになったはずだ。
https://www.ireland.ie/en/japan/tokyo/news-and-events/news-archive/ambassador-of-ireland-announces-2025-programme-for-st-patricks-day-in-japan/

アイリッシュパブは、どこにいってもものすごい賑わいで、皆がビール片手に、
コンビーフと芋を食っている。イギリスだとフィッシュ&チップスだが、アイリッシュは、
コンビーフ&キャベツという料理で、コンビーフとふかし芋のようなもの。
できたてなので、とてもうまい。

良い日だった。
 

3月6日の話なので、もう10日以上も前の話なのだけど、我が家でオフミをした。
かなり日が開いてしまったのは、移動していたり、仕事があって、なかなか、手が回らなかったからだ。

4人来てくれたので、合計5人がこの部屋に集合したことになる。
エアボリウムは大きめの部屋ではあるが、これだけ大人が集まると、当然に再生音には影響が出るけれど、

一気にきてもらった方が、迎える側としては効率が良い。

 

内容は、AtmosとAuro-3D中心の音楽再生だけ、

のつもりだったけど、
基準信号の再生とか、
2chでガンガン聞くとか、
はたまた、
映像出して映画のズゴーン、バゴーンのシーンを大音量で再生する(110dBくらい出ていたな)とか、

案外盛りだくさんになって、楽しかった。

少なくとも判明したのは、昨年の今頃のマルチchの音よりは、いまの方がずっとよくなっていたことだ。
そりゃ、あたりまえだ、適当に転がっているSPを、なんの考えもなく、取り付けやすい適当な位置に設置しただけ。

数だけはいちおうそろっている、そんな適当なシステムであったのだ。

 

 それを、10カ月かけて、2層3層を中心に大半を、ひとつひとつ検証し、コツコツと交換、インストールしたのがよかったと思う。

よしよし。

でも、
欠点もあれこれ、受けた。

これは今後の糧となるので、備忘として記録しておきたい。

1 リアch(1層 side ch)の右側は、ツィータが僕の仕事用のdisplayに妨害されて、高域は音が耳に入らない。
→ これは、まったく気にしていなかった。いわれると気になる。いずれ、レイアウト替えをしよう。

2 ウィーンフィルとベルリンフィルの音の違いが出ない
→ 自分自身、なにをどうすれば解決できるかわかっていない。ホールトーンの違いであれば、当然に録音に入っているから再生できている。そういう意味でもあるまい。ウィーンもべリリンも、どちらの音もいつでも聴きにいけるので、それを聞くことから始めてみよう。そもそも、解決できるのだろうか。不明.

3 右LFE周辺でなにかが共振している
→ 発信機を使って、低域の共振周波数を少しづつ変化させると、びりびりいう個所は必ず特定できる。ひまを見つけて、犯人を特定して除去したい

こんなところかな。

当日は、シャンパン、ワイン、ブランデー、スコッチ、各種おつまみ、おかず、食事、あれこれ(もう忘れた)
出したが、ランプレドットは好評だった。トスカーナ、いや、フィレンツェの名物料理。
結構簡単に作れる。

 先週、DeqX(model HDP-5)による、スピーカーの調整をしてもらった。

DeqXは、スピーカーマネジメントとか、サウンドオプティマイザとも呼ばれるが、
スピーカーの測定をもとに、ルームコレクションまで行うプロ用のイコライザだ。
スピーカーマネジメントなどとも呼ばれる。

同種のものに、トリノフやストームオーディオがある。

こうした本格的なイコライザと同列に論じるつもりはないが、AVアンプを買うと、まず間違いなく、
類似の機能がついている。パイオニアのMCACCproやヤマハのYPAO、DENONのAudysseyなどだ。

また、ピュアオーディオ用途には、アキュフェーズのグライコ DG-68などもある。

こうした製品群は、3つの機能がある。

1 スピーカー特性測定
  スピーカーの裸特性を測定する。スピーカーを部屋の真ん中に移動して部屋の影響をないようにしたうえで、
スピーカーユニットに1m以下にマイクを近寄せて、L/Rそれぞれ測定する。大型SPでは、移動を伴う大変な作業になる。

2 ルームコレクション
  リスニングポジションで、スピーカーが発生する音を、部屋の音響特性ごと測定する。ここで1次反射の影響を除去する、つまり、位相の補正を行う。スピーカーの裸特性がわかっていないと、出す能力がないのに無理に補正することになる。

3 イコライジング/ボイシング
  主に周波数特性を平たんに、あるいは、狙ったカーブに整える。
 AVアンプでは、多数のスピーカーの音量をそろえたり、メインchの特性に合わせたりもできるが、基本はグライコの機能で行っていると思う。アキュフェーズのグライコができるのは、3の機能だけである。


AVアンプでは、こうして整えた音に対して、ドルビー処理、Auro-3D処理のデコーダーを加えて、さらにコンサートホールとか、ライブハウスの響きを加えたりもできる。

さて、1ができるのは、DeqXだけである。というより、行う必要がある。

 また、イコライジングでも、ターゲットカーブにそろえたあとに、本当にターゲットカーブになっているかどうか、再測定して検証し、必要に応じて追加補正できる機能があるのも、DeqXだけである。

優れた機能をもつDeqXであるが、先週の調整の最中に、異常動作をきたした。

マザーボードの異常とみられる、明確な不調である。

電源リブートなどの処置で、1-3までの作業はなんとか終えることができたが、作業終了後、また異常をきたした。

仕方がないので、代理店に送付したところ、マザーボードには、168pinの接点があり、その接点が長年の使用で汚れていたようだ。念入りな洗浄で、念のためファームの再インストールで復活したという。

僕のピュアオーディオ装置では、このDeqXがマルチチャネルデバイダを兼ねており、これがないと、音を出すことができない。しかも、AVマルチチャネルのLFEはDeqXにつながっており、AVも満足な低音を再生できなくなる。

来週に、我が家でオフ会があるのだが、中止のお知らせ、を出そうかと考えていた。

壊れていれば、マザーボードの入れ替えだし、そうなると日程アレンジが見えなくなるうえ、deqXの部屋での再調整も必要になる。それに僕自身もあれこれ出張や日程が決まっているため、次回は、あるとしても、半年は先になるだろう。

そう思っていて、困ったなと思っていたのだけど、復活したとの連絡を受けたことで、決行できそうだ。まずは良かった。

この週末に、センドバックされるので、音だししてみることにしている。
 

ドルビーATMOSのスピーカー配列に関しては、数々の文献がたくさん参照できる。
論文も、ホワイトペーパーも、たっくさんある。

でも、ほぼ、シアターに関するもので、内容は業務用だ。

家庭用の、いろいろな事例というのは、見たことがない。

ところで、家庭用として限定したとき,プリアンプの制約で、設置できるスピーカー数が変わる。

今使っている、デノンのAVCA1Hは、ch数は日本製としては最大で、ATMOS時 9.1.6ch、Auro-3D時13ch、

LFEは4chまで拡張できる。

この機種がスマートなのは、パワーアンプchは15chしかないが、SP端子が17ch分あって、
ATMOS時はトップミドル2ch、Auro-3D時は Ch,Tsの2chを鳴らしわけることができることだ。
 

そうか、スピーカーケーブルは、物理的に独立しているのか。


ここで、一つ、思いついた。

ドルビーATMOSトップミドルSPは、頭に真上の左右に設置する。

その左右chの真ん中に君臨するのは、Auro-3DのTsだ。

別名VoG.

このSPが鳴ると、気持ちがよくなる。

この気持ちよさを、ATMOSで体感したい。

鳴らす方法はないものか。

ある。


トップミドル左右の間に、センターchを作ればよい。

トップミドルセンターのスピーカーはL/Rのワイヤリングだけで合成できる。

ブライアンイーノがアンビエントミュージックレーベルの時代に提唱した、マトリクス配線だ。

長岡鉄男も、たしか、オレの方がイーノより早かったと何かの記事で書いていた気もする。

配線は、こうなる。

すっごい簡単。


問題は、Auro-3DのTsスピーカーと、ATMOS用のTsスピーカーの位置が重なってしまうことだが、、

これもシンプルに解決できる。

ATMOSの時は、50cm程度、体をスクリーンに近づけることで、VoGより50cm前方にATMOS用のTsを設置できる。

こんなことやっているやつ、いるかな。

やってみよう。

 

同じ考えで、サラウンドバックL/Rには、バックセンターSPを鳴らすことが可能だろう。
 

これがうまくいったら、バックセンターも試してみよう。