ハイレゾの音楽配信が増えてきた。


何がどうよいのか、わかっていないまま、

ハイレゾだから優れている、音は良い、と思ってる人も多い。
 

あえていうと、iphoneに高級ヘッドホンをワイヤレスでつないで、しょりしょり聞いている人は、

100%の確率で、ハイレゾの音は聞けていない、と断言する。

iphoneに限らず、どんな高級なものであれ、携帯プレーヤーでは、ハイレゾの音は再生できない。

ハイレゾは音がよい、と思いこんでいて、勘違いしているだけだ。

音がよく聞こえるのは、マスターテープから、ハイレゾのデジタル信号にマスタリングするときに、

丁寧に行っているからである。

 

要するに、もともとのマスタリングが、悪かったのを正したた点でよくなっているだけなのだ。

でも、そのまったく同じマスタリング作業で作成した、16bitと24bitの音を聞いたら差はわかるのか?

実は、この違いは、かなりの高級なオーディオを用いないと、まずわからない。

並みのオーディオ装置では難しいのだ。

しかも、高級なオーディオ装置でも、19bitか、せいぜい20bitまでしか再生できない。

 

たぶん、24bitを超えるハイレゾをきちんと再生できる部屋と装置を持つ人は、日本には存在しない。

そもそも、世界最高級のDACといえでも、製品として、24bitの解像度を持つのは無理だ。

1bitの処理で、6dBのダイナミックレンジが得られるのだが、24bitになると、144dBである。

1Vの出力を基準とすると、1/(2^24)=60nVの単位で信号が出てくる。

DACのチップ処理としては、24bitが出せるとしても、DACの出力は、実際には

アナログ信号であり、アンプを通して出てくる音声信号になる段階で、

 最小単位 60nVのような小さな音は出ないのである。

なぜか?

DAC製品内では、処理する最低bitの小さな音より、残留ノイズの方が大きいからだ。

この信号を増幅できるアンプは、並大抵ではない。

高級なオーディオアンプでも、SNは、93dB程度である。

 

これは、15.5bit程度にすぎない。

おれのアンプは、もっとずっとSNは良いぞ、という人は、だまされている。

たぶん電気の知識も足りない。

オーディオアンプの測定では、測定する際に、自由な(=メーカーの都合の良い)フィルターをかけて、

見栄え=数字のスペック をごまかす手法がとられる。

フィルターは、残留ノイズのもとになる高域をカットして、ごまかす手法である。
 

高域をカットした信号なんて、既にハイサンプリングではなくなるのは誰でもわかるはずだ。

93dBのアンプでも、 IHF-Aというフィルターをかけると、SNは108dB程度まで上昇する。

15dBもインチキしているのだ。

ちなみに、この15dBもごまかす手法が、最も普及している。

さらに、出力を、1Vではなく、20V程度に無理無理上げる表記も許される。

これで、118dBまでスペックは上がるが、ようやく19.7dBの解像度しかない。

最高のSNを誇るアキュフェーズのC3900でも、SNは118dBと表記されているので、
20bitしか再生できない。

今日現在、これを超える静かなアンプは、製品としてはたぶん存在しない。

仮に、そういった製品があったとして、

最高の装置で、24bitのハイレゾを再生すると、なにが聞こえて、なにが聞こえないのか?

聞こえるのは、大きな音である。正確にいうと、残留ノイズより大きな音。

聞こえないのは、小さな音である。正確にいうと、残留ノイズより小さな音。
ノイズに埋もれるのだ。

さらに、ヘッドホンではなく、SPに聞く場合は、
部屋の暗騒音というノイズもあり、騒音にかきけされる問題もある。

金に糸目をつけずに、遮音性能の高い部屋をつくっても、
暗騒音を0dB以下に抑えるのは日本では どんな田舎でも無理だろう。

もし、案騒音0dBの部屋が存在しても、144dBの爆音まで出せるSPは存在しない。
144dBとは、ジェットエンジンの真横で聞く音である。

せいぜい、120dBだ。

0dBから120dBまで、再生できる部屋も装置もあったとしても、
120dB、つまり、20bitの能力しかない。

 

要するに、あなたも、僕も、ハイレゾの音なんて、聞けていないんです。