久しぶりに日本にやって来た。
滞在中に、ぜひやりたい作業がある。
自宅にある、マルチチャンネル再生用システムの、サラウンドchスピーカー構成の再構築だ。
一応、いまの再生システムでも、ATMOS再生用に15.1chのレイアウトにはなっている。
フロントchおよび、リアchに関しては、Auro-3D 13.3chに準拠したレイアウトに近づけていて、特に上下関係は真上真下の関係を保っている。
でも問題がある。
いまは、2ch単位で、まちまちのスピーカーの寄せ集めで構成している。
メーカーは統一されていない。
さらに、マルチchを構成するSPのグレードがちゃちだ。
# ちゃち、という点では統一されているとも言えるのだが、
要するに、この機会にグレードアップを図りたい。
さて、マルチchのスピーカーのメーカーを、モデルを、統一しないと問題か。
統一すると、問題はないのか。
どちらも、否、と考える。
ドルビーでは1層、2層にわけて、さらにAuro-3Dでは3層までSPをレイアウトするが、理想は、全chの同一モデルであることは、知っている。
でも、僕はフロントchに大型のSPを使っているので、それをさらに13個も部屋に設置できっこない。
実は、この点に関しては、Focalというスピーカーメーカーの視聴室にお邪魔して音を聞かせてもらったときに、サウンドエンジニアと話してきた。
フォーカルの最高ラインであるユートピアは、小型モデルを含めて天吊りするようには考えられていない。
床に設置してつかわないと危険である(重いのでアタリアマエ)、という話にはじまり、
1層、2層、というレイヤーで同じモデルを設置するのは机上では良い考えだが、部屋での再生、ということを考える限り、設置基準面(高さ)によって、同じスピーカーでも音は大きく変わる。つまり、同じモデルを設置できたとしても、労多いわりに効果はないだろう。
また、多数の壁に密接しないでスピーカーを設置するのは現実的には不可能であり、むしろ小さいスピーカーの方が自由度が上がり、位置やルームアコースティクスの調整をするにあたって都合が良い。
フォーカルでは、7.1chでグランドユートピアでマルチchでオーディオショーでデモンストレーションしたことがあるそうだが、低域が出過ぎて、失敗したそうだ。
その時に使ったアンプは、なんと、ソニーのAVアンプ(パワー部がデジタルアンプ)だったそうな。
しかし、プロの映画向けの現場では、フロントを除くサラウンド用には、フロントchと同じメーカーの、同じ時期の、同じラインでそろえるのが常識だ。
映画館でいえば、 工事を一気にまとめて行うので必然的にそうなる、あえて異なるメーカーのSPを入れてまで、音の細かな設定を気にするのは本筋ではない、という理由が大きいものと想像する。
一方、我々エンドユーザにとって、現実には、サラウンドスピーカすべてを同じスピーカーでそろえることができない。仮に同じメーカーで同じシリーズだとしても、違うモデルであれば大きさや構成が全く異なるので、同じ系列の音がするわけでもない。たとえば、ウィルソンやフォーカルは、KEFなどは、同じ会社でも同じラインでも、ぜんぜん異なる音を出す。
B&Wは似た音を出すので、メーカー次第であろうが。
ところで、オーディオコンポーネントは、それぞれが別々のメーカーの組み合わせで、好きに楽しむのが常識である。
僕のばあい、ディスクトランスポート、DAC、プリアンプ、イコライザー、パワーアンプ、スピーカー、ケーブル、すべて異なるメーカーである。
自分で考えた組み合わせで、自分なりに音を楽しむ。
それが民生オーディオの楽しみの一つなのだ。
結局、サラウンドスピーカーを入れ替えるにあたり、自分で使いたいスピーカーを選ぶことにした。
1 まず、使いたいスピーカーをピックアップする。
2 それを店で視聴する
3 気に入ったら、軸上1mでf得を測定させてもらい、特に低域性能を確認する
4 買う
最優先で解決すべきchは、今まで最も存在を無視していた、センターch だ。