今月前半、Euro2024の、セミファイナル、ファイナルをみるために、ドイツに渡っていた。

最初に訪れたアリアンツアリーナは、外から見るとドーム型に見えた。

夜は赤くライトアップされ、UFOみたいだ
(赤は、バイエルンミュンヘンのクラブカラーである。)

実は、中に入ると、観客席には屋根があるが、フィールドは露天である。

日本には全天候型のドーム場もあるので、それでもよいはずなのに。

 わざわざこんな構造にするのは、サッカーは屋外スポーツであり雨が降っても行うというルールを尊重しているのだろうか。

2022-23シーズン後に、小規模の改修工事があって、立見席を原則廃止し、
座席と車いすスペースに改編した。これは、地方行政からの要請だという。

このゴール裏の、最も遠い席にして、レギュラーシーズンでは50€の座席だから、ざっと9千円というところ。

日本だと、マリノススタジアムの安い席は3000円くらいだから、こうした点でも日本の物価は安い。

(バイエルミュンヘンとマリノスの違いでしょ、ということまで掘り下げるのはナシである)。

今回は、本当の目的は失礼ながらサッカーではなく、スタジアムの響きだ。

前方、サイド前方、サイド、後方。
どう響きが異なるのか。

要するに、マルチチャネルで再生するときに設置するSPから鳴らす音
と、実際のスタジアムでの音の相違を、しっかり把握しておきたいのだ。

まず、サッカー場は、それぞれの方向で、左右対称ではない。

サイド側で反射する壁は、サッカーフィールドの向こう側にある観客席であり100m先だ。

フィールドは(105mx68m)で、その周囲にベンチがあり、その周囲を観客席が取り囲む。

あらゆる方向で距離が大きく異なるので、仮にきちんとしたマルチチャネルで収録あるいは放送したところで、家での再生時にスピーカーをそろえる意味はない。

いままで、こんな観点でスポーツを観たことはない。

いろいろ聞いてみると、スタジアムにも、音響ホールと同じように、音響デザインというものがあるという。

スピーカーや大型スクリーンの設置でも、その音響を生かした設置設計をしているらしい。

よーくみると、サッカー場も、フィールド、1F席、2F席、3F席とレイヤーになっているのもあらためて認識できた。

これは、サントリーホールと同じ、Auro-3Dの考えとも同じなのだ。

ふうん。