本日、WOWOWのスタジオで、ミスタービッグというロックのライブ映像の完成披露試写会があって、参加することができた。

こうした案内をいただいたWOWOW  Executive Creatorの入交さん、アレンジいただいたAuro-3Dさん、
ありがとうございます。

ところで、ミスタービッグというのは、実は2つのグループがある。

ひとつは、英国のミスタービッグ。
1970年代にプログレハードというジャンルが一時はやった。ロック評論家の渋谷陽一の造語みたいだが、ボストン、カンサス、TOTOなどが代表的だが、ミスタービッグも入っていたと記憶する。

僕は、こちらのミスタービッグが大好きなのだが、残念ながら、今回は、別のミスタービッグ。
米国のバンドだ。英国のミスタービッグとは無関係で、1989年にデビューしたハードロックバンドだ。
ドラマーのパットトーピーが、フリーの名盤 fire and water に収録された Mr.Bigからとったバンド名らしい。

なるほど、Voのエリックマーチンの歌い方は、ポールロジャースと似ている。

こちらのグループの方が、はるかに売れたのだが、ドラマーのパットトーピーがパーキンソン病を患っていて、2018年に死去した。

こうしたビッグネームは、お金を稼ぐために続けるというより、仲間がいなくなった段階で活動終了にすることが多いと思う。ピンクフロイドやムーディブルースもそうだ。

 さぁ今生の別れにツァーでもやって終わるか、と思ったのだろう。2023年7月に、The BIG Finish Tour という最後のツアーを行ったが、その日本公演の、武道館ライブの記録だという。

 ちなみに、この時に同行したドラマーは、ニック ディデバージオだが、彼はジェネシスのライブでもドラムスを担当した人だ。

96Kマスター音源で13.1chで再生してくれるという、なんともありがたい試写会だ。

最終的にはBDになるだろうが、wowowスタジオで再生してくれたのは、マスターであることが凄い。

いろいろな場所に設置したカメラの映像を効果的に編集してひとつの作品にまとめている。まだ字幕はなかった。

マスター映像は、たぶん4Kだろう。ビクターの民生用のプロジェクターに見えたがよくわからない。
スクリーンは180インチ (16:9だと思う)。ハメ殺しのスクリーンなので、平面性は完璧。

音は、96kのマスター音源で13ch分. おそらくリニアPCMで、DANTEと呼ばれる形式でイーサネットに流し、それをもの凄い数のSPが拾って再生する仕組みだと思う。

SPは、知らない会社のもの。DAC付パワードSPだろう。1層は方LCRの3つだけが大きくて、あとはちっこい。2層以上は、すべてちっこいSP。

今回は音重視ということで、なんとCのスピーカーはスクリーンの前に設置され、LRと高さをそろえていたものだから、映像がSPに投射される。
 
僕はスクリーン近くの真ん中あたりの席をとったので、顔はやや上に向く必要があった。
以前にblogに、絵を描いているが、まさにこんな感じで見ていたのだ。
https://ameblo.jp/siltech/entry-12857023128.html

全体の音は、大変にクリアで、それぞれのSPレイアウトを武道館での視聴位置関係にみたてている
など、手がかかっている。

驚いたのはシーンごとに、ミックスが変わっていること。たとえば、マイクでしゃべりのシーンも多かったのだが、こっそりしゃべるようなシーンでは、耳元でささやくように聞こえるよう、位相を細かくいじっている。

 自分の耳のスグ近くしゃべられているかのような感じがあって、背中がゾクッとした。こうした効果は視聴する席によって変わるようだが、僕の席では少なくとも2回、そのゾクゾクを感じだ。

内容的には、よほどのファンは別として、2H30Mの尺はさすがに長すぎてだるい。

最後の20分くらい、ファミリーの紹介になっておもしろくなり、アンコールは最高であった。

曲は、ピートタウンゼントの作品、Baba O'Riley(Who's next,Y1971の1曲目)で、そういえば、ピートタウンゼントの歌い方にも似ているな、と思いながら楽しめた。

Mr.Bigは嫌いではないので、BDは買ってみようと思うが、とっても残念なのは、13chで収録していながら、BDへは11chにダウンするようだ。Auro-3Dでの話と思うが、初の13.1ch 商用BDか、よしよし、と期待しただけにこれは残念だ。初回限定でよいので、なんとか、Auro-3D 13chで販売できないものかな。

マスターを利用した最高のサウンドを聞いたので、今後のリファレンスになる。
我が家でどう再生できるか、楽しみだ。


 最後にこれはぜひ書いておきたいが、2H30Mも聞いたので、しばらく耳鳴りがした。

僕自身、珍しく耐えたのだが、90dBは常時超えていたと思われる再生音量は、ロックコンサートだとしても大きすぎたように思う。