アランパーソンズプロジェクトとしては4thアルバム。

1stを例外的な作品とすると、2枚目のアイロボットから、
ポップな作りとなっているが、これも同じ路線上にある。

まずジャケットが素晴らしい。
アルバムアートもヒプノシスの手によるものだ。

表ジャケはこのblogのトップにいれている。

裏はこんな感じ。


LPでは見開きのジャケで、内側にはアランパーソンズが顔を出している。

全体を通して曲も良くできている。

美しいプログレ風味のメロディ、シンセやオケを効果的に利用した
完成度の高さ。

 特に最後の曲 、
if I could change your mind
は、アランパーソンズプロジェクトとしては珍しく女性ボーカルが歌う。
歌い手はLesley Duncan。

彼女は、名作狂気でThe Great Gig In The Skyのバックコーラスを
務めた人でもある。

  Duncanは、このEVEのレコーディングを最後に、公のレコーディング
から姿を消している。好きな声だったので、残念だ。

ところで、アランパーソンズプロジェクトの作品は、ATMOSや5.1chが入る
BDのbox、はたまたLPなどで再発されている。

お約束のように初回プレス限定なので、結構高価にもかかわらず、すでに
入手できなくなっていることもある。

なるべく手に入るものは僕も買い求めているのだが、アランパーソンに限らず、
買ってよかった、と思うことは、ほぼない。

5.1chを聞いて、新しい発見は多少あるものの、感動がないのだ。

感性の問題なので人それぞれに異なるものだろうが、
たとえば、真横から音が槍のように刺さってくるのはおもしろいとは
思うが、そんなものは、本来の音楽とは無縁だし当初からの意図なんて
なく、特に感動はない。

その点、最初からマルチチャネルを意図して制作されたであろうピンク
フロイドあたりとは全く異なる。

そもそも、CDを良いステレオ、つまり正しく2chで聞く限り、2chだけで
音場はきちんと提示される。

せっかくキチンと再生されている2chと比べると、大半の5.1ch盤は、
1枚を通して音楽として楽しめるレベルに到達していない。

マルチchはあくまでもおまけ、トッピングオプション的なものだ、と思う。

とはいえ、せっかくAuromaticで聞ける環境をもっているので、
ここでは、無理無理13.3chに拡張してDuncakの歌をきいてみる。

もとのフロントchは、このように十分にレンジは広く、ロックとしては最上級の
録音だと思う。

13,1chでのオーケストレーションの効果音は、サラウンドとして部屋全体を
ふわっと包む。

でも、肝心の声が盛大にリバーブがかかる。
リバーブがかかりすぎて、歌詞も聞き取りづらい。

しかも、デパートの迷子のアナウンスのようにあちこちのSPから
響くものだから、気持ちが悪い。

1曲を通しては聞き続けられなくなったので、途中修了。
これは普通に2chステレオで聞くのが正解だ。

AuromaticによるLPの視聴
イマーシブ感 ★★
オリジナルソースのステレオ感 ★★★★☆