マルチchオーディオは、2chよりも、かなり大変であることに気が付いた。

まず、マルチchオーディオというものは、ピュアオーディオとしては存在しない。

間違いなく、ディスプレイ(スクリーン)が入る。

なぜかというと、

メディアはBD、DVDが主体になり、映像をみないと操作ができないから。

そもそも、マルチchオーディオは、

映画のためのであり、映像の方が重要だ。


簡単に言うと映画をATMOSで再生するために、

スピーカーをたくさん部屋にいれるだけだ。

せっかくSPを多数そろえたついでに、

それを利用して音楽も再生するだけだ。

特にATMOSは、好きな位置にSPを置けばそれで完了、

楽なのだ。

だから、普及する。


でも、Auro-3Dは、SPのセッティングルールがたくさんあるようだ。

別にユーザの自由だから無視してよいはずだ。

僕も最初は都合の良い適当な場所に適当においていたし、そもそも、

ソースもないAuro-3D方式のために面倒な設置ルールに従う

気持ちになれない。

でも、ちゃんと守ると、その努力が報われる。

努力しただけのアウトプットがあるのだった。

試験に出る英単語を勉強するような感じだ。

しかし、Auro-3Dとは無関係だが、スピーカーにはオキテがある。

「壁にくっつけず、1mは離すべし」

全てのSPを、このルールに沿って設置している人は、いるのだろうか。

よしわかった。

ここは一丁、ひらきなおって、

完璧な条件を妄想してみようと考えた。

どうだ、これだけやれば十分だろう。

と言い切れるほどの十分条件を、考えみようじゃないか。

全て数字で確認してみる。

考えるのはタダだ。


まず、映像であるかぎり、スクリーンが必要だ。16:9inchを標準としたい。

十分に大きなスクリーンサイズを考えよう。

おおきければ大きいほど良いのがスクリーンだ。

でも、家で使う以上、限界がある。

限界は、ズバリ、250inchだ。

これを超えると、スピーカー間隔がひろくなりすぎる。

250inchとは、H5.5m x V3.13m で、製品としての大きさは
電動スクリーン仕様で6mx3.5mほどになる。

人によっては、カーブドスクリーンを好むが、あれは画像が歪む。

サウンドスクリーンは絵が汚くなるので論外。

ピュアオーディオを兼ねる前提をとると昇降が必要になるので、

電動フラットスクリーンだろう。世界標準のスチュワートU13か。


当然プロジェクターも使う。

現時点でビクターV900R一択だから、

投射距離は本体の尻から8m必要だ。

このスクリーンを基準に、投射に必要な光路を確保したうえで、

スピーカーを設置する。

rは3.5mがちょうどよさそうだ。

半径3.5mの円周を基準に、すべてのSPを設置する。

部屋の短辺は、直径7mに加えてサラウンドSPの奥行き1mを加味して

9mとする。

これで短辺の長さがきまった。

石井式リスニングルームによると、短辺1:長辺1.18が理想である。

したがって、長辺は10.6mとなる。

同様に、高さは、短辺1に対して1.38なので、12.4mの高さが理想となる。


一部屋で96m^2 、これが内寸であり、高さは12mを超えるという

なんだか教会のような広さになるわけだ。

そうとうなエアボリウムだ。

ここまでの話を図に落とすとこうなる。

センタースピーカーは、ひとまず光路の真ん中に仮置きしている。

一軒家で実現する場合、遮音55dB程度を実現するために、

部屋より一回り広い建物になり、建ぺい率の制限もある。

建物の倍の広さの土地70坪は必要になろう。

探せば都心でもありそうだ。

マンションだと、3フロアをぶち抜くほどの高さが必要であり、

施工前に設計することになる。

うーん、思ってた以上のスケールになってきた。