本日、Auro3Dさんの伊豆リスニングルームを訪問しました。

オーディオ専用のマルチch,とりわけAuro-3Dの環境としては、
日本でもトップと思われる聖地であります。

僕自身は仕事で移動もあったし忙しく、そもそもアンプ
が不調でマルチch再生環境から1ヶ月ほど遠ざかっていた
のですが、ようやくアンプも交換が完了しましたので、
ワイヤリングや各種設定をやりなおしている最中でした。

本物を味わって目標の確認と自身の環境との評価を行う
ナイスなタイミングでの訪問です。

お部屋は、Auro-3D友の会サイトで写真が数多く掲載されて
いるので、機材などに関しては、そこをご確認いただく
として、そこにも多々掲載されている写真の通りの素敵な
部屋です。

平行する面が少ないので、定在波の面でも有利でしょう。

僕も写真や文章はみていたので、部屋はめちゃくちゃ
広い印象をもっていました。

実際は広大というほどでもなく(実面積の4倍くらいデカ
いスペ-スを想像していたもので)、エアボリウムは私の
部屋と大差ない感じ。

当然に狭いこともないリビング中の中心部スペースに
13.1chスピーカーが鎮座しています。

すべてのSPは同じシリーズ、
特に1層の5chはまったく同じモデルで揃えるという
普通に考えると難しいことも実現されています(ぱちぱち)。

最初に、SP単体としての素性の確認を兼ねて
5chの中の2chをつかった再生をきかせてもらいました。

まぁ、特になにか悪いこともない普通の音です。

ところがネイティブAuro-3Dの音をきかせていただくと、
真骨頂のマリンバをきかせてもらったせいもありますが、
水を得た魚のように確かに見事な音でした。

とはいえ、なにか、サラウンドバックから,我が家では
聞こえない音が聞こえていて、しばしば後ろをみて変だな変だな、
とも発言しましたが、

このときは、正確な音は、こんなに後ろから音が聞こえて
分離するものなのか、とも思っていたのでした。

結局、真空管アンプでピュア2chの音がプリとつながっていて、
関係ない2chスピーカーが後ろにセットされていたため、
それがなっていたのでした。

ちゃんちゃん。

その後は、正しい音でリスニング再開。

やはりいいですね。

響きがゴージャスで、ただただ気持ちがよい。

ヴォーカルのディプスも十分で見事です。
絶賛すべき音です。

こうした音をマルチchで出せている人は初めてです。

僕自身は、いままでATMOS再生設備までは一応整備していた
ので、そこそこマルチchの再生はできていたのですが、
各SPから耳に届く音はばらんばらん。

それでもフロントSPの支配力が大きいので、問題は
感じていなかったのです。

でも、あれだけの数のSPからこんなに整った音が出る
ものとは。

Auro-3Dの約束事を守ってセッティングする価値を再確認
した次第です。

しかし、ここで 
では thank, good night
と文章を閉じるわけには行かない。 

やはり、個性は感じる音なのです。 


それを、もう少し掘りさげてその音を言葉にすると、

1 緻密でパーフェクトなわけではない

 定位はかなりよいのです。

 でもサウンドステージの高さが低い。

私の好みより。

 そこが個性なのですね。 個人的にはもう少し上方に

歌手のボディを定位させたいところです。 


ディフューザーパネルを設置すると簡単に解決します
けど。

そんな無骨なことは快適な明るい部屋を汚すことになりますしね。


 設定している目標周波数を修正するとかなり聞こえ方は変わるので

試す価値ある気がします。



2 小さめの音だと少しばかりの違和感

 各SPが提示する場(field)のダイナミックバランスがそろっていない
ように感じます。 


5.1chのスピーカーが全員同じ性能ではあるが、

音楽の中で全SPの音量が完全に そろっているわけではないので、

リーダーが存在せず、ばらばらさが目立つのでは ないだろうか、

ともおもうわけです。 


(ただ、かなり大きな音量で普段再生しているようなので、
そのときは問題は感じません) 


我が家では、もっと^2 ダイナミックバランスはとれていないはずですが、

fレンジで圧倒的に支配しているのが

フロント2chであってあとのchは

 (Cを除いて)残響音を加える脇役なので、

ダイナミックバランスは常に 

フロントが支配します。


 音楽のステージが前面にある、

だからフロント2chを豪華におごる、 

というのが一般的な音楽再生に

ベターな気はしていたのです。


というと、これはどうだ?と出てきたのが



マイクの周りを囲うように 演奏者がいて、

自分の周囲すべてがサウンドステージ

になっているAuro-3Dのソース。


 確かにこうしたソースをきくばあい、

全SP一致の法則が必要ですね。



 3 コントラバスまで2Fで演奏しているように聞こえる


 サブウーハが2Fにもセットされていて、

オルガン重視だそうなので、2Fからの響きは 実に気持ちよいのですが、

ウッドベース領域も空から降ってきます。 



らせん階段を通して2Fから1Fに骨伝導してきた振動が

1F階段真下のSWの 振動モードと戦っている感じもうけました。



 上記の(僕が感じた)短所は、

長所が上回っているのですが、

 ゆえに響きで覆っている感じがあります。 


だから、響きが余計必要になる。

 そんなイメージをもちました。



 ところが

帰り間際に聞かせていただいた、エレクタアマトゥール。 


ルームコレクションを通さずにシンプルに真空管アンプでならした音は、豊か。

しかも、よい意味で緊張感の抜けたもの。

セッティングなんて、おおざっぱで

トローリー荷台のような板の上にポンとおいてあるだけで

笑っちゃうのですが、それでいてオーディオ的にも

大変なレベルでよい音だと思いました。

一杯やりたくなる音。

まぁ、とにかく、いろいろなお話をしたなかで、

Auro-3Dに関して参考にすべきことが多々あり、

たくさん学習できました。

いやぁ、人の音を聞くと刺激を受けて触発されます。

これを生かして、年内に、できれば同レベル、少なくとも

もっと接近するレベルの再生を自分の部屋でも得たいと思った次第です。

本日の音は、絶賛はしますが、自分でも(自分なりの個性がある前提で)

到達可能なレベルだと思ったからです。

食事なども気を遣っていただき、また送迎までしていただき、
ありがとうございました。

6月8日 深夜