五感教育研究所-s
脳のエネルギーとなるブドウ糖を摂取するためには、規則的に食事を摂ることが一番だ。血中の糖濃度が下がっている朝は特に重要だ。
近頃、朝食を摂らない人が増えていることから、その必要性が説かれることになる。朝食を摂った方がよいことについては、様々な調査報告から明らかだ。朝食抜きの場合、前日の夕食後から何も摂らないわけだから、午前中は栄養が補給されずに頭の働きが鈍ってしまう。そのうえ朝食を摂らないと体温が上がりにくいこともあって勉強や仕事に身が入らない。
空腹時のブドウ糖だけを摂取すると、そのまま一気に吸収されて急激に血糖が上昇する。続いて視床下部がこの変化をキャッチしてそれを抑制する反応を起こし、その結果、血糖が急降下することは体にとって大きなストレスとなる。これに対して、お米のデンプンがブドウ糖に分解されるのには約2時間が必要なので、ご飯は脳にやさしい食べ物である。出勤前あるいは通勤前に、ご飯とおかずの朝食を摂っておくことで、午前中は脳がしっかり働くことになる。
イギリスで行われた実験によると、トランプの神経衰弱のような空間記憶のテストをすると、朝食抜きのグループは非常に成績が悪い。
例え、コーヒーを飲んだとしても、まるで改善されなかった。さらに、ワーキングメモリーに対する効果を調べた実験によれば、炭水化物対タンパク質の比が4対1の食事を摂るのがベストだという。
脳にとって朝食は必要不可欠なのだ。
n脳にとって必要な朝食(朝食はなぜ必要か)。
脳のエネルギー、ブドウ糖は蓄えることが出来ない→脳の栄養補給のためには規則的な食事が必要→疎かになりがちな朝食をしっかり摂る。
脳のブドウ糖をエネルギーとして働く、朝食を摂らないと脳が活性化せず、うまく働かず効率が悪い。脳と心、山元大輔監修、日本文芸社、第8章-2より引用。
私は現在「食から日本を元気にするプロジェクト」を推進している。朝からしっかりご飯を食べようプロジェクトにも参加し、呼びかけている。
私は人の五感研究から「食と味覚」の関わりから提唱している。朝食の重要性を脳の栄養素、味覚の発達を促す。唾液の増加などの食から健康に、女性の方々には朝食から美しくを提唱している。
テレビ出演、雑誌、新聞社などの取材なども増加しており、マスコミ等でこれら食と味覚、食の安全、安心、確保などにも取り組んで行く予定である。
現在のように、例えば20歳代の独身男性の65%は朝食を食べずに抜いている。例え、食べたとしてもファーストフードやコンビニでパンとコーヒーなど、これらを含めて80%以上の人たちは、朝食でご飯を食べていない。食べたとしても簡単に済ましている現状を私は危惧している。
健康面だけではない。これらの状態は、日本国内自給率もなかなかアップしない。
食生活の変化に伴い自給率も低下し、味覚の未発達も危惧されている。私共とフジテレビの調査で全国の小学生の半数以上は「味覚障害」である。予備軍も含めると全体の6割近い人たちが味覚障害が疑われているのです。
正しい食べ方、朝食を食べていない、好きな物しか食べないなど「偏食」傾向も強いのである。
何より、お米、ご飯を食べなくなった。1965年度には日本人平均1日に5杯のご飯を食べていた。とこが2008年度には1日2.7杯と減少、今年は2.5杯と後10年もするとご飯を食べる人たちは高齢者だけになるのではないかと危惧している。日本人の体型、腸などの長さが身体からみても長い日本人、欧米人のように身体からみても腸などは短い。これらは消化器官の違い、穀物を好んで食べる日本人と肉食を好む欧米人との食べ物の嗜好なのである。つまり、身体にあった、バランスがとれた食べ物こそ、ご飯とおかず、魚や野菜、肉類と和食の食事こそ私たち日本人に最適な食事なのである。それが海外から6割以上を海外から食材、食糧を輸入に依存している現在、肉類も安く手に入り、何時でも食べられる日本の食卓、これらに伴い食の欧米化が加速的に進み、日本人には少なかった食道がんや胃がんが急激に増加している。
日本は食材と食糧に恵まれているが、私たちの食事の仕方、食べ方、食文化は「貧食、貧国」になりつつある。今一度、日本の食文化を見直し、健康食に心がけ、朝からしっかりご飯を食べ、頭脳明晰で賢い日本人を取り戻したいものである。今後とも私共は「日本の食の安全、安心、確保」(食育の推進)を全力で取り組み、皆様に提唱して参ります。
五感教育研究所、主席研究員、荒木行彦、