前回の続きで箱根 仙石原の散策記録です。
湿生花園を後にし、有名なススキの原へ移動。
3年前は実家の家族と一緒でしたので
一人でここを訪れたのは今回が初めてとなります。
写真の奥の方に車道が見えますが
そのさらに奥に湿生花園があります。
確かに離れてはいますが、私の足ならば
徒歩で簡単に往来できる距離です。
その前に、腹ごしらえ……ではなく
ちょっと茶店に寄って間食。
こうやって金がどんどん溶けていく
ヨモギのソフトクリームなるものを食べました。
香りが確かにヨモギの葉のそれでして
私は食べながら草餅を思い出しました。
さて、仙石原のススキの原へ。
前日に大雨があり、午前中もパラついていたので
足下が大分ぬかるんでいて歩き難かったです。
足跡がついていますが、軟なスニーカーでは
踏み込むとずるっと滑りますし
水がしみ込んできそうだったので
何とか泥濘を避けながら歩きました。
ここにはホオジロが多数生息しています。
結構近い位置で見られることも多く
カメラ目線になることもあります。
(逃げる様子はありませんでした)
地味ですが、こんな新顔の昆虫も。
リンゴカミキリによく似ていますが
翅の色などが微妙に違うので
写真を持ち帰って後でチェックすることに……。
結果、ヘリグロリンゴカミキリという
近いけど違う種であることがわかりました。
遭遇率・・・1 (都心部にいるんだろうか?)
インパクト・・・2 (サイズは小型)
美しさ・・・3 (それなりに綺麗?)
俊敏性・・・3 (まあこの個体は交尾中で動きませんでしたが)
知名度・・・1 (知らなくても困らんか(汗))
どうも「リンゴカミキリ」というのは
総称と言いますか……リンゴカミキリ属という
カミキリムシの属が存在するらしく
その中には色々な種が存在するらしいのですが
掘り下げるとそれだけで記事が終わってしまいますので
ここは一旦割愛させてください(逃)
エイリアンというかドラピオンというか
なんかイ●ムシっぽくないイモ●シが……。
(ちなみに頭部は左側です)
シャチホコガの仲間の幼虫らしいのですが
それを調べるためにGoogle検索した時のキーワードが
「ドラピオン そっくりなイモムシ」でした。
(それでもすぐには画像が出てきませんでしたが)
なお、ドラピオンはイモムシではなく
サソリをモチーフにしたポケモンですので念のため。
仙石原の植生については
湿生花園のそれに近いものがありますが
もちろんここで見られるのは自生株です。
左のオカトラノオは、この時期の代表種ですね。
また、ツマグロバッタもわんさかと現れ
黒化したものなど、色違いのポケモン個体も
多く観察できました。(右写真)
小さくて、上のヘリグロリンゴカミキリよりも
地味なカミキリムシが現れましたが
正体はちょっとわかりませんでした。
この手のカミキリムシは種類が非常に多く
毎度識別には苦労させられています。orz
……とまあ、色々と昆虫が現れ
数・種類共に湿生花園以上に豊富なのですが
一方で大きなケ●シだのイモ●シだのも多く
正直あまり長居したくない気持ちもなくはない……。
(たまに誤解されますが私は今でもあの手の面々は苦手です)
それでも平野部で見られないものが色々見られるのは
やはり魅力ですので、せめて遊歩道を登り切るまでは
歩いてみようかと思いました。
で、奥へ奥へと進んでいく中で
突如目の前の茂みからガサガサという音が……。↓
!?
明らかにキツネと思われる
哺乳類が姿を見せました。
あ! 野生のキュウコンが飛び出してきた!
咄嗟にカメラを向けて、まず証拠写真を撮影。
相手は野生哺乳類ですし、以前アナグマとニアミスして
逃げられた苦い経験がありましたゆえ
これも逃げられるだろうと半ば諦めていました。
(その場合、新顔ランキングではせいぜいベスト10どまり)
ところが……↓
何とこのキツネ、茂みから飛び出してきて
私にまとわりついてきました。
エサをねだっているのか、
私の足を口で突こうとしてくるほど。
明らかに人を恐れないタイプの個体です。
とは言え、相手はやはり野生哺乳類。
特にキツネはエキノコックスなどの
危険な寄生虫の媒介者になることもありますので
変に手は出さず、向こうが触れようとしてきたら
その場で「ダメだ」と声を上げて制止しました。
(でも写真は撮る)
声を上げて威嚇することで
逃げられることも十分にあるかと思いましたが
このキツネ、私に近づいてくるのはやめたものの
かと言って逃げていくこともなく
数メートル離れた位置にスタンバイしました。
とりあえず、こんなチャンスは滅多にないので
つかず離れずのちょうど良い距離感(?)で
たっぷりと写真を撮らせていただきました。
いつか会いたいと思っていたホンドギツネ。
ここでようやく、しかも最高の形で
新顔登録することができました。
遭遇率・・・1 (実は平野部にもいるらしいですが)
インパクト・・・5 (そりゃあそうだ)
美しさ・・・3 (でもスタイルは良い(後述))
俊敏性・・・5 (走れば当然速いはず)
知名度・・・5 (誰もが知る哺乳類)
何? もっと間近で拝みたいと?↓
顔はこんな感じです。
可愛らしい顔ですが、れっきとしたハンター。
前編で登場したキジなどを襲うこともあります。
この後、実家で飼っているチワワと
比較してみましたが、飼い犬にはない
野生の魅力がありますね。当たり前ですが(汗)
ホンドギツネのいる風景 in 仙石原
こういうのが撮れる余裕があるくらい
とにかく「逃げない」個体でした。
誰かに餌付けでもされたのか?と
当初は観光客によるマイナスな影響を疑ったのですが
調べてみると、どうやらキツネというのは好奇心旺盛で
必ずしも人を見たら即逃げるということはないらしく
餌付け個体とは決めつけられないようです。
実際、必要以上にねだってくることはなく
同時に拒否されても逃げることはなかったので
私だけでなく、このキツネもまた
「適度な距離感」を保つのが吉と考えたのかもしれません。
さて、キツネは肉食傾向の強い雑食性で
ウサギなんかを追いかけているイメージが強いですが
他にも昆虫や果実を食べることもあるそうです。
上記の通り、仙石原は昆虫の宝庫ですので
食事に困ることはないみたいです。
実際このキツネは、私の目の前で草むらに顔を突っ込んで
何かを食べていたように見えました。
(多分、餌食になったのはツマグロバッタ)
こんなシーンも。うんちんぐスタイルですが糞はしていません
体調に比して尻尾がかなり長いことがわかりますね。
狩りの際には速度はもちろんのこと
迅速な方向転換もまた求められますので
そういう時の舵を取るためなどに
この大きな尻尾を利用しているそうです。
このスマートで如何にも俊敏そうな体型もまた
実家のチワワと比較すると(以下略)
さすがにリラックスし過ぎだ
一通り撮りたいシーンを撮り終えて
仙石原から立ち去ろうとした際の一枚。
この写真、普通であればキツネが私から逃げていったように
見えるかと思いますが、どちらかと言いますと逆で
むしろ私の方が逃げました(爆)
最後、遠方からずーっと私のことを見ていたキツネが
一体何を思っていたのかはわかりません。
キツネ「その背中におぶさっている女の人だれ?」
ただ、私にとってはここ数年で一番の
印象深い出合いとなったことは間違いありません。
素直に、この出合いと仙石原に感謝したく思います。
その後、川沿いでミヤマカワトンボを撮り……。
時間があったので、ガラスの森美術館にも
立ち寄りました。入園料は少々高いのですが
キツネを撮れて気が大きくなっていたので(爆)
つい「弾み」で入園してしまいました。
しかしながらこのガラスの森美術館
自然物(植物など)とガラスの組み合わせや
歴史あるガラス製品の展示など
屋内外ともに結構コンテンツが充実しています。
左写真の、本物とガラス製のアジサイの組み合わせは
近くで見てみるとなかなか見事なもの。
新しいアジサイの楽しみ方を見せてもらった気がします。
入って損はなし、と素直に思えた施設でした。
で、敷地内にはなぜかモリアオガエルの卵塊が。
しかも1個ではなく、二桁に届きそうなレベルの数……。
残念ながら本体(?)は見えませんでしたが
時折鳴き声が聞こえてきました。
最後に、具体的にどこで撮ったかは秘密ですが
今回の散策中に撮れたアサカミキリです。
白い縁取りの美しい、希少種のカミキリムシ。
また、ここで会えることを願っています。
3年ぶりの仙石原訪問は、大変実りのあるものとなりました。
これはまた、季節を変えて訪問しないといけませんね。
【6/29 箱根 仙石原で撮影した生きもの】
鳥類・・・キジ、キジバト、キセキレイ、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ホオジロ、ムクドリ
昆虫類・・・アカスジカメムシ、アサカミキリ、アメンボ、オオアメンボ、オオシオカラトンボ、オオマルハナバチ、オオルリハムシ、カミキリモドキの一種、カワトンボ、キイロスズメバチ、キマダラカメムシ、クロイトトンボ、クロツヤハダコメツキ、シャチホコガの幼虫、セマダラハバチ、ツマグロバッタ、トラマルハナバチ、ナミテントウ、ハラビロトンボ、ヒメギス、ヒメスジコガネ、ヘリグロリンゴカミキリ、ホソヒラタアブ、マメコガネ、ミヤマカワトンボ、ムシヒキアブ、ヤブキリ
その他・・・オカモノアラガイ、ニホンカナヘビ、ホンドギツネ、モリアオガエル(卵)
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