首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

前回の続きで箱根 仙石原の散策記録です。

湿生花園を後にし、有名なススキの原へ移動。

3年前は実家の家族と一緒でしたので

一人でここを訪れたのは今回が初めてとなります。

 

写真の奥の方に車道が見えますが

そのさらに奥に湿生花園があります。

確かに離れてはいますが、私の足ならば

徒歩で簡単に往来できる距離です。

 

 

 

 

 

 

その前に、腹ごしらえ……ではなく

ちょっと茶店に寄って間食。

こうやって金がどんどん溶けていく

ヨモギのソフトクリームなるものを食べました。

香りが確かにヨモギの葉のそれでして

私は食べながら草餅を思い出しました。

 

 

 

 

 

さて、仙石原のススキの原へ。

前日に大雨があり、午前中もパラついていたので

足下が大分ぬかるんでいて歩き難かったです。

 

足跡がついていますが、軟なスニーカーでは

踏み込むとずるっと滑りますし

水がしみ込んできそうだったので

何とか泥濘を避けながら歩きました。

 

 

 

 

 

ここにはホオジロが多数生息しています。

結構近い位置で見られることも多く

カメラ目線になることもあります。

(逃げる様子はありませんでした)

 

 

 

 

 

地味ですが、こんな新顔の昆虫も。

リンゴカミキリによく似ていますが

翅の色などが微妙に違うので

写真を持ち帰って後でチェックすることに……。

 

結果、ヘリグロリンゴカミキリという

近いけど違う種であることがわかりました。

 

遭遇率・・・1 (都心部にいるんだろうか?)

インパクト・・・2 (サイズは小型)

美しさ・・・3 (それなりに綺麗?)

俊敏性・・・3 (まあこの個体は交尾中で動きませんでしたが)

知名度・・・1 (知らなくても困らんか(汗))

 

どうも「リンゴカミキリ」というのは

総称と言いますか……リンゴカミキリ属という

カミキリムシの属が存在するらしく

その中には色々な種が存在するらしいのですが

掘り下げるとそれだけで記事が終わってしまいますので

ここは一旦割愛させてください(逃)

 

 

 

 

 

エイリアンというかドラピオンというか

なんかイ●ムシっぽくないイモ●シが……。

(ちなみに頭部は左側です)

 

シャチホコガの仲間の幼虫らしいのですが

それを調べるためにGoogle検索した時のキーワードが

「ドラピオン  そっくりなイモムシ」でした。

(それでもすぐには画像が出てきませんでしたが)

 

なお、ドラピオンはイモムシではなく

サソリをモチーフにしたポケモンですので念のため。

 

 

 

 

 

 

仙石原の植生については

湿生花園のそれに近いものがありますが

もちろんここで見られるのは自生株です。

左のオカトラノオは、この時期の代表種ですね。

 

また、ツマグロバッタもわんさかと現れ

黒化したものなど、色違いのポケモン個体も

多く観察できました。(右写真)

 

 

 

 

 

小さくて、上のヘリグロリンゴカミキリよりも

地味なカミキリムシが現れましたが

正体はちょっとわかりませんでした。

この手のカミキリムシは種類が非常に多く

毎度識別には苦労させられています。orz

 

……とまあ、色々と昆虫が現れ

数・種類共に湿生花園以上に豊富なのですが

一方で大きなケ●シだのイモ●シだのも多く

正直あまり長居したくない気持ちもなくはない……。

(たまに誤解されますが私は今でもあの手の面々は苦手です)

それでも平野部で見られないものが色々見られるのは

やはり魅力ですので、せめて遊歩道を登り切るまでは

歩いてみようかと思いました。

で、奥へ奥へと進んでいく中で

突如目の前の茂みからガサガサという音が……。↓

 

 

 

 

 

!?

明らかにキツネと思われる

哺乳類が姿を見せました。

あ! 野生のキュウコンが飛び出してきた!

 

咄嗟にカメラを向けて、まず証拠写真を撮影。

相手は野生哺乳類ですし、以前アナグマとニアミスして

逃げられた苦い経験がありましたゆえ

これも逃げられるだろうと半ば諦めていました。

(その場合、新顔ランキングではせいぜいベスト10どまり

 

ところが……↓

 

 

 

 

 

何とこのキツネ、茂みから飛び出してきて

私にまとわりついてきました。

エサをねだっているのか、

私の足を口で突こうとしてくるほど。

明らかに人を恐れないタイプの個体です。

 

とは言え、相手はやはり野生哺乳類。

特にキツネはエキノコックスなどの

危険な寄生虫の媒介者になることもありますので

変に手は出さず、向こうが触れようとしてきたら

その場で「ダメだ」と声を上げて制止しました。

(でも写真は撮る)

 

 

 

 

 

声を上げて威嚇することで

逃げられることも十分にあるかと思いましたが

このキツネ、私に近づいてくるのはやめたものの

かと言って逃げていくこともなく

数メートル離れた位置にスタンバイしました。

 

とりあえず、こんなチャンスは滅多にないので

つかず離れずのちょうど良い距離感(?)で

たっぷりと写真を撮らせていただきました。

 

いつか会いたいと思っていたホンドギツネ

ここでようやく、しかも最高の形で

新顔登録することができました。

 

遭遇率・・・1 (実は平野部にもいるらしいですが)

インパクト・・・5 (そりゃあそうだ)

美しさ・・・3 (でもスタイルは良い(後述))

俊敏性・・・5 (走れば当然速いはず)

知名度・・・5 (誰もが知る哺乳類)

 

 

 

 

 

何? もっと間近で拝みたいと?↓

 

 

 

 

 

 

 

 

顔はこんな感じです。

可愛らしい顔ですが、れっきとしたハンター。

前編で登場したキジなどを襲うこともあります。

 

この後、実家で飼っているチワワと

比較してみましたが、飼い犬にはない

野生の魅力がありますね。当たり前ですが(汗)

 

 

 

 

 

ホンドギツネのいる風景 in 仙石原

 

こういうのが撮れる余裕があるくらい

とにかく「逃げない」個体でした。

誰かに餌付けでもされたのか?と

当初は観光客によるマイナスな影響を疑ったのですが

調べてみると、どうやらキツネというのは好奇心旺盛で

必ずしも人を見たら即逃げるということはないらしく

餌付け個体とは決めつけられないようです。

実際、必要以上にねだってくることはなく

同時に拒否されても逃げることはなかったので

私だけでなく、このキツネもまた

「適度な距離感」を保つのが吉と考えたのかもしれません。

 

 

 

 

 

さて、キツネは肉食傾向の強い雑食性で

ウサギなんかを追いかけているイメージが強いですが

他にも昆虫や果実を食べることもあるそうです。

 

上記の通り、仙石原は昆虫の宝庫ですので

食事に困ることはないみたいです。

実際このキツネは、私の目の前で草むらに顔を突っ込んで

何かを食べていたように見えました。

(多分、餌食になったのはツマグロバッタ)

 

 

 

 

 

こんなシーンも。うんちんぐスタイルですが糞はしていません

体調に比して尻尾がかなり長いことがわかりますね。

狩りの際には速度はもちろんのこと

迅速な方向転換もまた求められますので

そういう時の舵を取るためなどに

この大きな尻尾を利用しているそうです。

 

このスマートで如何にも俊敏そうな体型もまた

実家のチワワと比較すると(以下略)

 

 

 

 

 

さすがにリラックスし過ぎだ

 

 

 

 

 

一通り撮りたいシーンを撮り終えて

仙石原から立ち去ろうとした際の一枚。

この写真、普通であればキツネが私から逃げていったように

見えるかと思いますが、どちらかと言いますと逆で

むしろ私の方が逃げました(爆)

 

最後、遠方からずーっと私のことを見ていたキツネが

一体何を思っていたのかはわかりません。

キツネ「その背中におぶさっている女の人だれ?」

ただ、私にとってはここ数年で一番の

印象深い出合いとなったことは間違いありません。

素直に、この出合いと仙石原に感謝したく思います。

 

 

 

 

 

その後、川沿いでミヤマカワトンボを撮り……。

 

 

 

 

 

時間があったので、ガラスの森美術館にも

立ち寄りました。入園料は少々高いのですが

キツネを撮れて気が大きくなっていたので(爆)

つい「弾み」で入園してしまいました。

 

 

 

 

 

 

しかしながらこのガラスの森美術館

自然物(植物など)とガラスの組み合わせや

歴史あるガラス製品の展示など

屋内外ともに結構コンテンツが充実しています。

 

左写真の、本物とガラス製のアジサイの組み合わせは

近くで見てみるとなかなか見事なもの。

新しいアジサイの楽しみ方を見せてもらった気がします。

入って損はなし、と素直に思えた施設でした。

 

 

 

 

 

で、敷地内にはなぜかモリアオガエルの卵塊が。

しかも1個ではなく、二桁に届きそうなレベルの数……。

残念ながら本体(?)は見えませんでしたが

時折鳴き声が聞こえてきました。

 

 

 

 

 

最後に、具体的にどこで撮ったかは秘密ですが

今回の散策中に撮れたアサカミキリです。

白い縁取りの美しい、希少種のカミキリムシ。

また、ここで会えることを願っています。

 

3年ぶりの仙石原訪問は、大変実りのあるものとなりました。

これはまた、季節を変えて訪問しないといけませんね。

 

 

 

 

 

【6/29 箱根 仙石原で撮影した生きもの】

鳥類・・・キジ、キジバト、キセキレイ、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ホオジロ、ムクドリ

昆虫類・・・アカスジカメムシ、アサカミキリ、アメンボ、オオアメンボ、オオシオカラトンボ、オオマルハナバチ、オオルリハムシ、カミキリモドキの一種、カワトンボ、キイロスズメバチ、キマダラカメムシ、クロイトトンボ、クロツヤハダコメツキ、シャチホコガの幼虫、セマダラハバチ、ツマグロバッタ、トラマルハナバチ、ナミテントウ、ハラビロトンボ、ヒメギス、ヒメスジコガネ、ヘリグロリンゴカミキリ、ホソヒラタアブ、マメコガネ、ミヤマカワトンボ、ムシヒキアブ、ヤブキリ

その他・・・オカモノアラガイ、ニホンカナヘビ、ホンドギツネ、モリアオガエル(卵)

 

 

 

 

【生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」開催中!】

2024年のプログラムはこちらをご参照ください。

(毎月、第3日曜日に開催しております)

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年8月18日(日)に開催いたします。

 行先は「薬師池公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。

ちょうど3週間ほど前の話ですが

電車→バス(小田原駅より乗車)と乗り継ぎ、

久しぶりに箱根の仙石原へ行ってまいりました。

前回足を運んだのが3年前の家族旅行時なので

大分久しぶりな気もしますね。

今回はあの時よりも1ヶ月強前倒しですので

見られるものも大分違うかも?と期待。

到着時点ではあいにく雨が降っていましたが

ほとんど霧雨でそろそろ止みそうでしたので

昆虫の出現に期待し、箱根湿生花園へ行きました。

 

ちょうどノハナショウブが見頃でした。

日本に自生する、園芸用のハナショウブの原種で

湿生花園では群落を作っています。

また、湿生花園の敷地からやや離れた場所にも

ちらほらと自生していたりします。

 

 

 

 

 

トイレの中にツバメの巣。

まあ、臭いさえ気にならないのであれば

天敵から狙われるリスクは低いので

いい物件なのかもしれません(汗)

 

 

 

 

 

 

美しい甲虫が出現。

一部の木に結構たくさん集まっていました。

(左の写真が糞と一緒なのはご愛敬)

ヒメスジコガネというコガネムシの仲間です。

 

遭遇率・・・2 (園内ではそこそこよく会いました)

インパクト・・・2 (コガネムシの仲間としては中型)

美しさ・・・4 (美しいメタリックグリーン)

俊敏性・・・2 (アオドウガネなんかに準じる)

知名度・・・2 (図鑑には載っていますがマイナー)

 

なんかその辺にもいそうなイメージがありますが

丘陵域や山地を好むタイプらしく、

東京都心部ではまず会えないみたいです。

前回訪問時のツマグロバッタなんかに準じるものがあるかも?

 

 

 

 

 

 

雨上がりの湿生花園。

オカトラノオ(多分)の群落が見頃を迎え(左)

他にも湿地を好む山野草が色々と咲いていました。

また、入口近くでブルーベリーの実が成っていましたが

雫を纏うと何とも瑞々しい……(右)

 

 

 

 

 

カキランという野生ランの一種。

キンラン・ギンランなどの春に咲く品種と違い

こういう夏場に咲くランも結構多いと聞きます。

(もちろんここで見られるものは植栽株だと思いますが)

 

 

 

 

 

前回訪問時に新顔登録した

ご存知、ツマグロバッタです。

湿った草地を好む……とありますが

丘陵域~山地を好むタイプでもあるので

平野部ではまず会えません。

 

本ブログでも、新顔登録した時を含め

会えたのは飯能などの山に近い場所ばかりです。

 

 

 

 

 

草むらを覗くと結構たくさんいます。

大小の差はもちろん(これは♂♀の差)

色の異なる個体も多数見られました。

 

 

 

 

 

ちょっと珍しいかもしれない

赤味を帯びた個体です。

数が多ければ、こういう変異個体にも

会える可能性が高くなります。

 

 

 

 

 

赤円内ツマグロバッタがいますが……

ここまで来るとさすがにキモいです(爆)

 

なお、これはあくまで氷山の一角。

ちょいと反対側を向いてみれば、

そこにもバッタがわんさかと……(汗)

 

 

 

 

 

ツマグロバッタのインパクトが大き過ぎて

あまり目立たなかったのですが、

ヒメギスも結構たくさんいました。

平野部でもおなじみのキリギリスの仲間ですが

今までのコイツを撮影した場所を思い出してみると

彼らもまた湿地環境が好きみたいですね。

 

逆に、ホシササキリなどの都心部でお馴染みの

「鳴く昆虫」はまったく姿を見かけません。

ただ、これは季節の関係かもしれないので

今の時点で「いない」とも言い切れません。

平野部より遅れて出現し出す可能性もありますからね。

(秋に出かけたら、その辺もわかるかも?)

 

 

 

 

 

遅れて出現する……ということで

6月終わりという時期でありながら

まだカワトンボが見られました。

(1匹だけでしたが)

 

 

 

 

 

 

ノハナショウブを訪れたトラマルハナバチ

この花、トラマルハナバチに花粉を運ばせるために

こんな形に進化したという説があります。

花弁の黄色いラインに導かれて奥深くに入ろうとすると

狭い隙間を通過する間に、分厚い毛に花粉が付着するのだとか。

 

こうした、時にしたたかにも見える作戦は

生きもの界隈を観察していると結構よく見かけます。

 

 

 

 

 

おっと、この赤銅色の甲虫は……。

 

 

 

 

 

間違いありません、オオルリハムシです。

3年前よりやや早く訪れたので

見られないかもしれないと思っていたのですが

大体同じくらいの頻度で確認できました。

ちなみに確認できたポイントも3年前と同じです。

 

ハムシにしては大きく、そしてこの美しさ。

一度見たら忘れられないのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

黄緑色のちょっと奇妙なハチが出現。

セマダラハバチというそうです。

 

遭遇率・・・1 (多分、平野部には少ない)

インパクト・・・2 (ミツバチよりやや大きいくらい)

美しさ・・・4 (黄緑色が美しい)

俊敏性・・・4 (鮮明に撮る前に逃げられました)

知名度・・・1 (やっぱりこれもマイナー)

 

上の写真、微妙にピントが合っていません(汗)

飛んでいない時もちょこまか動くので

結構撮影に苦労させられました。

 

 

 

 

 

お昼過ぎ辺りになると雨もほぼ完全に収まり

ジャコウアゲハなどの大型のチョウも飛び始めました。

もうちょい早くから晴天だったら

より成果が見込まれたかもしれないのが残念ですが

まあ、山の天気相手では文句は言えません(汗)

 

ただ、3年前の訪問時も直前に雨がぱらついて

万全のコンディションだったとは言えないので

できれば今度はピーカンの時に行ってみたいものです。

 

 

 

 

 

キジの親子が、散策路に突然現れました。

(見切れていますが左側がお母さんです)

というかヒナを見たのはこれが初めてかも。

残念ながら父親の姿は見当たりませんでした。

 

こういうシーンに遭遇できるのも

仙石原が野生生物の楽園であるからこそ……と

人間視点だとそう考えがちなのですが

見方を変えれば天敵の数もまた多いということ。

楽園は、時に地獄としての側面もまた

我々に見せることがあるのです。

 

長くなりましたので今日はここまでにしますが

後編ではまさに彼ら野鳥にとっての

「天敵」といえる存在が姿を現します。

詳しくは近日中にお送りします。

 

 

 

 

<後編に続く>

 

 

 

 

【生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」開催中!】

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(毎月、第3日曜日に開催しております)

 

 

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【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

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ただし、御父兄の同行をお願いいたします。

例によって1ヶ月以上前の記録になりますが

散策講座「首都圏生きものめぐり」

2024年6月版 代々木公園~明治神宮内苑編

実施レポートをお送りします。

 

まずは代々木公園にて、

東京パークガーデンアワードのコンテスト花壇へ。

このブログではすっかりおなじみの花壇ですが

一つひとつ生きものを探しながら見て回ると

初めての方には結構新鮮な体験になるようです。

実際、使用している植物は似ているものの

見られる昆虫の数・種類には大分差があります。

あくまで所感ですが、グランプリを受賞した花壇は

他と比べて明らかに昆虫がよく見られるようです。

 

 

 

 

 

 

ここの花壇ではあまりにおなじみの光景です。

一方で、花壇がつくられなければ

決してここで見ることはできなかったはず。

(左:アオスジアゲハ 右:コアオハナムグリセイヨウミツバチ

 

これらの昆虫の「出所」について考えますと

やはりお隣の明治神宮内苑から来ていると

考えるのが普通かもしれません。

しかし、アオスジアゲハの幼虫が食べるクスノキは

街路樹として内苑の外にも多数植えられていますし、

セイヨウミツバチは飼育されているものですから

森の中から出てくるというのは少々考えにくいです。

コアオハナムグリについては幼虫が朽ち木や腐葉土で

成長しますので、内苑が出所と考えてよさそうです。

 

以前に私は

「代々木公園の花壇が内苑の自然度を見える化した」

話したことがありますし、それは決して間違いではないと

今でも考えておりますが、必ずしも「内苑だけ」とは

限らないかもしれないと最近考えております。

詳しくは、見られる昆虫の成虫と幼虫(←重要)の

それぞれの時期の食事や棲み処をチェックする必要がありますね。

 

 

 

 

 

 

一方で、この花壇そのものも植物の密度が高く

身を隠す場所が多いので、純粋にここで生まれて

ここで天寿を全うする(?)昆虫もいるようです。

 

この日、エキナセアでカマキリの幼虫を見かけましたが

彼らはまだ移動能力に乏しいため、

この花壇内またはごく近くで生まれたものと思われます。

また、高次消費者であるカマキリがいるということは

花壇の生態系もなかなか恵まれていると言えそうです。

 

 

 

 

 

クマバチ♂「来るたびにやるな(怒)

 

 

 

 

 

後半は明治神宮内苑へ。

有料エリア(500円)になってはいますが

睡蓮が広範囲に咲く姿などを楽しめるので

入苑する価値は十分にあると思います。

 

池が広いため、トンボの数・種類も豊富です。

たまにスッポンが顔を出すことがあります。

 

 

 

 

 

この池の見所は、カイツブリの親子

この日だけで2家族見られました。

もしかしたらもっといるのかもしれません。

 

 

 

 

 

池からやや離れた位置に

明らかにヤンマ科のものと思われる

大きなヤゴの抜け殻を発見しました。

 

ギンヤンマ……かな?

ちょっと抜け殻だけでは識別が難しいです。

(何しろ色々なトンボがいるので)

 

 

 

 

 

 

ハナショウブ園では、アオサギに遭遇。

池ではないので魚は取れないでしょうし

ミゾゴイみたいに土を掘ってミミズを捕るわけでは

ないと思いますが……何をやっているのかは不明。

(ただの気分転換と言えばそれまでですが)

 

 

 

 

 

 

こちらは有料エリアの外で、宝物殿前の広場。

何の植物かわかりませんでしたが

やたらとハチが集っている樹木がありましたので

刺激しないよう気を付けながら観察・撮影をしました。

 

右の写真はニホンミツバチです。

ただ、写真をアップしていないだけで、

ここにいたのは9割方セイヨウryでした。

ニホンryは……やはり森の中のどこかに

巣を作っているのでしょう。

 

 

 

 

 

前回の記事で紹介したムツキボシツツハムシ

ちょっと背中の模様が違う気もしますが、

これは「個体差」ということでいいのか?

(もし識別が間違っていたらすみません(汗))

 

 

 

 

 

最後に、内苑を出て代々木駅に向かう途中。

ナワシロイチゴ(だと思う)の実が

線路脇の緑地帯から大量にぶら下がっていました。

ブラックベリーやラズベリーなどの栽培種ではなく

元々日本に自生しているキイチゴの仲間です。

(もちろん、食べることが可能です)

 

一応、日本で一番ポピュラーなキイチゴらしいですが

何でこんな所に生えているのかは不明……と思いきや、

実は道路脇なんかでも普通に生えてくる

雑草的な低木なのだとか。名前の苗代(なわしろ)の通り、

畑の畔なんかにも自然と生えてくるのだそうです。

そう考えれば街中とは言え、山手線の線路脇に生えるのも

決して不自然なことではないようですね。

 

そんな、解散直前の意外な「出合い」もあり

非常に充実した内容となりました。

実は、先日紹介しましたハラアカマルセイボウ

一瞬花壇で現れたのですが、講義中は撮影ができず……。

まあ、あれは会えただけでも幸運でしょう(汗)。

ご参加くださいました皆様、誠にありがとうございました。

 

 

 

 

 

【おまけ(代々木公園の後日談)】

日を改めて代々木公園の花壇を再訪すると

またノコギリグサのところに

ハラアカマルセイボウが出てきてくれました。

このメタリックな緑と赤のツートンカラーは

やはり一度は生で見ていただきたいものです。

 

他にも、宿主(?)であるツチスガリの姿も

ちらほらと見かけたのですが、数十分時間を置いて

戻ってきたらどちらもいなくなっていました。↓

 

 

 

 

 

多分、原因はコイツです……。

 

 

 

 

 

いつの間にか、ノコギリグサの周囲に

複数の若いカマキリが現れていました。

こりゃあ、ハチが逃げるのも当然ですね(汗)

 

ハヤブサに追われて逃げたという

伊佐沼のコアジサシを思い出しました。<(_ _)>

 

 

 

 

 

こんなところにもカマキリ(若)が。

もっとも、カマキリもまた高次消費者ですので

彼らが花壇にいるというのは

「生きもの」視点で見るならとても喜ばしいこと。

無事、大人になれることを願っています。

 

なお、最後の写真のカマキリは

アジア系のインバウンドの方が見つけられて

カメラを持つ私に「ここにいるヨ」と

ボディランゲージで教えてくださったものです。

(英語で会話できなかったことが悔やまれます(汗))

 

 

 

 

 

【生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」開催中!】

2024年のプログラムはこちらをご参照ください。

(毎月、第3日曜日に開催しております)

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年7月21日(日)に開催いたします。

 行先は「舎人公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。

久々に舞岡公園に出かけたのですが

非常に写真が多いので、可能な限り

今日はサクサク進めさせていただきます。

(いつも大抵口だけですが(爆))

 

写真は、運よく飛び立つ瞬間を撮れた

ゴマダラカミキリです。内側にある翅は

普段折り畳まれていることがわかります。

 

 

 

 

 

 

道中で見かけたカノコガ

交尾中の個体(右)も見かけました。

 

 

 

 

 

カメノコハムシの仲間ですが

これは新顔で、ヨツモンカメノコハムシという

やや大型の種になります。

 

遭遇率・・・2 (温暖化に伴い増加中?)

インパクト・・・1 (印象には残りにくいかも)

美しさ・・・3 (この系統の特徴である「透け」を持つ)

俊敏性・・・3 (飛ぶ時はちゃんと飛ぶ)

知名度・・・1 (最近までいなかったためか手持ちの図鑑にも非掲載)

 

元々日本では沖縄くらいしか分布していなかったそうですが

近年本州でも目にするようになったとのこと。

侵入経路は不明ですが、東南アジアなどにも

分布しているらしいので、いつぞやのヒアリなどと同じく

貨物等に紛れて入ってきた可能性もあります。

 

 

 

 

 

舞岡公園です。この時はまだ恐らく

「梅雨入り前」だったのではないかと。

田植えは終わっているようですね。

 

 

 

 

 

 

6月らしく、オカトラノオの群落(左)や

ホタルブクロ(右)などが見頃を迎えていました。

特にオカトラノオが斜面に咲く姿は

広範囲に咲くこともあり、なかなか圧巻です。

 

 

 

 

 

これは……ツノゼミやヨコバイなどの

カメムシの仲間かと思われますが

残念ながら正体不明でした。

例によって例のごとく大変恐縮ですが

もしわかる方いらっしゃいましたら

コメント欄でそっと教えてください。<(_ _)>

 

 

 

 

 

エサキモンキツノカメムシですが

を抱えているのがわかりますか?

 

 

 

 

 

この角度からだとわかりやすいかも。

このカメムシは「産みっぱなし」ではなく

メスが卵を守るという習性があります。

また、一部の情報によりますと

ふ化してからもしばらく面倒を見るのだとか?

 

背中のハート模様はそういう母性の表れ……のように

見えるかもしれませんが、それはあくまで人間の価値観に

由来するものなので、考えすぎでしょうかね(汗)

 

 

 

 

 

昼食~♪

以前も立ち寄ったイタリアンレストランです。

小さなお店ですがお気に入り。

 

 

 

 

 

再度、舞岡公園へ。

田んぼにカワセミが出てきました。

実はこの写真、ポールの上だけでなく

もう1羽カワセミが写っているのですが

わかりますでしょうか?

 

写真の下部をよ~~~くチェックしてください。

 

 

 

 

 

ポールの上のカワセミ

まだ若い個体のようですね。

 

 

 

 

 

アブラムシを食すヒメカメノコテントウ

テントウムシの食事シーンというのは

アブラムシの発生した場所であれば

結構目にする機会は多い……のですが

それはナナホシテントウなどの大型種の話であって

こういう小さなテントウムシでは初めて見ました。

 

上の方に食われた後のアブラムシの残骸が

中途半端に原型を残して残っているのが……。ガーン

 

 

 

 

 

存在感抜群のクロメンガタスズメ

背中の模様が髑髏に見えるとかで

不吉の象徴と言われることもあるとか?

 

……まあ一応、今のところこれを撮った後も

特に不幸には見舞われていません(汗)

 

 

 

 

 

以前にも撮影したことのある

和名のまだ存在しない外来種のハゴロモ

この日は異様に多く目にしました。

着実に分布が広がっているようです。

 

恐らく上のヨツモンカメノコハムシよりも

事態は深刻かと思われます。

公園や自治体等が今後どう対処する予定なのか

様子を見ていきたいところです。

 

 

 

 

 

地面近くに降りてきたウラゴマダラシジミ

この日見かけた唯一のゼフィルスです。

 

 

 

 

 

サービス精神旺盛なのか

ご開帳シーンも披露してくれました。

結構大型のシジミチョウですので

翅を開くとなかなか目を惹きます。

 

 

 

 

 

テントウムシのような小さなハムシ。

これも新顔で、ムツキボシツツハムシといいます。

 

遭遇率・・・1 (昆虫エクスプローラーでは★1つ)

インパクト・・・1 (見ての通り指先サイズ以下)

美しさ・・・4 (なかなかお洒落な配色)

俊敏性・・・3 (他のハムシたちに準じる)

知名度・・・1 (手持ちの図鑑には非掲載)

 

色々検索をかけてみましたところ

遭遇率はかなり低い模様。小さいながらも、

こうしてちゃんと撮れたのはかなり幸運なのかも?

 

 

 

 

 

公園内のとある看板より。

来園者の方が撮られた写真らしいですが

ヤマカガシに追われるヒキガエルの姿が

あまりにもシュールでとても印象深い……。

(カエルの顔が仏頂面ですが相当必死なのは確か)

 

 

 

 

 

失われる命(ヒキガエルのこと)あれば

生まれる命もまたある……といいますか

ツバメシジミの産卵シーンを見かけました。

 

 

 

 

 

公園内の一角では、畑作りも行われていました。

厳密に言うとここは舞岡公園ではなく

小菅ケ谷北公園「散策の森ゾーン」になります。

ここ数年、こちらに来る機会は少なかったのですが

いつのまにか綺麗に整備されていたみたいです。

(ちょうど公園スタッフの方がお手入れしていました)

 

ここのゾーンではオカトラノオなども開花しており

植物の数・種類共に豊富で、昆虫も多く見られました。

 

 

 

 

 

後ろ脚を上げる謎のアオドウガネ

……何がしたいんだろうか?

 

 

 

 

 

草むらの中に、ニホンカナヘビ

こういうシーンはカナヘビだけであって

ニホントカゲがこのように草に掴まっている姿は

今のところまだ見たことがありません。

 

 

 

 

 

最後に、こちらも新顔の昆虫です。

公園から本郷台駅までの間で遭遇した

深い青紫色をしたハムシの仲間。

調べたところ、ヨモギハムシという

名前そのままにヨモギを食草とする甲虫と分かりました。

 

遭遇率・・・3? (昆虫エクスプローラーでは★3つでしたが……)

インパクト・・・1 (ハッカハムシよりやや小さい)

美しさ・・・3 (光沢のある青黒色)

俊敏性・・・2 (あまり飛ばないらしい)

知名度・・・2 (普通種なので図鑑には載っている)

 

食草はヨモギ。そしてヨモギという植物は

公園はもちろん道端や車道沿いの植え込みなんかでも

ごく普通に見られるポピュラーな植物です。

しかし、ザッとではありますが

私もヨモギを見るたびに「何かいないか」と

チェックはしてきましたが、このハムシに会ったのは

今回が初だったりします。本当に普通種なのか?と

ちょっと疑いたくなるレベルです。

 

 

 

 

 

こんな感じで縁石の隙間から生えている

何てことのないヨモギで見かけたのですが……

これまで何で全く縁がなかったんだろうか?

もしかして私が気付かなかっただけで

株の中の方にいつも隠れていたんだろうか?

 

まあ、ヨモギを逐一細部までチェックしていたら

それだけで生きものめぐりが終わってしまうので

あまり根詰めて探さなくてもいいかな……?

 

 

 

 

 

最後に、帰り道のいたち川でみかけた

川を泳ぐスッポンです。

後ろ脚の爪が印象深い。とても印象深い。

 

 

 

 

 

【6/15 舞岡公園&いたち川で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、ガビチョウ、カルガモ、カワセミ、カワラヒワ、キジバト、シジュウカラ、ツバメ、トビ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、メジロ

昆虫類・・・アオドウガネ、アシナガバエ、アメンボ、アリグモ、ウチワヤンマ、ウラゴマダラシジミ、エサキモンキツノカメムシ、エビイロカメムシ、オオシオカラトンボ、カノコガ、キマダラカメムシ、クマバチ、クルマバッタモドキ、クロウリハムシ、クロメンガタスズメ、コオニヤンマ、コシアキトンボ、コフキゾウムシ、ゴマダラカミキリ、ササグモ、シオカラトンボ、シマアメンボ、ショウジョウトンボ、ショウリョウバッタ、セイヨウミツバチ、ツバメシジミ、トラフシジミ、ナミテントウ、ニジュウヤホシテントウ、ハグロトンボ、バラルリツツハムシ、ヒカゲチョウ、ヒメカメノコテントウ、ベニシジミ、ホソハリカメムシ、ホソヒラタアブ、ムツキボシツツハムシ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ヤマイモハムシ、ヤマサナエ、ヤマトシジミ、ヤマトシリアゲ、ヨツモンカメノコハムシ、ヨモギハムシ、ラミーカミキリ、ルリジガバチ、ルリシジミ

その他・・・アメリカザリガニ、ウシガエル、スッポン、タニシ、ニホンカナヘビ、ニホントカゲ

 

 

 

 

【生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」開催中!】

2024年のプログラムはこちらをご参照ください。

(毎月、第3日曜日に開催しております)

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年7月21日(日)に開催いたします。

 行先は「舎人公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。

ちょうど1ヶ月前の話になりますが

目黒に出かけた帰りに自然教育園に立ち寄り、

初夏の昆虫・山野草などを撮影しておりました。

5月の訪問時と比べると植生も大分変わり

より緑が濃くなった印象があります。

 

 

 

 

 

 

これはヨツスジハナカミキリですね。

秋のタマアジサイなどによく来る種ですが

この日は当然まだタマアジサイは咲いておらず

ヤマアジサイに乗っかっていました。

ついでにメスにも乗っかっていました

 

ドクダミの花と横並びにしてみましたが(右写真)

これでサイズ感もわかりますでしょうか?

 

 

 

 

 

こちらはヒゲコメツキのメス。

オスと違ってヒゲ……もとい触角が短く

特徴がないので印象が薄いですが

翅の模様などである程度の識別はできます。

 

 

 

 

 

ご開帳のムラサキシジミ

最近全然撮る機会がないミドリシジミ

代用として楽しませていただいています(爆)

 

 

 

 

 

結構見かけるけれどあまり注目されない

クロバネツリアブというアブの仲間。

クローズアップで鮮明に撮影してみましたが

結構シックでいい感じのフォルムをしています。

 

 

 

 

 

自然教育園といえば、オオタカが営巣する場所として

その筋では結構有名なスポットとなっています。

(他にも東京都内の何ヶ所かで営巣している模様)

園の名物としてビデオ等で紹介されていることも。

 

 

 

 

 

そんなオオタカにも当然天敵は存在します。

成鳥になればほぼ向かうところ敵なしですが

ヒナの間はカラスを始め、多くの動物に狙われる様子。

木登りができるアオダイショウやハクビシンも厄介ですが

恐ろしいのはやはり、同じ猛禽類であるフクロウ

昨年、本ブログでも初撮影しましたが

近年首都圏で出没件数が増えているらしく

それ自体は魅力的なものの、オオタカにとってみれば

夜間であろうとお構いなしに襲ってくる危険な敵です。

いずれにせよ、自然教育園の自然度の高さを

よく象徴していると言えるかもしれません。

 

そういえば、園内で見られる夏の昆虫ということで

入口の所で代表種の写真等が掲載されていましたが

その中でハラアカマルセイボウなる

寄生蜂の一種が紹介されていました。

メタリックなのツートンカラーで

要するにオオセイボウとかミドリセイボウの系譜の

美麗種らしく、私も園内を巡って探したのですが

残念ながらどこにも確認できず……。

まあ、あの手のハチはそうそう狙って撮れるものでもないですしね。

 

時間がまだありましたので、

ちょっと代々木公園にも向かいました。↓

 

 

 

 

 

いい感じに花壇が夏模様になってきています。

ここ数週間は猛暑に苛まれていますが

この時よりも花の数・種類共にさらに充実しているので

熱中症に注意してご覧いただければと思います。

 

 

 

 

 

 

バーベナは昆虫のお気に入り。

クマバチ(左)やアオスジアゲハ(右)は

いつものように多数飛来していました。

 

 

 

 

 

蜂♂「来るたびにやるなよ……むかっ爆弾

 

 

 

 

 

セリ科の花にはが。

ただ、このカメムシについては多数確認できたのは

パッと見でもわかるくらい弱っていた株のみで

元気な株ではほとんど見かけませんでした。

 

健康な植物は虫害を防ぐために

防除システム(?)を稼働させると聞きますが

あれはやはりその一環だったのか?

また後日、何度か現地を訪問した際にも

やはり弱った株以外では観察できなかったです。

 

その後は蜜源となる植物を観察し

昆虫の飛来状況を確認していましたが……↓

 

 

 

 

 

ノコギリソウという小さなキクの仲間を見てみたところ、

何やら小さくキラリと光るものが……。

(写真中央をよくご覧ください)

この後、素早く飛んで消えてしまいましたので

少し時間をおいて再度チェックしてみました。↓

 

 

 

 

 

ふたたびノコギリソウにやってきたところを

可能な限りクローズアップ。

頭部・胸部が緑で、腹部が赤のメタリック……

間違いありません。これこそ自然教育園で紹介されていた

ハラアカマルセイボウです。(見て思わず小躍りしました)

 

遭遇率・・・1 (この手のハチはそもそも数が少ない)

インパクト・・・1 (オオセイボウよりもさらに小さい)

美しさ・・・5 (これは文句ないはず)

俊敏性・・・5 (気づいた時には、もういない……)

知名度・・・2 (セイボウとしてはまだ知名度は低め)

 

首都圏屈指の自然度の高さを誇る自然教育園で

観察できなかったハチが、まさか代々木公園の

人工的に設えられた花壇で見られるとは……。

さらにこの後、何度か足を運ぶたびに

毎回ノコギリソウの周囲で本種が見られましたので

どうやら偶然ではなく、必然と見てよさそうです。

 

 

 

 

 

では、なぜハラアカマルセイボウは

ここに毎度のように来ていたのか?

その要因と思われるものも確認できました。

写真のこの黒いハチは、ナミツチスガリといいます。

これも新顔なのでしっかり登録しましょう。

 

遭遇率・・・2 (希少種というわけではないはず)

インパクト・・・2 (ミツバチとほぼ同じくらいのサイズ)

美しさ・・・2 (地味なことは否めない)

俊敏性・・・4 (一般的なハチのそれに準じます)

知名度・・・2 (あまり注目されないハチ)

 

実は上記のハラアカマルセイボウは

このツチスガリの巣に寄生(労働寄生)するハチ。

ツチスガリの集めた獲物(他の小さな昆虫等)に

卵を産み付けて幼虫に食べさせているそうです。

(直接ツチスガリの幼虫を食べるわけではない模様)

ツチスガリにしてみれば当然迷惑千万な「敵」と言えます。

 

2つのハチは同じノコギリソウに飛来していましたが

やはりセイボウの狙いは、ここでターゲットを待ち伏せし

尾行して巣に侵入することなのかもしれません。

ちなみにツチスガリの巣は地面の下にあるらしく

特に森の中である必要はないらしいので

明治神宮内苑ではなく、代々木公園の開けた場所のどこかに

営巣している可能性が高いように思えます。

 

なお、サイズはツチスガリの方が遥かに上。

直接バトルしたら勝負にならんと思いますが

あいにくそういう展開にはならないみたいです(汗)

 

 

 

 

 

最後に、モデルガーデン「クラウド」を見て撤収。

暑かったからか、白人のおっちゃんが裸でベンチに

座っていましたが…………ま、いいか(汗)

 

 

 

 

 

【6/11 目黒自然教育園&代々木公園で撮影した生きもの】

昆虫類・・・アオスジアゲハ、アカスジカメムシ、アシナガバエ、アシブトハナアブ、アメンボ、イチモンジセセリ、オオシオカラトンボ、カトウカミキリモドキ、カマキリの幼虫、クサギカメムシ、クマバチ、クロハナムグリ、クロバネツリアブ、コアオハナムグリ、シオカラトンボ、セイヨウミツバチ、ツマグロヒョウモン、ナミツチスガリ、ハラアカマルセイボウ、ヒゲコメツキ、フクラスズメ(幼虫)、ホソハリカメムシ、ムラサキシジミ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ヨツスジハナカミキリ

その他・・・アカミミガメ、クサガメ、ニホンカナヘビ、メダカ

 

 

 

 

【生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」開催中!】

2024年のプログラムはこちらをご参照ください。

(毎月、第3日曜日に開催しております)

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年7月21日(日)に開催いたします。

 行先は「舎人公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。