代々木公園に始まった「東京パークガーデンアワード」は
今年で4回目を数えます。今年の会場は夢の島公園。
やや遠いですが、埼京線&りんかい線で1本で行けるため
神代植物公園や砧公園と比べるとアクセス面では有難いところ。
雑誌で宿根草やナチュラルガーデンの特集を組むにあたり
過去のアワード会場には結構な頻度で足を運んできました。
その雑誌は6月で諸般の事情によりなくなってしまいますが
引き続き別の雑誌でも花と緑関連で記者として携わること、
昆虫の頻出スポットとして魅力的ということもあり、
今後もコンスタントに様子を見に行きたいと思います。
夢の島公園は、目の前が東京湾という臨海公園。
後述する「花の広場」も海に近いですが
周辺の環境(建物の有無など)の関係もあって
より潮風等の影響を受けやすいためか
今回は海岸域に強い植物が多く使われています。
上の写真は、いずれもセダムです。
葉が肉厚で潮風に強い(イソギクなんかと同じ)のはもちろん
株全体が赤味を帯びているもの(左)から白いもの(右)まで
カラーバリエーションもあることが魅力的です。
また、意外にも昆虫を呼ぶ効果も優秀です。
ヤブキリの幼虫もセダムにやってきました。
春先にハルジオンなどで見かけるようなものより
大分大きくなり、姿も変わってきています。
成虫になるに従って次第に肉食傾向を帯びてくるのが
ヤブキリの特徴とされていますが
この個体はまだ熱心に花粉を食していました。
正面やや上方から。前脚の「トゲ」など
成虫の特徴が徐々に出始めています。
(わずかですが翅も生えてきています)
この系統はバッタの仲間ということもあり
未だに草食というイメージが根強く残っている模様。
まあ、ぶっちゃけそんなこと知らなくても
死にやしないのもまた事実ですが(爆)
セグロアシナガバチがイモ〇シを捕獲
捕獲したその場で息の根を止め、肉団子に加工します。
アシナガバチの巣の形状や大きさなどからして
獲物をそのまま運び込むのは難しいですし
非効率的なので、まあ当然と言えるかもしれません。
肉屋に直接生きた牛が運ばれることがないのと同じですね
もういっちょ。
こういう「食う・食われる」の関係が
花壇の中だけでも成立しているところが
この手の宿根草花壇の一番の魅力です。
実際、神代植物公園の宿根草園では
花壇内の植物量の多い部分にアシナガバチの巣があるとか。
ただし、これは花壇を管理する方々にとっては
かなりの脅威となりますので、注意を促したり、
必要に応じて巣を撤去するなりの対策が求められます。
私のように写真を撮るだけの無責任な立場だと
つい「生物多様性に配慮して巣を残せ」とか言ってしまいがちですが
これは現場で管理をされている方々を無視した発言のため
個人的には賛同できません。花壇の外にある巣ならば
そのまま残すという選択肢もあるのでしょうが……。
いずれにせよ、花壇ができてまだ半年にも満たない中
高次消費者であるアシナガバチが訪れるようになったのは
少なくとも生きもの観点ではプラスと言えます。
続いて、有明の「花の広場」へ移動。
一昨年の秋には講座でも訪問したことがあります。
一株だけでしたが、5月末というこの時点で
早くもオミナエシが開花していました(右)
レースフラワー(セリ科)には例年同様に
アカスジカメムシが集まっていました。
セリ科の在る所には高確率で飛来するこの虫ですが
花の広場はレースフラワーの使用率が高いため
必然的に多く見られるようになっています。
ちなみにコイツは上記のヤブキリと違って
花粉目当てではなく、口吻を突き刺して
植物体そのものから汁を吸って食事するため
右写真のように花が終わった後の株でも
よく姿を見かけます。(しかも交尾中の個体が多数)
これは「花の広場」の高台から。
2年前の9月に講座で訪問した時には
まだ一年草(ペチュニアなど)だけの花壇でしたが
今はグラス系の植物に宿根草を混ぜた
かなり「自然」を感じさせる花壇に変わっています。
特に、紫色の三尺バーベナ(写真奥)と
線の細いスティパ(手前のススキみたいな植物)が
パッと見でも強く目を惹きます。
前者は蜜源としても優秀なのでなおさら。
別角度から。こちらのグラスはまだ株が小さく
真夏→秋と季節が移り変わっていくのに伴い
成長して美景観を描き出します。
隣接する臨海広域防災公園も訪問。
ただ、この日は風が強かったこともあり
あまり昆虫の姿は見かけませんでした。
なお、この公園は少し前に
護憲派のデモが開催された場所でもありますが
主催団体は5万人集結と嘯いていたものの
空撮写真での人口密度からしてもまずありえません。
ビッグサイトに行くたびに訪問していますので
地図を見ずとも現場の規模感は把握していますから
数字を盛ったところですぐ噓だとわかってしまいます。
この辺の「誤魔化し」が通用しなくなったのが
SNS文化の最大の貢献と言えるかもしれません。
最後に、代々木公園です。
ここの宿根草花壇は旧オリンピック宿舎を含めて
長らく立入禁止(モデルガーデン クラウドは除く)でしたが
今年4月よりようやくリニューアルオープンされました。
宿舎はドトールコーヒーのカフェになっています。
テラス席から花壇を眺めることも可能です。
ここの宿根草花壇はクオリティは高いものの
メイン通りから離れていることもあって
なかなか来園者が訪れないという課題を抱えていました。
カフェがオープンしたことによって「導線」が生まれ
今後は人の流れが生まれることが予想されます。
モデルガーデン「クラウド」より。
左奥にピンク色のモナルダが咲いていますが
この植物は初夏の宿根草花壇ですと
蜜源としてとりわけ人気です。
(真夏になるとアガスターシェにシフトします)
モナルダにクマバチ♂が来ていたので
とりあえず、いつもの。
こちらは旧コンテスト花壇の方。
小さなキク科の花が咲いており
ナミツチスガリが訪れていました。
ん? ツチスガリということは……↓
やっぱり来ていました。
ツチスガリの巣に寄生する小さなハチ
ハラアカマルセイボウです。
(2024年の新顔ランキング2位)
一昨年は6月に出現していましたので
この時期に現れたとしても不思議はないでしょう。
この日は数も多く、運良く2匹同時に
観察・撮影することもできました。
撮影する側にとってはありがたい話ですが
ツチスガリは捕食的な意味で狙われていますので
多分、気が気でなかったのではないかと(汗)
今後、真夏へと移り変わっていく中で
見られる花の種類も変化し、昆虫も増えていきます。
オミナエシが本格的に台頭した辺りで
恐らくオオセイボウが飛来するようになるはず。
引き続き様子を見ていきたいと思います。
【5/30 夢の島公園~花の広場~代々木公園で撮影した生きもの】
鳥類・・・ダイサギ、ムクドリ
昆虫類・・・アカスジカメムシ、キマダラカメムシ、クマバチ、コアオハナムグリ、セイヨウミツバチ、セグロアシナガバチ、ツマグロキンバエ、ナミツチスガリ、ハラアカマルセイボウ、ベニシジミ、マメコガネ、ムシヒキアブ、ヤブキリ(幼虫)
【生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」開催中!】
(毎月、第3または第4の土曜・日曜に開催します)
★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は
2026年6月21日(日)に開催いたします。
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