「居残りする」という選択肢もありますが……(浮間公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

例年、5月も後半に入ってくると

仕事が大分落ち着いてきますので、

気分転換も兼ねて近くの浮間公園へ。

 

グラス類も巧みに使った自然派ガーデンは

今年も健在で、オルレアの花が最盛期でした。

(6月現在でも花は残っていますが、さすがに種の方が多いです)

オルレアは食事処としても非常に人気の高い花。

この日はコアオハナムグリが多数飛来していました(右)。

 

ちなみにオルレアはセリ科の植物。

例のがよく付くのですが

5/18の時点では一匹も確認できず……。

ただ、今日(6/5)ちらと確認しに行ってみましたら

終わりかけのオルレアで数匹見つかりましたので

まったく「いない」というわけではなかった様子。

ただ、巷で騒がれている「カメムシ大発生」みたいな

驚異的な状況に至っているわけではないみたいですね。

 

そもそもカメムシ大発生騒動については

主に被害を受けているのは農家の皆さんのようなので

花壇植物についてはあまり関係ないのかもしれません。

 

 

 

 

 

バグハウスとオルレアの組み合わせ。

オルレアは花が美しく増やしやすい一年草で

なおかつ日照条件などもあまり気にならないので

花壇や各種ガーデンでもよく使われます。

白い小さな花の集合体ということで

色々な植物や構造物と組み合わせやすいのも人気のポイント。

 

一方で、あまりに増え過ぎてしまって

収拾がつかなくなるという意見も耳にしますし

それゆえに使わないというガーデナーさんもいらっしゃいます。

「野生化して大変なことになる」という意見もありますが

自分の知る限り、コレが一面に広がってしまい

在来種を駆逐しているような場所は記憶にありません。

そんなに広がりやすいわけではないんでしょうかね?

 

 

 

 

 

巣材集め中?

 

近年、うちの近所で増えつつあるオナガですが

最近では浮間公園周辺でもよく目にします。

昔はここまで高頻度で目にする鳥では

なかったような気もするんですがね……。

なお、少し前に浮間公園では

ツミの姿も見られたという話を聞いております。

ツミとオナガには密接な関係があると聞きますが

まあ、真相は今の時点では不明です。

 

 

 

 

 

そういえば一時期姿を消していた

ニホンミツバチの巣が復活(?)していました。

以前、3/7の時点で姿を消したと書きましたが

また同じ場所に巣がつくられたみたいです。

 

 

 

 

 

再び、巣の存在を伝える看板が設置されました。

相手は野生生物なので、この先いつまでここに残るかは

ちょっとわかりません。(6/5時点では確実にいました)

現在サクラは既に開花期を終えておりますが

園内にはオルレアのほか、シロツメクサなどの

蜜源となる植物はまだ結構多く残っています。

巣を破壊しに来るような生きものもほぼいないので

営巣するにはちょうど良い場所なのかもしれません。

 

 

 

 

 

今までに何度も遭遇してきたのですが

なんとなく(爆)新顔登録してこなかった

このちょっと大型のアブ。

見たことある方も多いのではないでしょうか?

 

アシブトハナアブといいまして

名前の通り花を訪れるアブの仲間。

シオヤアブのように刺してくることもなく

花粉媒介者としてよく働く昆虫です。

 

遭遇率・・・4 (都心部の花壇でも常連さん)

インパクト・・・3 (ミツバチより大きいので目立つ)

美しさ・・・2 (アブなので致し方なし?)

俊敏性・・・4 (速く飛ぶけど止まる頻度は高い)

知名度・・・2 (身近だから(?)注目されない種)

 

背中のラインが特徴で覚えやすい昆虫です。

あちこちで目にしますので、代表的なハナアブということで

本種の色や形をよく覚えておき、

もしちょっと違うデザインのアブを見つけましたら

その都度図鑑やネットで調べてみるといいでしょう。

要するに、銚子でカモメを観察する時に

一番よく見るセグロカモメの「型」を覚えておき

少しでも見た目が違っていたら写真に撮って

家でじっくり識別する……というのと同じです。

 

 

 

 

 

なぜかキンクロハジロ(♂)が1羽。

さすがにもう北国に帰る時期だろうと思いましたが

1羽でボーッとしていました。

 

キ「北に行っても繁殖できる保証ないし

途中でタカやワシに捕まるの嫌だし

そもそも結婚したらしたで面倒くさいから

独りでここに残ることにしました」(←想像)

 

確かに、ここなら食事にも困りませんしね(汗)

ただ、今日6/5に確認してみましたところ

彼の姿はもうなくなっていました。

遅れて旅立ったのか天寿を全うしたのかは

ちょっとわかりませんが。(まだ隠れている可能性もある?)

 

 

 

 

 

 

海「桑の実だ! そうだろう!?」

 

公園内のやつは食べたらダメでしょうが

河川敷に生えていた右の株なら

大丈夫……なんでしょうかね?(汗)

 

 

 

 

 

 

ちゃんとボードにもキンクロハジロの名が

書かれていました。そして見ての通り

今年もちゃんとササゴイが飛来していました(右)

 

 

 

 

 

浮島に現れたササゴイ

藪に隠れてしまう傾向が強いので

こういう見やすい場所に出てきてくれるのは

非常に有難いことです。

 

3~4羽飛来しているようですが

まださすがに雛が生まれている様子はなく

親鳥しか確認できていません。これからかな?

(昨年は真夏に若鳥を確認しています)

 

 

 

 

 

 

その後、土手を歩いて戸田公園方面へ。

道中の高架下では今年もイワツバメ(右)が

営巣していましたが、全体的に営巣位置が

北の方に移動(?)していたような気がしました。

 

理由はハッキリとはわかりませんが

この手の野生生物のライフスタイルにも

年々結構な「変化」が見られます。

一般的にメディアではマイナスの変化ばかりを

強調する傾向(外来種の増加など)にありますが、

無論プラス方面への変化も確実に見られますので、

冷静に観察・分析することが求められます。

 

 

 

 

【おまけ1】

これは4月の撮影記録になります。

もう抜けたようなので情報公開しますが、

4月中~下旬くらいまで、浮間公園に

あのミゾゴイが飛来していたのです。

 

飛来中は結構な数のカメラマンが集まっていましたが

特に気にした様子もなく、柵を挟んでカメラの目の前を

通過したりしていたので、大変人気を博していました。

 

 

 

 

 

食事シーンも撮影できました。

水元公園の個体と同じく、

巨大なミミズを引っ張り出しています。

(ちょっとしたヘビくらいのサイズがある……)

 

これが出ている間、はるばる海を越えてきた

ササゴイがほとんど注目されないという

珍(?)現象が起きていたのが印象深い。

まあ、相手がミゾゴイでは致し方なしか(汗)

 

 

 

 

【おまけ2】

熊谷駅の駅舎に現れたチョウゲンボウ

前に撮った個体と同じかもしれません。

 

ちょっと仕事で太田に向かう必要があった際に

熊谷で下車し、駅周辺をウロウロしていたら

以前とほぼ同じポイントで見かけた……という感じです。

引き続き会えればいいんですけどね。

 

 

 

 

【5/18 浮間公園周辺で撮影した生きもの】

鳥類・・・イワツバメ、オナガ、カイツブリ、キンクロハジロ、ゴイサギ、コサギ、ササゴイ、バン

昆虫類・・・アシブトハナアブ、コアオハナムグリ、シオカラトンボ、シマサシガメ、シモフリコメツキ、ナナホシテントウ、ニッポンヒゲナガハナバチ、ニホンミツバチ、ヤマトシジミ

その他・・・アカミミガメ

 

 

 

 

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 2024年6月16日(日)に開催いたします。

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