アマチュアガイドだからこそやれること(洗足池公園~目黒自然教育園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

GWの散策編、最終日です。

ツミを探しに洗足池公園に行きましたが

残念ながら今年は確認できず。

Web検索してみても、今年の記録はヒットしないので

残念ながら今年は営巣していないようです。残念。

 

 

 

 

 

 

水辺で吸水中のアオスジアゲハ(左)と

岩の隙間に隠れるニホンヤモリ(右)。

チョウはともかく、ヤモリの方は

普通に歩いていても公園ではなかなか会えないので

ちょっと驚きました(トカゲやカナヘビの方が多い)。

 

 

 

 

 

花粉を食べているキリギリスの仲間の幼虫。

多分、ヤブキリではないかと思われます。

子供の内は花粉を食べるという話は

恐らく以前お話したことがあると思いますが

実際に食事しているシーンを撮ったのは

何気にこれが初めてだったりします。

 

 

 

 

 

同じく、ハルジオンの花の上にて。

地味ながら新顔の昆虫になります。

ルリマルノミハムシといい

非常に小さな甲虫です。

 

遭遇率・・・3 (普通種っぽい)

インパクト・・・1 (見ての通り大変小さい)

美しさ・・・2 (ほとんど黒一色?)

俊敏性・・・3 (一般的なハムシに準じる模様)

知名度・・・1 (名前が長いので覚えにくい(爆))

 

名前の由来は恐らく「瑠璃色の」「丸い」

「ノミみたいに小さい」ハムシなのでしょうが

要素が多過ぎるので覚えにくいです。

明日には忘れている可能性が高い

瑠璃と言いつつ黒にしか見えないのは

この手の昆虫にはよくあることです。

ルリタテハルリボシカミキリみたいに

明るい青色が目立てば記憶にも残りやすいのですけどね。

 

 

 

 

 

……コイツを鮮明に撮れても

嬉しくないんだよなぁ(しかも多かった)

 

なお、コイツの甲高い鳴き声が

ツミなどの猛禽類のそれと似ているため

たまに勘違いしてしまうことがあります。

猛禽類を探す際には注意が必要です。

 

 

 

 

 

中型くらいのスズメガの仲間が

水飲み場で交尾していました。

桃色を帯びたちょっときれいな種ですね。

 

新顔なのですが候補は2種類いまして

ウチスズメか、あるいはそれより小型の

コウチスズメのいずれかだとわかりました。

その後、背中の模様の形状やサイズなどから

一応コウチスズメと判断しましたが

もしかしたら間違えているかもしれませんので

その場合は何卒ご容赦ください。<(_ _)>

 

遭遇率・・・1 (自治体によっては絶滅危惧種扱い)

インパクト・・・3 (スズメガとしては小~中型)

美しさ・・・3 (赤味を帯びていて結構美しい)

俊敏性・・・2 (止まっている時はほぼ動かない)

知名度・・・2 (上のハムシよりは覚えやすい)

 

 

 

 

 

横からも撮影。

食草はサラサドウダンなどのツツジの仲間らしく

庭木として植えられることもあるそうですが

自生地は結構山の奥の方になるらしいので

本種も自ずと丘陵~山地で発生しやすくなります。

(絶滅危惧種扱いされることがあるのも多分それが原因)

 

どこかで庭木として植えられたものに

本種の卵か幼虫がついていたとか

そういう理由で移動してきたのかもしれません。

 

 

 

 

 

!?

 

 

 

 

 

アオダイショウのいる風景

こんな所にいたので吃驚しましたが

十数分後に戻ってくるといなくなっていました。

彼らは泳げますので、まあ不思議ではないですが。

 

このアオダイショウが出ている間

近くの桟橋を通る来園者の皆さんは

当然のように観察・撮影に熱中されていました。

絶対に噛みつけない適度な距離間でしたゆえ

スマホなどでも簡単に撮影できていたようです。

 

何でこんな所にいたのかはわかりませんが

おおかた日光浴か何かでしょう……たぶん。

 

 

 

 

 

 

場所を移動しまして、目黒の自然教育園へ。

ハナショウブやカキツバタなどが咲き出していました。

左写真の手前にはヒトリシズカの群落も。

で、奥の端の所に何やら人が集まっていますが……。↓

 

 

 

 

 

何かと思ったら、池の畔にまたアオダイショウが。

(場所が違うので、当たり前ですが別個体です)

 

洗足池公園の個体とは違って

ちょっとわかりにくい位置で休憩していたのですが

この自然教育園の常連らしいお爺さんが

橋のところでスタンバイし、来る人来る人に

「あそこにヘビがいるよニコニコと教えていらっしゃいました。

最近あまり目にする機会がなかったらしく

それもあって余程嬉しかったみたいですね。

 

 

 

 

 

 

ここは自然度が高いため、昆虫の数・種類も豊富です。

昨年ここで新顔登録したエグリグンバイ(左)は

この日もフキの葉の裏で多数確認できました。

右はアオカメノコハムシです。きれいな緑色ですが

それゆえに葉っぱに乗っていると見落としがちです。

 

 

 

 

 

産卵中と思われるクロスジギンヤンマのメス。

そういやまだ今年は無印のギンヤンマを

見ていませんが、彼らは基本的に夏のトンボ。

クロスジryはやや早めに成虫が発生する傾向にあるようです。

 

 

 

 

 

 

ここでも牧野富太郎博士関連の

展示がなされているようです(左写真)。

右は、マミジロハエトリのメスと思われます。

小網代で撮影したオスとは大分模様が異なっており

一回で覚えるのはなかなか難しいです。

 

 

 

 

 

その点、このアオオビハエトリ

本当に覚えやすく、印象に残ります。

この写真も大分Photoshopで補正はしていますが

銀河を彷彿とさせるようなこのカラーリングは

やはりハエトリグモの中でも頭一つ抜けて美しい。

 

そういえばもう一種類、日本のハエトリグモの中で

本種と並んで美しいとされるヨダンハエトリなる種も

存在するらしいですが、そちらにも期待したいところです。

 

 

 

 

 

 

で、そのアオオビハエトリなのですが

この日は運よく求愛行動を見ることもできました。

ただ、これで交尾に成功したのかどうかは

写真を振り返ってもわかりません(汗)

 

求愛の際には前脚を大きく広げるのが特徴。

ちなみに、お腹が大きい方がメスになります。

(上の写真の個体はオスと思われます)

 

 

 

 

 

最後に、たまにイラガの幼虫と見間違えそうになる

ルリタテハの幼虫です。サルトリイバラの葉を食べています。

同じ株に3匹ほどついていました。

大抵この幼虫は葉の裏に隠れているため

知らないとスルーしてしまいがち。

ただ、この日はサルトリイバラの株の前にスタンバイし

近くを通る親子連れなどに紹介しているお爺さんがいたので

皆さんも興味深そうに観察されていました。

 

そのお爺さんというのは、予想はつくかもしれませんが

上のアオダイショウのことを教えていた方と同一人物でした。

見たところ、ここの職員さんやボランティアスタッフではなく

純粋にファンとして遊びに来ている方だったようです。

だからこそ、生きものに会った「感動」を率直に伝えることができ、

道行く人も興味を惹かれていたように私の目には見えました。

 

先日の水元公園のバーダーのおっちゃんもそうですが

プロではない一般の方でも生きものの場所や名前を伝え、

次世代が興味を惹くような流れを作ることは可能です。

ただ、それには伝える側が知識云々など以上に

昆虫にしろ鳥にしろ植物にしろ「好き」という気持ちを

持っていることが前提となります。

私のような人間や、いわゆるインタープリターの方の役割は

そういう「好き」という気持ちを広げることだと思っていますが

これは趣味嗜好の多様化した日本ではとても難しいこと。

それだけに、この日のお爺さんみたいな方は大切ですし、

次の世代に繋がっていけばと願ってやみません。

 

 

 

 

【おまけ】

ツミの件がちょっと寂しかったので

今年、うちの近所の公園で撮影した写真をアップします。

写真の個体はメスですが、オスも近くにいた様子。

営巣しているかどうかはちょっとわかりませんが

カラスに負けずに頑張ってもらいたいところです。

 

 

 

 

【5/5 洗足池公園~目黒自然教育園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、カルガモ、カワウ、カワラヒワ、キジバト、シジュウカラ、ダイサギ、ヒヨドリ、ムクドリ、ワカケホンセイインコ

昆虫類・・・アオオビハエトリ、アオカメノコハムシ、アオスジアゲハ、アカボシゴマダラ、アメンボ、エグリグンバイ、キイロテントウ、キリギリスの幼虫、クロウリハムシ、クロスジギンヤンマ、コウチスズメ、コミスジ、ジガバチ、シマサシガメ、スジブトハシリグモ、チャバネセセリ、ツマグロヒョウモン、ナナホシテントウ、ナミアゲハ、ヒメマルカツオブシムシ、ホソヒラタアブ、マミジロハエトリ、ムシヒキアブ、ヤマトシジミ、ルリタテハ(幼虫)、ルリマルノミハムシ

その他・・・アオダイショウ、アカミミガメ、クサガメ、ニホンカナヘビ、ニホンヤモリ、メダカ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年6月16日(日)に開催いたします。

 行先は「代々木公園~明治神宮御苑」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。