原宿で、点在する緑地を渡り歩く(5月25日東京散策 ※前編/代々木公園→表参道→ののあおやま) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

今回は写真が多過ぎるので前後編でお送りします。

東京都心部のオープンスペースや屋上などの

最新の緑化事例を探るべく、この日はまず原宿へ。

午後は六本木の麻布台ヒルズに初めて行ったのですが

そちらにつきましては後日後編でお送りします。

 

原宿ではまず、毎度おなじみの代々木公園へ。

宿根草花壇を覗いて昆虫を探します。

(写真はコアオハナムグリ

 

 

 

 

 

グラス類も元気に茂ってきました。

前回の記事で掲載した防災公園の花壇と同じく

風が吹くことによって真価を発揮します。

また、この手のグラス類は小さな昆虫にとっては

貴重な隠れ家になりますので……↓

 

 

 

 

 

 

キリギリスの幼虫(左)やツチイナゴ(右)など

バッタの系統がよく身を隠しています。

さすがに草をかき分けて奥まで探ることはできませんが

結構表に出てくる個体も多く、見つけやすいです。

 

葉っぱなので、隠れ家だけでなく

食事にされているケースもないとは言えませんが……

まあ、それも自然派ガーデンの定めか(汗)

 

 

 

 

 

モデルガーデン「クラウド」へ。

三尺バーベナがやはり一番目を惹きます。

いつも通りといいますか結構昆虫は多く

長時間いても飽きなさそうだったのですが

この日はあくまで東京散策のついでに立ち寄っただけ。

適当なところで切り上げ、移動しました。

 

 

 

 

 

クマバチのオスがのほほんと吸蜜していたので

ちょっと素手で捕獲してみました。

オスなので毒針(産卵管)を持っていませんので

こんな持ち方をしても安全です。

(ただし噛まれることはあります(大して痛くないですが)

 

 

 

 

 

代々木公園から一旦原宿駅に戻り、

そこから真っすぐ並木道を下って表参道方面へ。

途中、交差点の所に見えてくるのが

こちらの商業施設「東急プラザ表参道原宿」です。

 

恐らくは以前にも紹介させていただきましたが

屋上にある「おもはらの森」という庭園が魅力。

交差点からも見えるくらい大きな木が目印で

現地に行けばすぐにわかります。

竣工したのは10年以上前になりますでしょうか。

 

 

 

 

 

 

屋上に上がるとこんな感じ。

日本原産の植物が多く、確かに「森」という雰囲気。

季節の山野草も多く植栽されています。

 

ベンチが多くてくつろぎやすい屋上庭園なので

コーヒーなどを買ってここでリラックスしている

若い方が多く見受けられます。

また、最近は菜園づくりなどもしているようです。

 

 

 

 

 

バードバスなども設置されており

野鳥も飛来するとのこと。

この日もメジロが数羽訪れていました。

 

原宿の真っ只中にあるビルですので

さすがに珍鳥の飛来を期待しちゃいけませんが

会えるとちょっと嬉しいですね。

 

 

 

 

 

おもはらの森から交差点を見てみます。

おや? 交差点の反対側にも

屋上庭園のあるビルが建っていますね……。

 

このビルは「ハラカド」といいまして

名前の由来は恐らく“原宿の角”という意味。

開業10年以上になる東急プラザ表参道原宿と違い

こちらは昨年の8月に竣工したばかり。

つまり、オープンしてまだ1年も経っていません。

 

 

 

 

 

「ハラカド」のビルの中。

施設内にも緑を取り入れていたり

昔ながらの横町を思わせるフードコートがあったり

より若者とインバウンドにウケのよさそうな

ユニークな商業施設となっています。

 

ちなみに所有者は両方とも東急不動産です。

 

 

 

 

 

 

では「ハラカド」の屋上庭園へ行ってみましょう。

おもはらの森とは対照的に海外の植物がメインで

最近人気のオージープランツ(豪州の植物)が

多く植栽されているのが特徴でしょうか。

 

ブラシノキが特に目を惹きましたが

あんな形の花でもちゃんと蜜源になるらしく

セイヨウミツバチが複数飛来していました。

 

 

 

 

 

「ハラカド」の屋上から

おもはらの森を眺めることも可能。

こちらの方が若干高さがあるみたいで

結構遠くまで東京の街を見渡せます。

 

運営会社が一緒でほぼ隣接しているのに

ビルの中も外もまるで異なっていますので

両方を行き来してみると面白いかも?

 

ただ、屋上庭園というのはどうしても

周りの緑地と分断されてしまいがちですし

(街路樹で繋ぐにしてもやはり限界がある)

荷重の関係で安易に高木や池を導入できず

生きものを呼ぶというのはなかなか難しかったりします。

特に昆虫については、上記のミツバチは例外として

わざわざここの屋上庭園に出張してくるような

「理由」がなかなか作りにくいように見えます。

もし生きものを探したいのであれば

やはり地上に直接緑地を設けているような

オープンスペースを訪れた方がいいでしょう。↓

 

 

 

 

 

というわけで久々にやってきた

「ののあおやま」という複合施設の

オープンスペースです。

 

小川と池を有している上に緑も豊かなので

以前に紹介したように生きものの数・種類も多く

特にトンボが多く確認できます。

なお、左奥の池の畔にいる親子連れは

池に放流されてしまったアメリカザリガニ

捕まえているところです。本当にご苦労様です……。

 

 

 

 

 

 

オオシオカラトンボ(左)のほか、

クロスジギンヤンマの飛んでいる姿も確認できました。

まだ、イトトンボなどの類は見られませんでしたが

あれから半月以上経過した今なら

もしかすると確認できるかも?

 

右は、代々木公園でもおなじみのクマバチ

生垣の花(ジャスミン?)で吸蜜していました。

顔が見えないのでわかりにくいですが

この個体はメスでしたので、安易な手出しは禁物です。

 

 

 

 

 

この看板があるにもかかわらず放流したのか

それとも放流があったから設置したのか……

いずれにしても持ち込まれたアメリカザリガニが

結構繁殖してしまっているらしく

親子連れが持っていた水槽には

複数個体の小さなザリガニが入っていました。

 

利用者や管理会社の方が大迷惑を被るので

ホントやめていただきたいですね。orz

 

 

 

 

 

最後に、オナガが何羽か来ていたので撮影。

最近は都心部でもかなり数が増えているようです。

小河で水浴びをしている姿も確認しました。

 

今日は一旦ここまでです。

午後から六本木へと繰り出しましたが この表現だと夜の街で遊んだように見える

そちらにつきましてはまた後日お送りします。

 

 

 

 

後編に続く>

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年7月21日(日)に開催いたします。

 行先は「舎人公園」でございます。

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 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

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小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。