カメムシの発生状況を探る(東京臨海広域防災公園ほか) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

今日は比較的短めに。

仕事でビッグサイトに出かけたついでに

いつものように臨海広域防災公園

ナチュラリスティックガーデンに行ってきました。

 

5月下旬ともなると大分宿根草も

花が上がってきて、見栄えも一気に向上します。

代々木公園の例の花壇と同じですが

こちらの公園の方が一年草の使用率は高めです。

(代々木はそういうコンセプトのコンテスト花壇だったので)

 

 

 

 

 

 

ナチュラリスティック……ということで

「自然を感じるガーデン」であることが大事なのですが

そもそもどういう時に自然を感じるのか?というのが

個人で大分異なるので、定義づけが難しいようです。

「昆虫が来るか否か」という判断基準ですと

一年草花壇にも蜜源植物は多くありますので

正確な(?)判断が難しくなってしまいます。

 

最近、特に多くの人に好まれるのが

「風」を感じるガーデンであるということ。

花鳥風月、そして風火水土(4元素)の

いずれにも含まれる「風」という要素は

そこにあるだけで自然を身近に感じる方が多いとか。

 

では、ガーデンでどのように風を感じるか?

一番わかりやすいのは、そよ風が吹いた際に

線の細いグラス類が揺れたり、それに伴って

光を反射して輝いたり……そういう事象があると

人はそれを自然すなわちナチュラルだと感じるようです。

 

 

 

 

 

動画と違って、写真で「風」を伝えるのは

他の4元素辺りと比べても非常に難しいですが

こんな写真でしたらどうでしょう?

明らかに、左から右に向かって風が吹いていますね。

 

無論、こういうのはどんな植物でもできるわけではなく

グラス類(カレックスと呼ばれるものが多い)

その中でも髪の毛を思わせるくらいに

線の細い植物が求められ、脚光を浴びています。

 

上の写真ですと結構な風が吹いているように

見えるかもしれませんが、実際はチョウやハチが

ある程度普通に飛び回れる程度のものです。

それくらいの穏やかな風でも

写真を通じて「風」そして「自然」な雰囲気を

感じ取ることができるようなガーデンが

現在色々なところで設えられています。

 

 

 

 

 

 

上記の通り、チョウは普通に飛んでいました。

この時期、そこそこ大き目のチョウにとっては

三尺バーベナが貴重な蜜源となります。

(左:アオスジアゲハ 右:キタキチョウ

 

 

 

 

 

 

コメツキムシや小さなハチなども

ガーデンの色々な所で確認できます。

周りを見る限り、まとまった大きな緑地等は

特にないのですが(ゼロではありませんが)、

それでも相当数の昆虫が観察できます。

 

 

 

 

 

花期の終わったオルレアに目を向けると

大量のが……。

もちろん、この3匹は氷山の一角中の一角。

全部を数えたわけではありませんが(発狂するので)

1㎡のオルレア花壇で15~20匹くらいが

たむろしていた……といえば大体状況がわかるかと。

 

これはやはり巷で噂のカメムシ大量発生の

一環なのか?とつい考えてしまいがちですが

他の場所(代々木公園や浮間公園)のオルレアで

そこまで本種が大量発生している様子はないので

これだけでは判断が難しいところです。

また、キマダラカメムシにも遭遇しましたが

そちらもこの日見たのは1匹だけでした。

 

 

 

 

 

キリギリス(の仲間)の幼虫

小さいですが、オルレアの白がバックですと

結構目立ちます。胸部などが発達してきており

大分成長していることがわかります。

 

 

 

 

 

バラも植えてありますが、一部の区画だけです。

 

 

 

 

 

やはりこういうタイプの花壇の方が

全体として見た際には目を惹きます。

一方で単体の花として見た場合には

やはりバラが一番求心力を発揮しますので

その辺はコストやそもそもの花壇の目的・コンセプトなどと

相談しながら皆さん試行錯誤されているようです。

 

昆虫を呼ぶか否か……については

「植物の種類による」かなといったところ。

一応バラもチョウやハチを呼びますので

常に「宿根草>バラ」というわけではないのです。

 

 

 

 

 

 

防災公園を出て、ビッグサイトの入口近くにある

「花の広場」へ移動。こちらもグラス類を多く使っており

風が吹くと大変見栄えがよいと評判です。

 

 

 

 

 

こちらでもセリ科の植物に

の姿がありました。

やはりこの界隈に限って言うのであれば

「出ている」と言わざるを得ないかもしれません。

 

もっとも、外来種であるキマダラカメムシと違い

本種は元々日本にいたカメムシということもあって

目の敵にされる様子はあまりありませんが。

 

 

 

 

 

「花」のモニュメントをバックに据えて。

 

この界隈は秋になると全体的に赤味を帯びてきて

夏とはまた違う見栄えを発揮しますので

引き続きビッグサイトを訪れた際には

その都度覗いておきたいところです。

 

 

 

 

 

【5/24 東京臨海広域防災公園周辺で撮影した生きもの】

アオスジアゲハ、アカスジカメムシ、キタキチョウ、キマダラカメムシ、キリギリスの幼虫、コアオハナムグリ、コメツキムシの一種、ササグモ、セイヨウミツバチ、ナミハナアブ、ニッポンヒゲナガハナバチ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年6月16日(日)に開催いたします。

 行先は「代々木公園~明治神宮御苑」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。