ハヤブサが来てしまう「前」のこと(伊佐沼) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

コアジサシの飛来シーズンを迎えた6月初頭、

例年通り南古谷駅から田園地帯(左写真)を通り

伊佐沼に向かいました。道中の田んぼを覗くと

タニシ(右)やらオタマジャクシやらが

多数観察できましたが、オタマについては

何のカエルの子なのかはちょっとわかりません。

後述のヌマガエルなのか、あるいは以前よく見かけた

トウキョウダルマガエルのものなのか……。

 

 

 

 

 

なお、ヌマガエルは田んぼ沿いの土穴に

いくつか隠れている個体を見つけました。

写真のものは2個体隠れています。

凄く狭そうな気がしますが夫婦なら致し方なし

 

 

 

 

 

田んぼの畔に降りたヒバリ

最初から地面に降りていたら

見つけるのは困難です。

 

 

 

 

 

その後、伊佐沼に移動しますと

夏らしくあちこちからオオヨシキリの声が。

夏の暑さに更に拍車をかけるので一部から嫌われているという噂

 

 

 

 

 

さて、お目当てのコアジサシですが

6/2の時点では例年通り結構な数が見られ

求愛シーンを捉えることもできました。

メス「魚が小せぇよボケ」

オス「」

 

距離こそ遠いものの、安定して観察できるので

ここ数年はコアジサシというと伊佐沼で

撮影することがほとんどになってきています。

検見川浜でも観察はできますが)

 

 

 

 

 

ところがこのコアジサシ、6月上旬のある時を境に

パタリと観察できなくなってしまったとのこと。

ブログ上でも何名かの方が「いない」と報告されており

その理由が、タイトルにもあります通り

ハヤブサが急襲してきたためではないか?と言われています。

私が訪問した数日後にハヤブサが来たようですね。

 

伊佐沼には砂礫地や砂浜が存在しないため

コアジサシがここに来るのはほぼ食事のためであって

営巣地は他にあるのだろうと前々から睨んでいましたが

ハヤブサに狙われていることを知ったためか

食事場所を他に移してしまったのでは?と

一部のバーダーの方はSNS上で仰っていました。

 

この場合、狙われたのが営巣地でなかったことは

不幸中の幸いといえるかもしれません。

 

 

 

 

 

ちなみにこの日はコアジサシだけでなく

こんな別の種にも遭遇しました。

嘴の色などが明らかに異なりますが……↓

 

 

 

 

 

腹部は違いがより顕著で

墨を塗ったように黒くなっています。

 

これはクロハラアジサシといいまして

夏羽の状態に会ったのはこれが初めて

(過去に手賀沼で冬に撮影しています)

以前にここで新顔登録したハジロクロハラアジサシとは

大分異なっており、嘴や腹部の模様以外は

コアジサシに酷似しています。

 

 

 

 

 

より、お腹の黒さがわかりやすいポーズ。

距離はありましたがなかなかの写りで満足です。

 

ハヤブサが現れた後は、このクロハラryも

姿を消してしまったようですが、

その後戻ってきたという話も耳にしています。

コアジサシ達がその後どうしているのか

今年はもう戻ってこないのか、その辺はちょっと

しっかりと調べていないので不明です。

 

 

 

 

 

電線にはカラスの巣が。

そういえば数年前に営巣中と思われるカラスに

執拗に攻撃を仕掛けられたことがありましたが

あれもこの近くだったりします。

(もちろん別の個体だとは思いますけど)

 

最近、大手メディアで採り上げられたためか

営巣中のカラスに攻撃されるケースが

急に増えたように錯覚されがちですが

実際にはこの時期の風物詩みたいなものですので

知っている人はあまり「異常事態」とは

捉えていないのではないかと思われます。

 

 

 

 

 

最後に、作りかけと思われるツバメの巣です。

壁面の土汚れの付き方などを考えますと

昨年作ったけど壊れた(もしくは人が撤去した)巣を

再度同じ場所に作り直しているように見えました。

 

最近、直接壁面に作るのではなく

天井近くのダクトや監視カメラなどの

何かの上などにつくる手抜き工事簡単なタイプの巣も

増えてきているだけに、ちょっと偉く見えたりもします(笑)

 

 

 

<おまけ(参考画像)>

最近よくあるツバメの巣の施工例。

まあ、この方が安定するのは確かですね。

手抜きというより、利便性・安定性・効率を追求した

一つの戦略といった方が適切でしょう。

 

なお、カラスなどによる攻撃を防ぐため

やはり天井ギリギリに作るという点では

従来の工法と一致しています。

 

 

 

 

 

【6/2 伊佐沼で撮影した生きもの】

鳥類・・・オオヨシキリ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、クロハラアジサシ、コアジサシ、ダイサギ、ツバメ、バン、ヒバリ

昆虫類・・・セイヨウミツバチ、ナミテントウ、モンシロチョウ、ヨコヅナサシガメ

その他・・・タニシ、ヌマガエル

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2024年7月21日(日)に開催いたします。

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