しがみついてでも…前編 | ASKAママのTXらいふ

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引っ越し履歴: 東京⇨LA⇨Houston
子供3人(22歳男、20歳女、18歳男)のシングルマザー(主人とは別居・離婚手続き中)
普段の自分の仕事(州公務員・リハブテック・ケアギバー)、子供の現地校、こちらで遭遇した個性的な人たちについてなどいろいろ書いています


今日はリハブのお話

私は3つのお仕事をしています
◉州公務員(テキサス州の公務員をしています。心身に困難のある人達が、実社会に戻ることができるよう支援するのが目的の施設に勤務。月〜金のフルタイム。でもフレックス制なので出勤・退勤時間はバラバラ)
◉リハブテック(長期滞在型の病院でリハブテックをしています。理学療法士に指示されたエクササイズを患者さんに施術したり、動ける人にはトレーナーの様にカウントしながら自力で運動してもらいます。土日のみ)
◉ケアギバー(個人宅で全身麻痺の女性のケアギバーをしています。夜勤のみ週2日)

啓人の豚骨黒?だっけ?



先週の金・土と2日連続でリハブトップのボスと2人で一緒に仕事をした。彼は史上最長の面接をした香港チャイニーズのボス。

私は普段週末のみの出勤。一方彼は本当に人手が足りない時しか週末は出ないんで、ほぼ会わない。でもよくTextでメッセージは受けるし、物凄い気遣いの人なのは分かってる。


先週同じリハブテックのリーダー的スタッフにイロイロ教わった。やっぱり州施設の方針とは違うところがイロイロあったけど、ソレが施設の方針なのかその人個人のやり方なのかイチイチ突っ込んで聞けず…やはりこういうのはトップのトップのやり方を直接知りたい。他の人はいつでもボスと話せるけど、私は何かあるたびいつもTextで邪魔するのが嫌で…


独立記念日前後で沢山スタッフが休んでいた、といういいタイミングだったのもあって実現した。


結論から言って理想のボス。


患者には私のことをパートナーだと紹介し、どう言うエクササイズをする予定か説明すると後はお任せ。体の大きな患者さんをベッドから車椅子へ移動させるなど、ヘルプのいる所だけいてくれる。術後のリハビリで長期滞在の患者さんは、1日少なくとも3時間のプログラムがある。OT(作業療法士)とPT(理学療法士)合わせて3時間以上。


家に帰るための機能を回復するのが目的だから、患者さんによってプログラムが全然違う。退院後車は運転するのか?退院しても車椅子なのか?ウォーカーを使うのか?シャワーは誰か助けてくれるのか?ウォークインのシャワーなのか?バスタブを跨がないといけないのか?2階建てで階段の昇降があるのか?


こう言う患者さんたちは一日も早く家に帰りたいからとても意欲的。まだ酸素吸入受けてたり、人工呼吸器が付いているのにリハビリを始める。もちろん医師の許可が出てからだけど。


ベッドを出た初日から20分もバイクで有酸素運動しちゃう人。ゆっくり歩いてって言うのにどうしても病気前の速度で歩いちゃう人。血中の酸素濃度やら血圧やらモニターしながら休み休み運動してもらうんだけど、それにしてもすごいやる気。スピードダウンさせる方が大変。


こう言った患者さんのうち2-3割ぐらいは極度の肥満の患者さん。そうするとリハビリ前にまずもっと体重を落としてもらわないといけないんだけど…大体が入院前に既に肥満だった訳だから、落とすにも時間がいる。大抵は入院してしばらくはカロリー制限され経口摂取もしてないから、だいぶ体重が落ちてるはずなんだけど、ソレでもすごい体重…


患者さんの一人にとにかく早く退院したがっている人がいる。香港チャイニーズのボスと彼を担当した時、人工呼吸器をつけ朦朧とした彼に何度も訴えられた。


「立たせて…立ちたい…」


彼は肥満だからまず体重を落とさないといけない。そしてまずベッド上で座ったり自分一人で体重をずらしたりする練習。次にベッド脇に足をつけて一人で座れるように練習をしなければいけない。まだ何もやってない。そして抗生剤と痛み止めがガンガン投与されててまだフラフラ。寝たきりだったから足も弱って自分の体重を支えられない。でも出ない声を絞り出して訴える。


「立たせて…」



つづく