流離の翻訳者 青春のノスタルジア -42ページ目

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

明日の午後から明後日の未明にかけて黄砂が飛来する可能性が高いとのニュースを聞いた。マスクの着用が必要なほどだという。コロナでマスク着用は当たり前になったが、12月の黄砂は随分久しぶりのことらしい。

 

 

 

Yellow dust is a meteorological phenomenon that affects much of East Asia year-round and especially during the spring months. The dust originates in China, the deserts of Mongolia, and Kazakhstan where high-speed surface winds and intense dust storms kick up dense clouds of fine, dry soil particles. These clouds are then carried eastward by prevailing winds and pass over China, North and South Korea, and Japan, as well as parts of the Russian Far East.

 

黄砂とは東アジアの大部分に、年間を通して特に春季の数か月間影響を与える気象現象をいう。その粉塵は中国、モンゴルの砂漠地帯およびカザフスタンで発生する。これらの地域では高速の地表風と激しい砂塵嵐が微細で乾燥した土壌粒子の高濃度で含まれた雲を舞い上げる。その後、これらの雲は卓越風により東方に運ばれ中国、南北朝鮮および日本のほかロシア極東の一部を通り過ぎる。」

 

 

古書の旅も4冊目に入った。当時の友人たちが所属したゼミの教官の著書を読んでいると、彼らの就職先とゼミの内容との間にある程度の相関関係が見られる。

 

政府系特殊法人、大手総合商社、大手電機メーカー、信託銀行など就職先はそれぞれだが、彼らが面接でどんな話をしたのかが何となく想像できる。まあ40年以上も昔の話ではあるが ……。

 

ゼミの内容と就職先の間に脈絡が無いのは私くらいだ。マクロ経済学と損害保険。何の脈絡もない。なんで損害保険など選んだのか。

 

 

学生時代これらの書籍を読んでいたら、あんな難解なマクロ経済学のゼミには進まなかっただろう。経営学などもっと実務的な内容の方がよほど面白い。別のゼミに進んでいたらどんなところに就職していただろうか ……?

 

まあ今となっては「取らぬ狸 ……」だがそんな空想も面白い。古書の旅を始めてからものの見方が少しずつ変わってきている。全部を読み終えたらどうなっているだろう。

 

昨今の物価高からか、従来、「物価の優等生」と呼ばれてきた鶏卵(卵)の価格に関する記事が今日の日経新聞の【春秋】欄に出ていた。

 

鶏卵は鳥インフルエンザの流行とも相俟って品薄にもなっているらしい。確かにスーパーの卵の価格は上昇傾向にある。

 

 

価格を据え置いたまま商品の量を減らしたり、ホテルやレストラン、空港などでサービスの質を落としたりすることを「シュリンクフレ―ション(Shrinkflation)」という。

 

これは「収縮」の意味の「シュリンク(Shrink)」「インフレーション(Inflation)」の合成語である。

 

いつも買っていた商品のパッケージが、ある日突然小さくなっていたり量が減っていたりすると、価格が若干上がる以上に心理的影響が大きいように思う。

 

「シュリンクフレ―ション」の別の言い方に「ステルス値上げ(Stealth Price Hike)」というものがある。いずれもずる賢い値上げのやり方だ。

 

 

 

 

The food maker has been steadily reducing the package size of the product to offset rising production cost while keeping the price stable, which is a retail strategy known as “shrinkflation".

 

「その食品製造業者は、上昇する製品の製造コストを埋め合わせるために価格を据え置いたままパッケージのサイズを着実に小さくしてきた。これがシュリンクフレーションと呼ばれる小売業の戦略である。」

 

昭和の終わりから平成の初めにかけて10年ほど日テレ系で「年末時代劇スペシャル」が放映された。パソコンも携帯も無い昔ながらの年末・年始の頃である。

 

 

豪華俳優陣と巨額のコストをかけて作られた番組は年末・年始の盛り上がりと相俟って講評を博していた。「忠臣蔵」「白虎隊」「田原坂」「五稜郭」など江戸から幕末・維新にかけてのものが多かった。

 

あれから35年余り。他界された俳優の方々も数多く居られるし、当時若手の俳優も今ではベテランとなっている。時の流れを止めることはできない。

 

 

昭和を思い出しながら以下にいくつかの映像を掲載する。

 

 

 

 

「木枯し・凩」とは「秋から初冬にかけて吹く、強く冷たい風」をいう。「木枯し1号」の発表は東京と近畿地方だけらしい。今年は近畿地方で11月13日。東京ではまだ吹いていないようである。

 

12月に入って急に寒くなった。年末が近づき日々今年のカウントダウンが始まる。くる年に向けてダイアリーを買い替えたり年賀状の準備をしたり ……。何かと気ぜわしい。

 

 

 

日経新聞からまた新しい単語を知った。「フレクシキュリティ(flexicurity)」というもの。デンマーク発祥の欧州全体に広がった労働モデルのことをいう。

 

企業が従業員を解雇しやすい「柔軟性(flexibility)」と失業補償や職業訓練による「安全性(security)」を合成したもので日本語では「柔軟的失業者保障(補償)政策」という。

 

新語がどんどん造られていくが何処まで着いていけることやら ……。

 

 

Denmark's flexicurity model has been highly evaluated because it has made the nation competitive in the globalizing world.

 

「デンマークの『フレキシキュリティ』モデルは、グローバル化する世界において同国の競争力を高めているという理由から高く評価されている」

 

 

以下「木枯し」に関連した曲をいくつか。

 

 

 

 

 

最近、経済学の専門書などを読んで新しい情報が入って眠っている間に脳が更新されているためか、よく夢を見るようになった。また思いもよらない人物が夢に現れてくる。

 

先日は東京で働いていた頃のシステム部の先輩が現れてきた。随分とお世話になった人である。私はその人に何か相談しているらしい。

 

話の内容は昭和のままのようだがビルがインテリジェント・ビルになっていたり携帯電話で話していたりと一部現代版に変更されている ……。夢は不思議なものだ。思えば当時は夜間のシステム障害対応のため交替でポケベルを持たされていた。そんな時代だった。

 

 

 

今朝の日経新聞の【春秋】欄は実に面白い。蹴鞠の名人「蹴聖」藤原成通(ふじわら の なりみち)の話が出ている。

 

また「人々が蹴鞠を愛好している時代には国栄え、よい人が政治をつかさどり、幸福がもたらされる」という「鞠の聖」のお告げも出てきた。

 

文章は「あすの朝、歴史の扉はこじ開けられているか。」という疑問形で終わっている。

 

 

 

サムライブルーの勝利を神に祈ろう!

 

先日、突然小学校からの幼馴染みが夢に出てきた。彼も私も20代くらいの様子である。随分一緒に遊んだ友人だったが音信が途絶えて40年近くになる。

 

数年前、偶然にも彼の姉上とお話しする機会を得た。どうも彼の健康状態はあまり思わしくないらしい。

 

 

朝起きぬけに観たニュースであるタレントの訃報を知った。どういうわけかファースト・ネームが彼と一致した。「虫の知らせ」で無ければ良いのだが ……。

 

 

 

「多分(たぶん)」という日本語は実にあいまいだ。広辞苑には「大抵、大方、おそらく」とある。

 

これが「多分に」となると「数量や程度あるいは確度がかなり大きいさま、相当」となる。「に」がついただけで程度が大きくなる。不思議な単語だ。

 

 

「多分」から perhaps という単語が浮かんだ。この語、中学ぐらいで学んだがしっかり辞書を引いたことも無く、普通英訳では probably を用いていた。この語一体何なのか?

 

 

辞書を引くと意外なことが書いてあった。

 

⦅英略式⦆〔偶然(haps)によって(per).起こる確率が5割以下と考えられる場合に用いる〕

 

さらに話し手の確信度は probably ⇒ maybe ⇒ perhaps ⇒ possibly の順に低くなるとあった。やはり辞書を引いてみることが重要である。

 

 

 

 

Your solution is probably incorrect.

「君の解答は十中八九間違っている」

 

Maybe your solution is incorrect.

「君の解答はおそらく間違っている」

 

Your solution is perhaps incorrect.

「君の解答はもしかしたら間違っている」

 

Your solution is possibly incorrect.

「君の解答はひょっとしたら間違っている」

 

中野信子さん『ペルソナ 脳に潜む闇』には物事の真実を一言でズバッと言い当てたような記述が多い。読んでハッとさせられることが多々ある。かなり辛辣な書だ。

 

 

因みに「ペルソナ」は英英辞典では以下のように定義されている。

 

Persona:

Someone’s persona is the aspect of their character or nature that they present to other people, perhaps in contrast to their real character or nature.

 

「ある人のペルソナとは、人が他人に見せるその人の性格や性質の側面をいい、恐らくは実際の性格や性質とは対照的な(裏腹な)側面をいう」

 

 

 

 

 

"Scarborough Fair" by SARAH BRIGHTMAN

 

Are you going to Scarborough Fair?

Parsley, sage, rosemary and thyme

Remember me to one who lives there

He once was a true love of mine

 

Tell him to make me a cambric shirt

Parsley, sage, rosemary and thyme

Without no seams nor needle work

Then he'll be a true love of mine

 

Tell him to find me an acre of land

Parsley, sage, rosemary and thyme

Between salt water and the sea strands

Then he'll be a true love of mine

 

 

Tell him to reap it with a sickle of leather

Parsley, sage, rosemary and thyme

And gather it all in a bunch of heather

Then he'll be a true love of mine

 

Are you going to Scarborough Fair?

Parsley, sage, rosemary and thyme

Remember me to one who lives there

He once was a true love of mine

 

高坂正堯氏『文明が衰亡するとき』coca-colonization という造語が出てくる。狭義では「コカ・コーラの世界進出」。転じて広義で「他国へのアメリカ文化や資本の流入」を意味している。

 

 

「…… それはアメリカ文明をコカ・コーラで代表させ、そうした低俗なものがブドウ酒や茶といった香しい飲み物の国を植民地化しつつあることへの反撥の気持ちを表わしたものであった。……」(高坂正堯『文明が衰亡するとき』から引用)

 

 

40年以上の時を隔ててこの造語を知り得ただけでも。過去の心の隙間が埋まったような心地がして同書を読破した意義があったように思える。

 

 

「八月の濡れた砂」 石川セリ(1972)

 

私の海を真赤にそめて 夕陽が血潮を流しているの

あの夏の光と影はどこへ行ってしまったの

悲しみさえも焼きつくされた 私の夏は明日もつづく

 

打ち上げられたヨットのように いつかは愛もくちるものなのね

あの夏の光と影はどこへ行ってしまったの

思い出さえも残しはしない 私の夏は明日もつづく

 

あの夏の光と影はどこへ行ってしまったの

思い出さえも残しはしない 私の夏は明日もつづく


 

 

夏樹静子さんのサスペンスに「第三の女」というものがある。一言でいえば「交換殺人」の話だ。

 

嵐による停電。暗闇となった部屋での男女の約束のシーンがある。相手の顔も見えないまま約束を交わす男女。そのまま行きずりの恋へ。非現実的ではあるがかなり官能的なシーンである。たった一度であってもお互い相手の身体は記憶に残っているものだ。

 

 

PAT BENATAR は東京の会社に勤務していたころに友人から紹介されたもので以後はまってしまった。パワフルで官能的な声がとてもセクシーだ。

 

 

"Promises In The Dark" by PAT BENATAR (1981)

 

Never again, isn't that what you said
You've been through this before
You swore, this time, you'd think with your head
No one would ever have you again
And if takin' was gonna get done, you'd decide where and when

Just when you think you got it down
Your heart securely tied and bound
They whisper promises in the dark

Armed and ready, you fought love battles in the night
But too many opponents made you weary of the fight
Blinded by passion, you foolishly let someone in
All the warnings went off in your head, still you had to give in

 

Just when you think you got it down
Resistance nowhere to be found
They whisper promises in the dark

But promises you know what they're for
It sounds so convincing, but you heard it before
'Cause talk is cheap and you gotta be sure
And so you put up your guard
And you try to be hard but your heart says try again

You desperately search for a way to conquer the fear
No line of attack has been planned to fight back the tears
Where brave and restless dreams are both won and lost
On the edge is where it seems it's well worth the cost

Just when you think you got it down
Your heart in pieces on the ground
They whisper promises in the dark

 

一昨日夜半から昨日にかけて久しぶりの雨。庭の草木も喜んでいるように見える。今日は雨上がりの小春日和。まだ寒くならない。最後の秋が続いている。

 

真夜中。本などを読んでいて外の星空が気になることがある。玄関を開けて外に出るが秋の空は大抵薄雲がかかっており星はほとんど見えない。

 

ただ紫の夜の帳(とばり)が何処までも続いているだけである。

 

 

Harden という動詞は「…をかたくする、固める」という意味だが harden one’s heart「心を鬼にする」という意味で使われるようである。

 

She had to harden (or steel) her heart against the pitiful old lady.

「彼女はその憐れな老婦人に対して心を鬼にせざるを得なかった

 

 

Harden My Heart by QUARTERFLASH (1981)

 

Cryin' on the corner, waitin' in the rain,

I swear I'll never, ever wait again.

You gave me your word, but words for you are lies.

 

Darling, in my wildest dreams.

I never thought I'd go.

But it's time to let you know.

 

I'm gonna harden my heart.

I'm gonna swallow my tears.

I'm gonna turn and leave you here.

 

All of my life, I've been waitin' in the rain.

I've been waitin' for a feeling that never, ever came.

It feels so close but always disappears.

 

Darlin', in your wildest dreams.

You never had a clue.

But it's time you got the news.

 

I'm gonna harden my heart.

I'm gonna swallow my tears.

I'm gonna turn and leave you here.

 

Darlin', in my wildest dreams.

I never thought I'd go.

But it's time to let you know.

 

I'm gonna harden my heart.

I'm gonna swallow my tears.

I'm gonna turn and leave you here.

 

I'm a-gonna harden my heart.

I'm gonna swallow my tears.

I'm a-gonna harden my heart.

I'm gonna swallow my tears.

 

Harden my heart.

I'm gonna swallow my tears.

No, oh, oh, oh.

Harden my heart.

 

I'm gonna harden my heart.

I'm gonna swallow my tears.

I'm a-gonna harden my heart.

I'm gonna swallow my tears.

 

Harden my heart.

Harden my heart.

Swallow my tears.

I'm a-gonna harden my heart.