夜中に目が覚めて書斎に行き、コーヒーを飲みながら本棚の整理をする。それから読みかけの本を読み始める。そんな生活が続いている。何となく高校2年頃の生活を思い出す。
昨日の日経のAngle欄にドイツのハイパー・インフレに関する興味深い記事があった。
今からちょうど100年前の1923年、ドイツで発生したハイパー・インフレは経済史に残る悲劇だった。ドイツ・マルクの価値は1923年末までに戦前と比べて1兆分の1以下に落ち込んだ。
「1杯5000マルクのコーヒーが、飲み終わったときには8000マルクになっている」と形容されていた。
政府が野放図に国債を発行し、中央銀行がお札を刷って引き受ける。それを続ければ通貨は信用を失い、やがて紙くずになる、ハイパー・インフレは必然だったらしい。
人々も政府もモノの価値が上がっているのか、それとも通貨の価値が下がっているのか、コインの裏表のどちらかがわからなくなった。
政府は裏表の判断を誤り、国民の生活を奈落の底に突き落とした。
昨今の消費者物価指数(CPI)の上昇と150円を超える急激な円安、以後の為替相場の乱高下。一旦円安には歯止めがかかったようだが、政府が発行した国債を日銀が買い続ける構図は変わっていない。果たして円は価値を保つことができるのか?
記事は「100年前のドイツからくみ取るべき教訓は多いはずだ」と締めくくっている。