新・英語の散歩道(その4)-3種類の「危険」-倉木麻衣 ”Season of love” | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

年末年始の暴飲暴食に「七草粥」のほろ苦さが胃に優しい。「芹(せり)薺(なずな)御行(おぎょう)繁縷(はこべら)仏の座(ほとけのざ)菘(すずな)蘿蔔(すずしろ)これぞ七草」昔の人はよく考えたものだ。

 

 

 

 

年末から「現代海上保険」という本を読んでいる。以前途中まで勉強して挫折した分野だ。前回は保険からではなく英文契約書からアプローチして契約書の英文の内容のみ理解しただけで終わった。今回は正面から挑戦する。

 

 

同書に「危険」を表す英単語のペリル(peril)ハザード(hazard)リスク(risk)の違いについての記載があった。

 

同書にはこんな例が記載されている。洪水の可能性がある河川の土手に建てられた家屋を想定する。「事故である洪水がペリル、家屋が河川に近接していることがハザード、そして洪水が発生する可能性(機会)がリスクである」と説明している。

 

 

併せてこんなことも書かれている。「保険者がある一定のリスクを引き受けるべきか否か、また引き受けたリスクにいくらの保険料を課すかを決定する際にはハザードについて斟酌することが重要である。ハザードは物理的ハザードまたは道徳的ハザードのどちらかでありうる」とある。

 

 

さらに物理的ハザードは保険の目的物の物理的または有形的な側面に関係し、道徳的ハザードは人の態度および行動に関係する」とあった。

 

 

3つの「危険」ペリル、ハザード、リスク。損害保険会社に在籍した人間として言葉の使い方にもう少し神経質になるべきだと感じた年明けである。