秋の議会の報告を済ませるまでにずいぶんと時間がかかってしまい、すみません。

 

10月15日の決算特別委員会最終日では、各会派が決算に対する賛否と意見を述べる機会がありました。

 

私が発言した内容を以下にご紹介します。

赤字になっているところは、今までのブログで紹介した質問内容のリンクが貼ってあります。

 

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市民ふくしフォーラムとして、2017年度一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計および後期高齢者医療会計の決算の認定に反対し、意見を表明します。

 

地域で安心して暮らせる社会を実現するために必要なことは、数値では測れないことが多くあります。財政的効果という見えやすい成果に目を奪われて、地域のつながり、暮らしやすさを奪うようなことがあってはなりません。

 

地域づくりに向けてのいくつかの課題を例示しますが、ひとつには、出張所の廃止や証明書交付の方法の変更のことがあります。

これらの仕組みの変更は、制度的に課題が指摘されながら始まったばかりのマイナンバーのカードに頼って進められましたが、それはあまりに拙速すぎました。これは「効率」という言葉を前にして区民の地域生活を後回しにした象徴的な問題です。

 

ふたつめとしては、高齢者の住まいの問題です。

ご高齢の方が地域で安心して暮らし続けられる環境を実現するためには、まず現状として、介護の必要性以外の生活ニーズで老人ホームに入る方が多くいる現状、特に中低所得の人では老人ホームの選択肢を考えた時に練馬区以外に移らざるを得ない現状について十分分析し、解決方法を検討していく必要があります。

 

3つめに勤労福祉施策についてです。

勤労福祉会館は、勤労福祉施策を実施すること、また区民の活動に対する貸し部屋の提供という役割を持っていますが、駅に近く、多くの区民が利用しています。しかし2階建てのこの建物にはエレベーターがついておらず、車いすを利用している人は一人で2階に上がることができません。

非正規労働が増えている今の社会の中で、労働者同士のつながりは薄れ、権利侵害されていても解決が遅れる場合が増えています。そうした現状を踏まえた区としての勤労福祉施策の充実を検討するべきですし、障害者雇用の当事者である方が勤労福祉施策を利用するためにも、区民の幅広い活動の保障のためにも、早急に勤労福祉会館のバリアフリー化を進めるべきです。

 

生活困窮ははた目には見えづらい課題になっており、生活課題を抱えていても誰にも気づかれず孤立する人が多い時代です。そうした課題にいちはやく気づき、寄り添うことが基礎自治体の大きな役割といえます。そのためには、目に見えやすい成果ばかりにとらわれずに腰を落ち着けた区政運営が必要であることを指摘して、以下、各款について意見を述べます。

 

犯罪被害者支援は、かつてより相談件数が増えているが、区内の犯罪認知件数と比較すればいまだ十分とは言えない。過去の犯罪被害で長く苦しむ人へのサポート体制の検討も含め、より体制の充実をめざすこと。

性暴力の被害にあった人についても、ワンストップセンターの紹介だけではなく、長く続く苦しみに寄り添うことのできる体制の充実、情報提供の工夫を進めること。

・マイナンバーカードの交付枚数が伸び悩む中で、それに頼って自動交付機を廃止したことは拙速であった。証明書発行について改めて対応を検討すること。

リサイクルセンターの利用率を上げるための工夫を進めること。

・勤労福祉会館において今の時代に応じた勤労福祉施策を充実させ、バリアフリー化も早急に進めること。

・区内の老人ホーム等の実態把握を詳細に進め、福祉的視点からの連携と区民への情報発信を行なうこと。

自殺対策をすすめるにあたっては、区民の相談を日々受けている支援者の意見を聞く機会を充実させること、また多機関との連携、支援者の支援などの体制づくりを進めること。

成年後見制度は、当事者をチームで支援できる体制の充実に向けて取り組みを進めること。

ユニバーサルデザインのまちづくりを進めるにあたっては、区民の参画の機会を十分に作ること。

手話を言語として保障する取り組みを、区の施策・学校教育施策で進めること。

セクシュアルマイノリティの当事者である子が安心して学校生活を送ることができるよう、教員の研修の充実、児童生徒が相談できる場の整備と情報提供の工夫を進めること。

若者サポートステーションが若者の役割を見出す場、居場所、家族支援、地域とのつながりづくりといった幅広い意義があることを重視して取り組みを進めること。

・保育の実施形態の多様化の中、こどもたちが安心して健やかに成長できる環境を保障するため、保育の質の向上に向けたより一層のサポート体制の充実を進めること。