10月1日の決算特別委員会、こども家庭費の質疑の際には若者サポートについて質問しました。

若者でも障害のある人でも生活困窮者でも、「就労支援」と銘打たれると、どれだけ早くたくさんの人が就職できたかという、目に見えやすい成果ばかりが評価されがち。


でもまずは、様々な生活上の困難を抱えてきた方が、役割や居場所を感じられて、楽しく生きていかれるようになることにじっくり時間をかけることが大事だし、そこにしっかり時間をかけることが長い目で見たら有効な就労支援につながるのではないかと考えて質問しました。

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〈かとうぎ桜子〉

若者自立支援事業経費について伺います。

区内で若者サポートステーションがスタートしてから、2017年度で5年目ということで、いくつか伺いたいと思います。

まず、教育要覧を見ますと、延べ利用人数と進路決定者の人数だけが記載されています。この数字だけでは見えない、若者サポートステーションの役割があると思うのですが、改めて、区として若者サポートステーションの役割、意義をどう捉えているかをまず伺います。

 

〈青少年課長〉

ねりま若者サポートステーションですが、平成25年6月に厚生労働省が実施する若者サポートステーションを誘致したところです。

働くことに踏み出したい若者たち、15歳から39歳を対象に、若者たちに向き合い、本人や家族の方々だけでは解決しがたい働き出す力、それを引き出して、職場定着にするまでをバックアップする支援機関です。

数字的には、毎年100人以上の就労をつなげており、若者が社会に参加し、働き、社会をつくり上げる地域に必要な主体の大事な一つだと考えているところです。

 

〈かとうぎ桜子〉

若者サポートステーションが行っているSNSなどでの発信を見ていますと、そこに参加されている方たちの息づかいが感じられて、単に就労訓練をこなしていくだけではない、仲間とのつながりづくりや、さまざまな体験の積み重ねの場であると感じます。

若者サポートステーションで毎年報告書をまとめられていますが、2017年度の報告書の中には、「学校や職場といった所属をなくしたことで、行き場を失った若者たちにとっての地域の中のもう一つの学びの場である」という記載があります。

仕事をすることは、稼ぐためだけではなく、その人にとっての役割や居場所ができるという意味も大きいということを改めて考えさせられました。

利用される方の居場所となること、その人の役割をともに考えるというところが、若者サポートステーションの大きな意味ではないかと思います。その点について、区の考えをお聞きします。

 

〈青少年課長〉

若者サポートステーションでは、基本的には就労に向けたさまざまなプラグラムです。コミュニケーション講座や学び直し、キャリアセミナーとか、資格取得のさまざまな講座を実施しています。

そういったプログラムを実施する中で、同じような境遇の若者たちが、ともに学び、各自それぞれ目標がございます。それに向かって取り組んでいるという仲間意識が芽生えて、励まし合うなど、本当に若者たちの学びの場の居場所であり、居心地のいい場所というところになっているところです。

 

〈かとうぎ桜子〉

それで報告書を見ていましたら、2017年度は、「以前から実施したいと考えていた家族懇談会が実施された」という記載がありました。

困難を抱えた若者へのサポートには、家族への支援も重要と考えますが、どのような形で実施されたのか、また区としてどう捉えているか、お聞きします。

 

〈青少年課長〉

昨年度は家族セミナーを数回行っていまして、後半に家族懇談会ということで、保護者も自立で悩む子どもたちを前に悩んでいるところで、孤立していることが多くございます。

同じ悩みを持つ家族同士がつながりを持てて、また悩みを共有することができて、少しでも穏やかな気持ちで過ごせる時間が増えていくという声もございまして、意義ある家族懇談会だと考えているところです。

 

〈かとうぎ桜子〉

当事者の方も、ご家族も、そこの場を拠点として、地域とのつながりが広がっていくということは、とても大事かなと思います。

インターンシップという形で地域との連携も実施されているようですが、その状況をお聞きしたいということと、あと、若者サポートステーションを卒業された方とのつながりは、どのようにされているのかを伺います。

 

〈青少年課長〉

昨年度のインターンシップの参加人数は、延べ147名でした。主に区内の介護施設、販売業者、建築業者の事務、製造業、あとは区の公共施設の図書館や児童館など、さまざまな施設でインターンシップを実施しているところです。

また、就労した後の若者のフォローですが、その後のキャリアアップの相談とか、その職場でずっと働き続けることの悩みを聞いたりしています。そしてアドバイスをしているところです。また就労後1年ぐらいに、はがき等で、その後の状況を追跡調査しているところです。

 

〈かとうぎ桜子〉

それから2017年度に利用された方の性別の割合が、男性63.4%、女性36.6%ということです。これはこの歳に限らないことだし、練馬以外の地域でも同じような傾向で男性が多いという状況があるのですが、若者サポートステーションにつながりづらい女性へのサポートについては、区として他の施策との連携など、どのように進めているか伺います。

 

〈青少年課長〉

女性が相談しづらいという話は、私ども直接聞いてはございませんが、約6割の方が男性です。

ご相談いただければ、訪問したり、自宅近くのところで相談を受けたり、また、家族セミナーでは各出先の機関で、いろいろと実施しているところです。

相談者の状況に応じて、男女共同参画センターえーるとか、学校教育センター、さまざまな機関と連携して、適切な相談体制を充実しているところです。

 

〈かとうぎ桜子〉

この事業は、狭い意味での就労訓練にとどまらない、地域とのつながりづくりや仲間づくり、居場所づくりといった幅広い取り組みをしていく必要があると思います。

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もう一言、まとめの発言をしたいこの時点で時間切れ汗


男女比は全国的に見ても6〜7割が男性という傾向にあります。では女性のほうがニーズがないのかといえば必ずしもそんなことはなくて、だからこそ練馬区でも男女共同参画課では若い女性へのサポートの取り組みをしています。(詳細は以前私が質問した際のブログの記事をご覧ください。)

それは若者サポートステーションのやり方に不備があるからではなく、その人に合わせたメニューの多様性が必要だということだと思いますので、若者サポートステーションを所管する部署として「女性が利用しづらいかどうかは知らん」というのではなく、若者サポートステーションにつながっていない人には違うアプローチがあり、連携が必要なのだという認識を持って取り組んでいっていただきたいと思いました。