書記素ー音素変換規則は存在しない | 最適性理論(音のストリーム)で英語を覚える

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門田氏は人間が文字を見て意味を理解する場合には文字をダイレクトに理解する場合と文字を音に変換して理解する場合があり、第二言語の場合には文字の音韻変換が優先されると断定しています。



これは6月30日に大石氏の脳の研究により、そのようには断定できない事を書きました。



それでは文字を見て音韻変換をどうするかと言うと、門田氏は書記素ー音素変換規則に基づき音韻ループで音韻性符号化すると説明しています。



もしこれができると音声を聞いた情報も、文字みた情報も音韻に変換され、同じメンタル・レキシコンが使える事になります。だから音読は黙読している場合でも意味理解を自動化できることになります。



これが事実なら、音読が英語学習のほとんど王道と言える方法かもしれません。



しかし、英語の文字からつまり書記素から音韻に変換できるのでしょうか。フォニックスは英語の文字と発音の関係を学ぶものですが、その綴りと発音の関係でも、大目に見て75%くらいしか説明できておりません。



文字と音韻の完全なルール化ができなければ書記素ー音素変換規則は完全に機能はしません。



英語の長い歴史からみても他の欧州言語の影響を大きく受けておりますので、英語のスペルと発音のすべての関係を規則で完全に説明はできません。



それ以上に音声には音声学で言う正しい音素が存在しません。門田氏は大変多くの音響工学や大脳生理学、音声学の用語を使っていますが、音素と言う単語を軽率に使っております。



化学の元素は大変に科学的な用語ですが、音声学の音素は科学的な用語ではありません。それは元素は科学的に定義できますが、音素は架空の音、概念の音であり物理的に定義はできないからです。



音素とは音声を説明するのに便利な概念であるだけで、今だにだれも音素を音響工学的に定義した人や団体はおりません。それはできないからなのです。



発音の教材では30音とか43音とか言う人がおりますが、英語の本国である英国の音声学学会でも音素は44音と言う人も、45音と言う人もおり、音素は科学的に定義も特定もされていません。



そのような非科学的な用語を科学的な説明に使っては、全ての説明が非科学的になります。



もし書記素ー音素変換規則が存在したとしても、人間は訓練をすれば1分間に数千ワードから数万ワードを読む事ができます。その1分間に数千から数万ワードの書記素から、音素変換規則を使い音韻変換するのは、人間でなくとも高速のコンピュータを使っても無理だと思います。