オープン以来通っている白金のフレンチレストラン『La clairirere(ラクレリエール)』。私のブログを見て、訪問された方も多いと聞いています。素敵なレストランなのでまだ未訪の方は行っていただきたいと思うのですが、いいレストランであることを象徴するかの如く、今回は以前ご一緒した友人たちから再訪リクエストがあり食事会を開催することになりました。

 

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グレーのスタイリッシュな外観に緑の植栽。店名の由来である「森林に降り注ぐ陽の光」の通り、昼時は緑の木々を通じて、優しい光が差し込む空間になっています。オーナーシェフの柴田秀之氏もここがとても気に入っているらしいです。私も初訪問はランチでした。以来ディナーばかりなので久しぶりに、たまにはランチにでも行ってみようかしら。

 

 

今回は海外の友人と関西方面の友人たちからほぼ同時にリクエストがあり、それなら合同食事会だ!と予約したところ、お店のご好意でも貸切にしていただきました。感謝🎵

 

普段はメニューがありませんが、貸切会ということで珍しくショープレートにメニューが添えてありました。ここには「一皿一皿に、喜びと感謝を込めて」と書いてあります。

 

オーナーシェフの柴田秀之氏は、シェフの中でもストイックでアツい男のひとりであることは間違いありません。いつも凝縮した素敵な食事を作ってくださりありがとうございます。あ、今更ながらですが北海道生まれ、モナリザのご出身です。

 

『ラクレリエール』はこじんまりした瀟洒なレストランですが、グランメゾンクラスの食材を用意してくださいます。いつもはホール担当の皆さんがご説明してくださいますが、この日は貸切ということで柴田シェフ自ら食材の説明をしてくれました。すでにここから熱かった!

 

柴田シェフがそれぞれ厳選した食材たち。私が知っている限り、アスパラガスやオマール、鮎はオープン当初より良く使用される食材ですが、ここ数年、荒間鶏という老鶏を使われています。これはサスティナブルな取り組みの一貫でもあり、せっかく大切に育たれられた鶏が廃棄されてしまうことに憂いたシェフが、使い方を研究し自身からアイデンティティーを象徴する料理として作られています。出前の鮎はこの段階で泳いでました!

 

柴田シェフは春先にはリムーザンの仔牛を好んで使われます。真鯛も多いかな。この日は多分日本に入ってきて最速でレストランに届いたであろう立派な黒トリュフもご用意いただきました。食材に関していえば、昔から好んで使用されている食材もありますが、星を獲得してからがらりと食材が変わりました。またここ2年くらいでしょうか。小麦や砂糖なども一新し、よりクリアで体にも負担のない食材を使用されています。味って食材で本当に変わる。粉や砂糖を変えた時にその変化をすぐに感じたほどです。

 

エクレア M.NODA

ブーダンノワールと非加熱ハチミツ"エイプリル2022"

パティシィエの野田さんが作られたようですね。今まではブーダンノワールのミニバーガーだったのですが、パティシィエが作るアミューズブーシュはエクレアに。可愛らしさもプラスされ、またクリームにはカルバドスが少し入って格段に風味も増します。さらにはロングペッパーで軽い刺激も。非加熱のハチミツも入り、また今まではトマトなども入っていたのですが、リッチ感も増し、ブーダンノワールの苦手な方でも美味しくいただげる味わいに。

 

 

グリーンピース"ピゼリ"

エストラゴン風味のムースとボタンエビ

最初から豪勢にオシェトラキャビアを使ってくれました。下にはボタンエビのタルタルが隠されています。グリーンピースの甘みのあるムースにはエストラゴンのアクセント。ベルガモットの泡で爽やかな味わいになっていました。

 

泳ぎアユ

クレソンとささ茶のクーリ 南高梅のエミュルション

私が一番最初にこのお店を訪れた時にいただいたのが、鮎の料理でした。柴田シェフは鮎を各パーツに解体した、まあ手の込んだスペシャリテをお持ちですが、これは違うバージョン。まるで泳いでいるかのような感じですね。

 

パートブリックを巻き、揚げています。コニックビネガーを使い爽やかな仕上がりに。ソースはクレソンとささ茶とレモングラス。鮎の頭にティムットペッパーとマニゲットペッパーを添えていました。柴田シェフは鮎を頭から食べるであろうというフィーストインプレッションを大事にし、ここに少しインパクトのあるペッパーを乗せているの思います。頭にペッパーを添えることで鮎の味わいを引き出しているわけ。この鮎は柴田シェフの出身地で栽培している笹茶の風味でいただくこというものでした。今頃はあの手の込んだスペシャリテも始まっているかと思いますので、是非柴田シェフ本来の鮎のスペシャリテも召し上がって見てください。

 

真牡蠣51℃

小長井 華蓮

ここの所シェフが気に入って使っているシングルシードの牡蠣です。1粒ごとに種苗をバスケットに入れ、定期的に交換するという(☜これを聞いた時には、「は?まじ?」と思いました)、丁寧に作られた牡蠣は、栄養をたっぷり吸い込み旨味が強い。殻から外し、51℃で火を入れ最後に鶏の出汁をかけてさらに牡蠣の旨みを引き出しています。

 

 

オープン当初より変わらず使っているルクセンブルグから届いたバゲット。

バターとオリーブオイルでいただきます。

 

竹の子

物集女の朝ぼり 毛蟹と生うに

筍というシンプルでもあり贅沢な食材ですが、筍をソテーとムニエルにして出してくれました。ソースはオマールの出汁に牛乳という贅沢なもの。泡のフォームで優しくその味わいが楽しめます。これだけで食べても確実に美味しいやつ。これに毛蟹と生ウニのリゾットが仕込んで、筍をいただくたびに、それぞれの旨みがお寄せてくるという超リッチな味わい。食べ進たびに味わいの変わるという柴田マジックにハマってしまう料理ですね。

 

荒間鶏

クレリエール風ドゥミドゥイユ仕立て

ラクレリエールのサスティナブルな取り組みとして、ごきげんファームという茨城県の養鶏所で廃鶏となった鶏を使った料理にも取り組んでいます。そんな中で生まれたのがエフィロシェ。今回は縮緬キャベツとうるいを合わせ、ドゥミデゥイユとで仕上げてくれました。力強い鶏だけに合わせる食材もキーとなるため、負けない力強いトリュフを使っています。実はこちら。当日成田空港から卸を通さず届いたというもの。日本に入ってきたものの中で一番フレッシュで力強い香りをまとった黒トリュフともいえますね。

 

肉も少し細かくほぐし、バンジョーヌとクリームで作ったソースが絡むように仕立てています。スライスしたトリュフとこれらの鶏の身が程よく一緒にまとまるような感じで。トリュフはスライスですがその香りも力づく、この鶏って確か硬いんだよね・・・なんていうことをすっかり忘れて食べてしまった料理でした。

 

 

藤本さんの真鯛

ペルノー風味のソースシャスール

今治の漁師藤本純一さんがイケゴシで〆た真鯛を3日間ほど寝かせた皮目をしっかり焼き、シャントレルを合わせたソースで。むっちりと力強い真鯛でした。

 

 

ヴォローヴァン"ランヴェルセ"

オマールブルーとボルディエバター ソースフィナンシェール

 

こんな何層にも重ねたパイ型を作り、この中に具材を入れて仕上げていきます。

 

 

パイの中には根セロリのピュレを仕込み、ボルディエバターでソテーしたオマールブルーを上に重ねていきます。ここに牛のアキレス腱ををとろとろにして。ソースはフォアグラでとろみをつけたフィナンシェールで、贅沢な仕立てに。パイのバターの味わい、濃厚なオマールブルーの味わい、そしてソースと、後から後から旨みの押し寄せるリッチな味わいが広がります。

 

 

清水果樹園 甘夏

ガスパチョクラリフェ

バターやフォアグラを使ったリッチな料理の後は、ガスパチョ風の爽やかな料理で。お口直し的な感じでしょうか。4月に伺ったので終わりの頃でしょうか。冬が旬だというトマトの間には、根セロリやサフラン風味のクスクス、甘夏などを挟んでいます。最後に甘夏とトマトエキスに月桂樹のオイルを加えたコンソメをかけていきます。甘夏とトマトの風味で爽やかな味わいに。

 

 

アスペルジュブランシュ

釜揚げとコンソメ仕立て

柴田シェフの料理にホワイトアスパラガスのグラス仕立ての料理がありますが、これは路地もののアスパラガス。運ばれてきた瞬間から香りがたちのぼるほど力強い味わいを活かし、今年新たに取り入れた料理とのことです。2種のバリエーションで。

 

先端の部分はシンプルに塩で茹で茹でたもの。これだけでテーブルにアスパラガスの香りが広がるから凄い。食べる前から期待値が上がります。香り同様味わいも濃厚で口の中いっぱいに旨みが広がります。

 

茎の部分は鴨とジビエで作ったこれまた力強いコンソメを使い仕立てに。上には柚子を散らし華やかな仕上がりになっていました。

 

 

リムーザンの仔牛は塊で焼いて。

 

仔牛は、しっとりとしなやかな焼き上がり。トルコ産のモリーユのソースが若々しい味わいにマッチし、お肉を美味しくするエッセンスとして活かされています。

 

ガルニチュールは、イタリアのエウガネイの丘にしか自生しないエウガネイというアスパラガス。味が濃く森のイメージが膨らむよう。他には旬のそら豆とルッコラの花のアクセント。

 

生姜

日向夏とジンジャーエール

ソルベやムース、ジュレ等で構成された軽やかなアヴァンデセール。

 

お花見

桜のリコッタとヴアシュランフレーズ

可憐な感じのデザートですね。メレンゲのカップの中には、苺をメインとしてリコッタチーズや日本酒で作ったアイスクリームとゼリーが添えてあり、ただかわいいだけじゃない。

 

ドライの桜の花が添えてあり、日本酒のニュアンスと共に和のエッセンスも加わり、たっぷりのフルーツで重くなく、大人の風合いにして昇華させていました。

 

 

4月に開催した食事会でしたが、5月生まれも3人いたため、お店のご厚意で合同誕生会となり、お誕生日ケーキやプレートもご用意いただきました。

 

野田シェフパティシィエのスペシャルバースデーケーキも。

 

これもたっぷりのフルーツが使ってありボリューム感あるリッチなものでした!野田さんありがとう😊

 

ミカフェートのコーヒーをいただきました。

 


全力で最高の食材の調達、そして素晴らしいお料理の数々、そして温かなサービスで充実の時間となりました。ありがとうございました!



【ラ クレリエール訪問記】

・2022年12月の6周年ディナー

・2021年12月の5周年ディナー

・2020年10月のディナー

・2019年10月のディナー

・2019年3月のディナー

・2018年6月のディナー

・2017年7月のディナー

・2017年5月のディナー

・2016年冬のディナー

・2016年夏のランチ

 

 

 

La clairirere (ラ クレリエール)

東京都港区白金3-14-10 ベルパラーゾシロカネ 1F

03-5422-6606

木曜を中心に月7回程度休み(詳しくはHPを参照)