6月下旬に伺った時のこと。柴田シェフがラベンダーと仔羊を使い

初夏のプロバンスをイメージした素敵なお料理を作ってくれました。

6月ともなれば、一面に紫の絨毯が広がる南仏。

青い空、そして紫のラベンダー畑が、私の頭の中で広がるとうっとりしてしまいます。

 

 

「一皿一皿に喜びと感謝を込めて・・・」。

シェフのそんな思いがよく伝わってくるレストラン『ラクレリエール』。

緻密で丁寧に作られたお料理が嬉しくて、

私の古くからの大切な友人たちを機会があるとお連れしています。

 

古い友人たちを連れて行くのは落ち着いた雰囲気で

何よりゆったりお話ができるからでもありますが、

何より、柴田シェフの料理の巧みさにあります。

料理は会話のエッセンス。

美味しい料理をいただきながらの楽しいおしゃべりは、何ごとにもかえられませんよね。

 

 

今回は、「MENU MERCI ─ 感謝 ─ 全12皿」をいただきました。

 

 

アミューズブーシュ

3種の盛り合わせです。

ブーダンノワールのプティバーガー、

パテドカンパーニュ、イチジクとコンテチーズ。

 

このブーダンノワールのプチバーガーはランチでもディナーでも必ず出てく

アミューズブーシュ。このブーダンノワールとトマトとバンズの三位一体を

ぱくっといただくと、ラクレリエールでの食事が始まった気がします。

 

 

 

トウモロコシの冷製スープ

最初にこのお店に伺った時に出てきたスープです。

夏になると冷製スープを作ってくれますが、この季節はトウモロコシ。

 

スープはムース、ひげや芯などで作ったゼリー、

そしてスープの三層になっています。

柴田シェフの凄いのは、奥や手前で濃度を変えていること。

一口飲んだ時、そして飲み進めた時のインパクトなどを考え作っています。

3種の濃度のトウモロコシが口の中で混じり合い

食べる場所によってちょっと違う味わい。楽しくいただけるスープでした。

 

そして一緒にいただくトウモロコシのサブレ。

こちらは蒸したもの、焼いたものが組み合わされ、リズミカルにいただけます。

上にかけられたのはコーヒー豆のパウダー。これは意外な組み合わせ。

甘く、ほろ苦い、夏を感じるスタートでした。

 

 

ルクセンブルグから届いたパン

このパンは危険です。

ついつい食べ過ぎてしまうのでいつも調節しながいただいています。

 

 

ドイツ産ホワイトアスパラガス 岩ガキ 51℃

この季節、柴田シェフはアスパラと立派な牡蠣をよく使われます。

今回はその黄金の組み合わせ。

立派な見えの牡蠣は51℃の湯にぐぐらせ良い状態に熱をいれます。

こうすることで牡蠣の角がとれ、生で食べる時よりりもミルキーな味が感じられます。

ここにあせたのは、パルメザンチーズのソース。

チーズと牡蠣のミルキーな味が相乗効果でより美味しくいただけました。

実は私はこれにはびっくり。

 

柴田シェフのお料理をいただいていると、

その素材のもつ特徴をあますとこなく知って欲しい。

そんな思いを感じます。

だから、素材からでるジュをスープにして出してくださることが良くあります。

今回は鶏の出汁でとった牡蠣のスープ。

いただくと、あの潮の香が凝縮された牡蠣の美味しいスープをいただけました。

 

 

赤城牛のタルタル

赤城牛を使ってタルタル仕立てにしています。

カリカリに揚げたポテトの下に牡蠣を少し忍ばせて。

 

最近ウニと肉とか牡蠣と肉とかいう組み合わせをされているお店も多いですが

こちらはタルタルと牡蠣のフリルという細かな素材を組み合わせ、

山と海のうまみが融合した一皿。揚げたジャガイモのパリパリ感がアクセント。

 

 

長野県産グリーンアスパラ 舞鶴の黒鮑

立派なアスパラガスはしっかりした甘味とアスパラガスの香りを感じます。

 

三陸産の鮑は柔らかく仕上げてあり、

オランデーズソースと鮑の肝のソースがバランスよく調和します。

ボルディエバターの風味も豊かでリッチな素材はリッチに仕上げに。

 

 

ブルターニュ産オマール

リゾット添えか?と思いきやこちらもシヴェソースでリッチに仕上げてある

テットドコションが敷かれています。上にはブルターニュ産のオマール海老。

そしてウイキョウとアーティチョークが添えられています。

オマールのソースはテットドコションに負けず、バランスよく仕立ててありました。

 

 

鰻のマトロットのフラン

いい香りと共にかわいい器が運ばれてきました。

中をみたら、たっぶりのトリュフにぴっくり。

写真ですと分かりにくいかもしれませんが本当にたっぷり。

 

マデラ酒などで甘く味付けされて柔らかく煮こまれた鰻は

フランと一緒にいただくふっくらふくよかな味わいに。

これにサクサクとした食感のトリュフのアクセントが加わり

噛むたびに香りが広がります。かなり贅沢な一皿。

 

 

クエのポワレ キャベツのマリニエール

しっとり火の入ったクエは表面にしっとりと水分を残しうまく火が入っていました。

皮目はボルディエバターで焼かれ、口に入れるとクエのしっかりした味が印象的。

キャベツはさっと魚介の出汁でしょうか。

マリニエールされ、クエにしっかりした甘さを加えます。

見た目はシンプルなお料理ですが、素材がそれぞれの個性を生かしあった一皿。

とても美味しくいただきました。

 

 

羊だというので赤をチョイスしていただきました。

 

 

シストロン仔羊とラベンダー

今回の主役は柴田シェフがココットごと持ってきてくれました。

ラベンダーも添えられていい感じ。

 

ストウブの重いふたを開けると、

中でしっかり香りたつラベンダーと仔羊のいい香りが漂います。

お肉ははシストロンの仔羊のアニョーのラムラック。

 

 

このお料理は南仏ではよく作るということですが、

初夏を告げるラベンダーで仔羊の美味しい季節を演出してくれました。

なんともロマンチック!!

 

 

南仏の初夏が頭の中いっぱいに広がった後は、美しく盛り付けてくれました。

お肉はしっとり柔らかく、そして仔羊の旨味がぎゅっと凝縮したように。

サンジョルジュやジロールなど香り豊かな茸も添えられ自然を満喫している感じ。

料理で幸福感を感じるのは美味しいのはもちろんのこと

そこからいろいろなインスピレーションや記憶が呼び覚まされる時。

この日は一気にプロバンスに連れて行ってもらったようで本当にワクワクしました。

 

 

今回は古くからの友人のお誕生日。

この食事のメールをしていたのは5月末。

友 「食事に行きましょうよ~。お誕生日だし」

私 「私の誕生日は5月だからもう終わっちゃうよ」

友 「いやいや、僕の誕生日」

私 「女子が男子の誕生日を祝うんか?」

昔から繊細で緻密な友人はインテリである意味私よりもきめ細か。

バブリーな私は女性が男性の誕生日を祝ってあげるって何事!?

という感じですが男前な私はしっかりバースデーをお祝して差し上げました。

来年は私のお祝もしてよね~!

二人でお祝いして、ラ クレリエールの美味しいミルフィーユはお土産となりました。

お誕生日おめでとう~。長い間仲良くしてくれてありがとう。

 

 

桂花陳酒 グレープフルーツ ライチ

ちょっとオリエンタルなアヴァンデセールが登場しました。

ライチの甘い香りとふくよかな肉感。

 

 

ヌガーグラッセ

シェフがこういうヌガーグラッセがあってもいいかなと思って作ったと。

ドライフルーツのヌガティーヌにチョコレートのエスプーマ。

そして上には液体窒素で瞬間冷却した生クリームが散りばめられています。

食べた部分のドライフルーツで味が変わり、

口の中にいれたひとくち一口が驚きとなり楽しいデザートでした。

 

 

パッションフルーツとヨーグルトのアイス

今日はパッションフルーツのフォンデュはあるの?と聞いたところ

今日はちょっと違う演出でと伺っていましたが、

2種のアイスクリームにメレンゲが添えられて登場しました。

 

 

今回はメインに一気に初夏の気分を味わわせていただきましたが

最後はマンゴーやパイナップルなど南国のフルーツで夏へバトンタッチ。

ライムで爽やかに仕立てられて終了です。

 

 

爽やかなデザートでしたので何か爽やかなハーブティーでもと思ったのですが

コーヒーが、なんとミカフェートになっていたのでこちらをいただきました。

引っ越しで忙しく10か月ぶりくらいに伺いましたが、こういうちょこっとした

ところが進化していて時間の流れを感じます。

今回はお店と私の時空、そして移ろう季節感の時の流れも楽しませていただきました。

シェフはいつも渾身の力を込めて料理を作ってくださいます。

今回も一皿ごとに楽しく美味しくいただきました。ご馳走様でした。

 

 

 

【ラ クレリエール訪問記】

・2017年7月のディナー

・2017年5月のディナー

・2016年冬のディナー

・2016年夏のランチ(光-¥5500)

 

 

 

家ラ クレリエール La clairiere 

東京都港区白金3-14-10 ベルパラーゾシロカネ 1F 

03-5422-6606 

11:30~15:30(L.O.13:30) 18:00~23:00(L.O.21:00) 

月曜定休

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ラ クレリエールフレンチ / 白金高輪駅白金台駅広尾駅
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