藤に不如帰/MIMIZUQ
1. 藤に不如帰
前作「ケサランパサラン」から半年ぶりとなる、MIMIZUQのデジタルシングル。
本作は、Dr.楠瀬“poco”拓哉さんが作曲を担当。
Vo.森 翼さんが歌うことを意識して、彼のために書いたという新曲は、ピアノがピックアップされた卒業ソングとなっています。
これまで、MIMIZUQで作曲する機会が少なかったpocoさんですが、"春"の楽曲には一過言あるわけで。
紅白出場バンド・Hysteric Blueのメインコンポーザーが、満を持して送り出すシングルと言えるのかもしれません。
本作は、ピアノと歌が主体で届けられたシンプルな構成。
森さんの歌声への信頼が感じられる、純粋で美しい楽曲に仕上がっています。
バンドサウンドは一切排除されており、ともすればMIMIZUQとしてリリースする意味を問われそうな挑戦ですが、この楽曲にはこのアレンジがベスト、という判断ができるのは、メンバー全員がアレンジャー、プロデューサーとしての視点も持ち合わせているからこそなのだろうな、と。
合唱アレンジにして卒業式で歌われる映像が想像できるし、将来的に音楽の教科書に載っても良いのでは、なんて思ってしまいますね。
透明感があって切なさを引き立てていながら、力強さも持ち合わせる翼さんの歌声は、別れの季節の感傷にベストマッチ。
この時期を狙ってリリースするならバンドサウンドでなくても「藤に不如帰」だ、となった理由は一度聴いてみれば理解できるはず。
<過去のMIMIZUQに関するレビュー>