ずっと好きでした/MIMIZUQ
1. ずっと好きでした
2. Grand Guignol -Instrumental-
CASCADEのTAMA、Psycho le CemuのAYA、seek、ex-Hysteric Blueの楠瀬タクヤというメンバーが揃ったMIMIZUQ。
本作は、ライブ会場限定でリリースされ、その後、通販でも購入可能となった1stシングルです。
1stライブに合わせて制作された名刺代わりの初音源。
そりゃ、代表曲になり得る楽曲を切ってくるでしょ、といったところなのですが、発表されたのは"MIMIZUQが奏でるナミダミュージック"というコンセプトに恥じない、切ないナンバーでした。
メンバーの経歴を見渡しても、どのバンドの属性とも異なる系統で驚かされる。
一方で、この耳に残るメロディラインは、どのバンドにも共通していたのかな、とも思うので、使い古された言い方をするのであれば、これがバンドの"化学反応"なのでしょう。
軽やかにリズムを刻むベース&ドラムに、インパクト重視で印象的なフレーズを奏でるギター。
キラキラした同期も重なって、耳馴染みの良いセツナポップに。
どこかフレンチポップス的なお洒落要素も感じ取れて、これはなかなかのキラーチューンですね。
ほどよく疾走感もあるので、案外、ライブ映えもしそう。
サビからスタートするわかりやすさも手伝って、どこに配置してもしっくりきそうな万能感があるのです。
作詞・作曲はGt.AYAさんが担当。
楽器隊全員がコンポーザーになる資質を持っているため、更に色々な引き出しを隠し持っているはずですが、確かにVo.TAMAさんのキュートという形容が当てはまる特徴的な歌声には、彼のポップセンスがハマるのかもしれません。
カップリングの「Grand Guignol」は、同じくAYAさんが作曲をしたインストチューン。
ミミズクの鳴き声からスタートする5分以上あるミディアム調の楽曲で、ボーカルを入れてバラードに仕上げても良さそうな構成。
タイトルの"残酷劇"的な要素はあまり感じられないのだけれど、ヴィジュアルイメージから見て、もっとプリミティブな見世物小屋という意味で使っているのかしら。
もしかすると、彼らの世界観を紐解くヒントがあったりして。
本作を出した後、配信シングル3部作を連続リリース中の彼ら。
やや小出しでの音源発表となっているため、まだまだ全貌は掴み切れていませんが、最初の1曲で期待感を煽ることができたのは大きいはず。
個人的には、かなりツボでした。
入手方法が限定的なのはもったいない気もしますが、聴いておいて損はないと思わせる1枚。
<過去のMIMIZUQに関するレビュー>