孵化/MIMIZUQ
1. 孵化
2022年の第一弾となる、MIMIZUQのデジタルシングル。
Vo.森 翼さんが加入してからは、3曲目となるポップチューン。
"MIMIZUQ"というバンド名に対して、「孵化」というタイトルは、まさにリスタートを意味しているようで、この曲に込めた想いの強さを感じずにはいられません。
新体制初のワンマンライブにて、"Introduction"を公開。
本作は、そのフルコーラスヴァージョンということで、温めてきた楽曲が、ここにきてようやく世界に飛び出したといったところでしょう。
森の中を走る、"時巡りの列車"。
様々な景色や想いを通り過ぎ、人々が乗り込んでは降りていく。
その中で、彼ら見たい景色、切望する想いをコンセプチュアルに表現したのが、この「孵化」とのこと。
人生を彷彿とさせる"時巡りの列車"は、第二期MIMIZUQにとって、今後も重要なキーワードになってきそうです。
"立体音響的シルキーボイス"と称される森さんの歌声は、柔らかく、抱擁感あり。
ファルセットを使った表現も、その柔和な空気に馴染んでいて、いつもながらではあるものの、癖になります。
音数としては、シンプルに絞っている印象。
その中で最大限にメロディを引き立てようとするサウンドワークは、さすがの一言で、音を詰め込み過ぎないことで生まれる空間や余韻が、メルヘンチックな世界観とマッチする淡い色彩を生み出していました。
ただありがちなポップソングを量産するわけではなく、しっかりとMIMIZUQだからこそのオリジナリティを意識させる仕上がり。
4人の個性が、次はどんな可能性を見せてくれるのか、楽しみになる1曲です。
<過去のMIMIZUQに関するレビュー>