法に触れたキス/CLOSE
1. 法に触れたキス
デビュー記念日である2月24日にリリースされた、CLOSEのデジタルシングル。
とにかく、「法に触れたキス」というタイトルのインパクトよ。
テーマ的には、2022年にはやや共感を得にくい部分もあるのでしょうが、それもそのはず。
まだインディーズで活動していた1998年時点でライブで披露されていた楽曲なのです。
これまで音源化はされておらず、幻のナンバーとなっていましたが、再結成により24年の時間を経て、遂にドロップとなりました。
ずばり、当時のイメージに近いCLOSE節。
古臭さもそのまま引き連れてきている感はあるものの、だからこそ、たまらない音楽がここにある。
サビに向けて盛り上がっていく展開や、ほどよいテンポ感の中で切なさを強調するメロディー。
一度耳にしただけで、すっと馴染んで覚えてしまうキャッチーさに、あの頃の良さをそのまま伝えているのだな、と感覚的に理解できるのではないでしょうか。
そして、透明感に渋さが加わったVo.NAOHIROさんの歌声。
現役時代のアレンジと聴き比べることが出来るわけではないので、推測にはなってしまいますが、おそらく、現役時代よりもハマっているはず。
どこかアダルティな香りを纏っている楽曲と、年齢を重ねて熟成されたヴォーカリゼーションの相性の良さ。
結果論ではあるけれど、未発表のまま温めていたことが、ここにきて奏功したということでもあり、なんだか運命を感じてしまいますね。
なお、アートワークは前作に引き続きdefspilal、NUL.のGt.MASATOさんが担当。
ミステリアスなジャケットが、世界観を深めています。
いや、もう、これを待っていた、という1曲。
再始動後の第一弾シングルとなった「想」にしっくりこなかったとしても、本作を嚙ませることで、絶妙なクッションになるのでは。
<過去のCLOSEに関するレビュー>