想/CLOSE
1. 想
2. One in a Million
20年ぶりに再集結したCLOSEのデジタルシングル。
2001年1月14日に惜しまれつつも解散した彼ら。
それから、ちょうど20年後となる2021年の同日、再結成が発表されました。
本作は、復活後第一弾となる作品。
ジャケットは、defspilal、NUL.のGt.MASATOさんがデザインを担当しているようです。
大きな一歩となった「想」は、インパクト重視のギターのフレーズがたまらないミディアムナンバー。
繊細なメロディも、シンプルな演奏で最大の演出的効果を出してしまうアレンジセンスも、あの頃のままで、ワンコーラス聴いただけで目頭が熱くなってくる。
Vo. NAOHIROさんの歌声は、年齢を重ねて、より深みが出ていますね。
少しハスキーな声質になったかな、という印象ですが、透明感がなくなったわけではなく、武器をひとつ増やした形。
大人びた雰囲気のあるこの楽曲には、今のCLOSEによるアンサンブルが、もっともしっくりくるのでしょう。
アウトロの余韻もたまりません。
カップリング扱いになる「One in a Million」は、スケールの大きいロックチューン。
こちらもテンポはミディアム調なのですが、切なさを感じさせる「想」に対して、開けたメロディで壮大さを演出しています。
円熟した演奏による安定感は抜群で、メリハリのつけ方が感覚的に染みついているかのよう。
音を聴くだけで、信頼感が伝わってくる1曲でした。
さすがに王道的なヴィジュアル系っぽさは薄まった感はありますが、CLOSEらしさは失わず。
むしろ、強みを増やして、あるいは更にレベルアップして帰ってきたといったところで、間に20年もの歳月が流れているのが信じられないほどですよ。
一度は大量に消費されるJ-POPの中に埋もれてしまった彼らの音楽。
この再結成によって、再評価されることを願ってやみません。
<過去のCLOSEに関するレビュー>