赤いラブレター/生憎の雨。
1. 赤いラブレター
生憎の雨。としては久しぶりの新曲となるデジタルシングル。
夕暮れガールスーサイドが始動してから、活動ペースは落ちた印象ですが、生憎の雨。としての活動も並行していくことを示す1曲。
さらりと聴く分には、メルヘンチックで可愛らしさすら感じるポップチューンと言えるでしょう。
チープなシンセのサウンドを前面に押し出しており、それがなんともドリーミーな世界観を演出。
一生懸命にバンドを追いかける女性の心境を、等身大で描いています。
少し歪なのだけれど、その居心地の良さに見て見ないフリを決め込むような、倒錯的な夢見心地。
音楽を聴いてから、ジャケットを見ると、その裏の顔が見えてくるようでゾッとするのでは。
歌詞にあるB5のノートというのが、このジャケットなのでしょうね。
言葉で聴く分には健気な印象が強まるフレーズも、実物を見ると180度印象が変わります。
上手いのが、"すき"という文字を書き続けているうちに、"死"という文字にも見えてくるということ。
狙っているのか、偶然なのか、狙ったうえでのレタリングであれば、これは絶妙すぎますよ。
結局、具体的なストーリーがあるわけではないのだけれど、だからこそ自分に当て嵌めやすい。
ここまで極端な例はひとにぎりだとしても、出来るだけ多くのリスナーにぶっ刺されという貪欲さが感じられました。
愛のカタチは人それぞれ。
バンドに心底惚れ込んだ経験さえあれば、最後の一節だけには共感できるのかも。
<過去の生憎の雨。に関するレビュー>