終雪 -Nostalgic Edition-/生憎の雨。
1. 終雪 -Nostalgic Edition-
2021年のクリスマスにリリースされた、生憎の雨。のデジタルシングル。
R指定の看板に頼らずとも、生憎の雨。としての活動が定着しつつある魔喪さんによるソロプロジェクト。
本作においても、作詞、作曲、映像編集をすべて自身で担当しています。
映像は、静止画に雪のエフェクトを乗せただけですが、それで十分。
むしろ、じっと寒空の下で誰かを待っているような切なさが強調され、シンプルイズベストを地で行っていますね。
発表された「終雪」は、切なく胸を締め付けるウィンターバラード。
キラキラと鳴るシンセのサウンドが、雪の輝きとシンクロして、聴覚から視覚をも刺激。
手が悴むような冷たさと、イルミネーションのあたたかさが伝わってくるようです。
バンドサウンドにこだわらない柔軟なスタイルだからこそ、ここまで冬の街を思い起こさせる演出にこだわれたのかな、と。
優しいタッチで歌い上げる魔喪さんのヴォーカルスタイルも相まって、儚さが強調されていました。
兎にも角にも、切ないメロディと寒い季節の相性の良さですよ。
たとえ歌詞がなくても、きゅっと心が摘ままれたのだろうな、という冬の魔法。
"Nostalgic Edition"とのことですけれど、別のヴァージョンもあったりするのだろうか。
既にアルバムに収録することを見据えたアレンジも出来上がっているのかもしれません。
<過去の生憎の雨。に関するレビュー>