TOKYO PANDEMIC. / 生憎の雨。 | 安眠妨害水族館

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TOKYO PANDEMIC. /生憎の雨。

 

1. TOKYO PANDEMIC.

2. 嘔吐

3. 第三次世界大戦

4. 洗脳

5. 自殺願望第一

6. 眠剤

7. おやすみ世界

8. 草草草

9. ロックのせいにしないで

10. わたしの彼はバンドマン

11. 不純異性交遊

12. インスタ映えない

13. 終雪

14. ねぇ、先生?

15. 404 NOT FOUND

16. 音楽がなくても世界は廻る

 

 

生憎の雨。によるベストアルバム。

 

過去の作品は、すべてデジタルリリース。

CDとしては初の作品となる本作は、発表済みの全曲に加えて、新曲も加えた全16曲を収録しています。

ただ詰め込むだけではなく、曲順なども考慮されていて、アルバムとしての流れも意識されていました。

表題曲となる「TOKYO PANDEMIC.」は、ダンサブルなデジタルサウンドでノリの良さを打ち出しながら、全体的にはマイナーコードで進行していくため、どことなく切なさを帯びているのが特徴的。

ラップ調のパートも多いのですが、なんだかんだ歌心を感じさせるのが、魔喪さんらしいところでしょう。

 

中盤に挿入された「おやすみ世界」も新曲になるのかな。

ここまでHIP-HOPに振り切った楽曲もなかったかな、といった美しいトラックにライムを畳み掛ける印象的なナンバー。

メロディ部分はワンフレーズのみで、掛け合いのようにラップも入ってくるので、踏み越えてこなかった一歩を敢えて踏み込んだといったところ。

心なしか、声質まで本職のラッパー感が出ているような。

なかなかどうして、これが沁みてしまうから音楽とは面白いものですよ。

 

そして、ラストに挿入された「音楽がなくても世界は廻る」。

カートゥーンミュージックのようなポップさを見せていたと思ったら、いつの間にか壮大なバラードに。

ベストアルバムということで、作品統一のテーマが敷かれているわけではないものの、「TOKYO PANDEMIC.」でスタートし、この楽曲でエンディングを迎えたことによって、彼が今、音楽に乗せて伝えたいメッセージが明確になった感もあり。

ベストアルバムと銘打って購買意欲を高めたうえで、効果的に抜けない棘を打ち込んでくる魔喪さんの戦略眼は、相変わらず見事としか言いようがないですね。

 

ようやくリリースされたCD作品。

これを待っていたというリスナー層もいると思われ、既存曲が多いベスト盤だからと言って、マストアイテムであることは変わらないのです。

 

<過去の生憎の雨。に関するレビュー>

終雪 -Nostalgic Edition-

洗脳

ぼくらはみんなサイコパス

インスタ映えない

嘔吐