[海賊盤] 01/あをいはる
1. 溺れる人鳥
2. ルージュの遺言
3. みんなちがってみんないい
ひととなり等、複数のプロジェクトで活動中のあをいはるさんによるソロ音源。
本作は、ライブ会場と通信販売での取扱となったシングル。
簡易な紙パッケージに、歌詞カードとCDRが封入される仕様。
シールで止められているので、美品で保管しておきたいファンは、気を付けて剥がすか、複数購入の二択を選ぶことになります。
収録された「溺れる人鳥」は、マイナス人生オーケストラとして発表した楽曲のリメイク。
ケバケバしい歪なダンスロックの裏に、どこか翳りのあるメランコリックな表情を忍ばせたナンバーに仕上がっていました。
主要なフレーズは残しているものの、打ち込みが主体となり、声の加工が控えめに。
なんだか印象が変わったというか、新たな一面を発見した感覚です。
いずれにしても、負の感情をざわつかせる力を持った楽曲であることに違いはないのだけれど。
「ルージュの遺言」は、タイトルからしてはるさんらしいですね。
こちらもダンスビートに、切なく美しいメロディーを乗せた佳曲。
「溺れる人鳥」から物悲しい要素を強めに抽出して、歌モノとして完成させたイメージでしょうか。
一方の「みんなちがってみんないい」は、あっけらかんと負の感情を掲げるアッパーチューン。
パンキッシュな勢いに塗れていて、雲の上からの格言を世界の底辺から一笑に付している倒錯的な感性がたまりません。
最後の一文も皮肉が効いています。
ナンバリングしてあるということは、02、03と続いていくシリーズになるのかな。
レアなまま埋もれてしまった楽曲がたくさんあるソングライターだけに、こういうのはどんどん発表していってほしいな、と願っていますよ。
<過去のあをいはる(蒼井春)に関するレビュー>