RooM-6-/nurié
1. RooM-6-
2. カンセツショウメイ
3. 白を溢す。
フルアルバム以降、久しぶりのリリースとなったnuriéの3rdシングル。
1stアルバム「拝啓、二千二十年へ」を発表し、その刹那的で等身大のサウンドを世に知らしめた彼ら。
次の一手となるリードトラック、「RooM-6-」は、アグレッシブに攻めながらも、ポップでダンサブルな色味も持つ新境地でした。
メッセージ性の高い歌詞はそのままに、歌心を前面に押し出した印象。
サウンドワークとしても、ケレン味のあるシンセも取り入れて、これまでにはなかった表情を見せています。
大人びた、と受け取ることもできるし、背伸びしているだけの少年性の延長と受け取ることも出来るのだけれど、どちらにせよ彼らは成長の過程ということ。
ガツンとインパクトを与えることに成功していますね。
Vo.大角 龍太朗が作詞・作曲を担当する「カンセツショウメイ」は、リリック重視の感傷的なナンバー。
ここまでストレートに切なさを押し出してくるとは、という驚きを与えながら、ガードがゆるくなった心の隙間にすっと入り込んでくるのです。
少し抑揚を抑えたような歌唱が新鮮ですが、しっかりと感情を揺さぶってくる。
これはこれで、エモーショナルであると言えるのでしょう。
「白を溢す。」は、「RooM-6-」と同様にGt.廣瀬 彩人によるコンポーズ。
サビにおける大角さんのラフな歌い方と大味なメロディが、それまでの緻密で繊細な展開とのギャップによって、大きなフックとなっていました。
そんなはずはないのだけれど、今の状況について歌っているような気がしてしまう部分もあるのだよな。
確実に言えるのは、3曲ともステップアップをするための高いハードルを課し、それを飛び越えていたということ。
感情が追い付いておらず、なかなかフラットに聴くことはできないものの、シングルとして最高のパフォーマンスを示しているのは間違いないのですよ。
ブレイク前夜、とも言えるタイミングでのまさかの訃報。
意識するなと言っても無理な話で、出来ることなら、まっさらな気持ちで向き合いたかった1枚です。
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