クソ喰らえ。 / nurié
1. クソ喰らえ。
配信収益音源化計画-第二章-をスタートさせたnuriéのデジタルシングル。
配信コンテンツの収益を、音源制作に充てる独自のスキームを確立し、第一章では4曲のデジタルシングルを発表した彼ら。
2020年も年末に差し掛かるタイミングで、その第二章が動き出しました。
第一弾として発表された「クソ喰らえ。」は、タイトルだけを見ると攻撃性を含んだイメージを持つかもしれませんが、しんみりとした夕暮れ時の雰囲気があるミディアムチューンに仕上がっています。
ヒップホップなどの要素を取り入れて、メッセージ性のあるロックナンバーに昇華していくnurié節は、プロジェクトが第二章に入っても健在。
重厚なサウンドを美徳とする傾向が強まるヴィジュアルシーンにおいて、ギターはシンプルなアルペジオ、ベースとドラムはファットなリズムを淡々と展開する薄めのトラックメークスタイルを貫いており、やはり個性的に映りますね。
音を詰め込まないからこそ、この楽曲に漂う喪失感であったり、ぽっかり心に穴が開いたような感覚であったりが助長されている。
考える余地をあえて残しているからこそ、想像力が映像的な世界観を作り出し、余計に感情移入をしてしまうのですよ。
前半はぼそぼそとヒップホップ調で展開しつつ、サビのフックでタイトルフレーズを印象的に。
手法としてはベタですが、だが、それが良い。
第一弾に持ってくる楽曲としては意外性のある曲調で、彼らの武器を適切に伝えるわかりやすさも備えている。
再びインパクトをもたらすには、効果的なナンバーなのでは。
<過去のnuriéに関するレビュー>