人として人で在る様に【人盤】/nurié
1. 人として人で在る様に
2. 夜の所為にして
3. 命に値札を貼られ生きる。
人として人で在る様に【猿盤】/nurié
1. 人として人で在る様に
2. 夜の所為にして
3. 骨太もんちっちくん
2タイプ同時でのドロップとなったnuriéの2ndシングル。
2019年12月の単独公演にて先行販売され、2020年1月に正式リリースとなりました。
若者のリアルを、メッセージ性の強い歌詞に乗せて表現している彼ら。
本作も、SNS社会に対して感じる疑問を、エモーショナルに届けています。
街を歩く人の群れ、全員がスマホに目を向けているMVのカットは、日ごろそんな疑問を抱いていなかったとしてもセンセーショナルに映るでしょう。
表題曲である「人として人で在る様に」は、鋭さを持ったメロディアスナンバー。
切ないシンセとザラザラとしたバンドサウンドがほどよく混ざり合って、焦燥感が駆り立てられます。
口笛が効果的に使われていて、歯切れの良いロックチューンに、ほんのりノスタルジックな雰囲気を織り込む工夫も気が利いているな。
歌詞については、象徴的なワーディングをサビのフックに持ってきてキャッチーさを高めつつ、伝えたいメッセージは一言も零さないよう、その前後に詰め込んで。
それにより、説得力を増す"圧"のようなものが生まれていました。
若者中心で形成されている文化に対して、若者目線で疑問を投げかける歪な構造が、とても刺激的に響きます。
カップリングは、「夜の所為にして」。
シンセを前に出し、バンド演奏はトラックメークに徹したnuriéのお洒落なサウンドを象徴する1曲です。
序盤のラップも自然体で、彼らがV系バンドということを忘れそうになるほど。
こういうハイブリッドな音楽が、シーンにも浸透してくると面白そうだな。
熱量が高い表題曲とのギャップも、効いているのではないかと。
【人盤」にのみ収録された「命に値札を貼られ生きる。」は、彼らにとって王道の衝動的な疾走ロック。
彼らの持つドラマ性、リアル性に惹かれるリスナーであれば、こちらを選ぶと濃厚なnuriéワールドを楽しめるはず。
一方で、【猿盤】に収録された「骨太もんちっちくん」は、遊び心のあるギミックや、コミカルなフレーズを多用したライブ専用機。
ノリ特化型のナンバーであり、普段の音楽性からはかけ離れたスタイルが新鮮です。
ライブの定番曲でもあるので、コアなファンであれば、こちらも押さえておきたいところ。
これはこれで、中毒性があったりするのだよなぁ。
結成から半年。
前作からもそこまで間隔があいたわけでもないのに、成長を感じ取れる伸びしろの大きさよ。
話題性だけでは終わらないという意気込みが、しっかりと結果に結び付いてほしい1枚です。
<過去のnuriéに関するレビュー>