豊肥本線【阿蘇高原線】(JR九州。2011年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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宮地駅にて。非電化区間を主体に活躍するキハ40系気動車です。

 

今回は、大分駅から阿蘇を通り熊本へ至る、九州中央部を横断する観光路線である、
豊肥本線(ほうひほんせん・愛称【阿蘇高原線】)を紹介します。

 

なお、豊肥本線の正式な起点は大分駅で終点は熊本駅ですが、
今回は熊本駅から順に、後~後の順で紹介させて頂きます。
ご了承下さい。


 

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(Yahoo!地図を使用)  

  

  

路線名   区間   営業キロ   備考  
JR九州:豊肥本線  大分~熊本  148.0km  全線単線。(※1)電化・非電化混在。  
(※1)大分~下郡信号場<2.2km。車両基地への回送線を兼ねている事による>と肥後大津~熊本<22.6km>は交流20,000V<60Hz>電化区間。   

  

  

踏破達成時   2001年8月  
撮影時   2011年10月ほか  

  

  

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熊本駅は現在、高架工事が行われています。
豊肥本線の列車は主に駅舎南側の切り欠き式ホーム(0A番、0B番のりば)を使用しますが、一部の列車は鹿児島本線の列車が発着するホームを使用しています。

 

熊本駅を発車するとしばらく九州新幹線、鹿児島本線と並走して南下したのち、左へカーブして両路線と分かれます。そして白川を渡り、熊本の中心市街地を回り込むように徐々に北東へと針路を変えて、「平成」になってから開業した平成駅、戦前からの木造駅舎が残る南熊本、熊本市電との乗換駅として新設された新水前寺、そして水前寺と市街地の中を進みます。

 

水前寺を発車後も住宅街の中を東海学園前、左手から山が近付いてきて竜田口、そして九州自動車道をオーバーパスすると団地内にある武蔵塚と進み、そして、かつて豊肥本線に乗り入れていた特急『有明』の大半が始終着駅としていた光の森へと進みます。


 

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武蔵塚~光の森にて。正面に阿蘇山を見ながら住宅街を進みます。
この間、すでに阿蘇へ向けて緩やかな上り勾配が続いています。

 

光の森を発車するとすぐに、政令指定都市になった熊本市から菊陽町へと変わります。そして三里木を過ぎると田畑が広がるようになり、原水を過ぎてしばらくすると大津町の市街地へ入り電化区間の終点である肥後大津に到着します。


 

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肥後大津駅にて。当駅より大分方は非電化区間になり、列車の本数が激減します。

 

肥後大津を発車すると畑の中を走りますが、上り勾配が少しきつくなってきます。瀬田を過ぎると白川の谷を右手に見ながら高い所を走り、やがて南阿蘇村へと変わり左側に大分方面からの線路が合流するとスイッチバック駅である立野に到着します。


 

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立野駅にて。三段式スイッチバックの途中にある駅です。手前方向には南阿蘇鉄道高森線が延びています。
大分方面へはここでスイッチバックし、さらにもう一度スイッチバックして勾配を上がります。

 

立野を発車すると熊本方面からの線路が左の下方へと分かれ、国道57号線をアンダーパスして徐々に高度を上げます。そして2回目のスイッチバックをしてさらに高度を上げて外輪山の谷間を越え、阿蘇山のカルデラ内部北側の阿蘇谷へと入り、阿蘇市に変わると赤水着。そして田畑の中を徐々に東へ針路を変えながら市ノ川、内牧(うちのまき)と進み、やがて右側に住宅地が見えてくると阿蘇に到着します。この間、車窓右手には阿蘇山、左手には外輪山を望めます。


 

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内牧~阿蘇にて。阿蘇五岳の素晴らしい眺めを南側車窓から望めます。


 

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同じく内牧~阿蘇にて。北側の車窓からは広大な田園の向こうに壁のような外輪山を望めます。

 

阿蘇を発車後も阿蘇山を望みながら東進し、いこいの村を過ぎて今度は車窓左手に住宅地が見えてくると宮地に到着します。熊本、大分双方向からの大半の列車が当駅にて折り返して行きます。


 

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宮地を発車すると山間部へと入り、蛇行しながら勾配を上りますが、途中、左側車窓より阿蘇谷を望めます。

 

そして豊肥本線最長の坂ノ上トンネル(2,283m)をはじめいくつものトンネルで外輪山を越えて阿蘇山の東側へ出て波野に到着します。


 

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波野駅にて。九州の鉄道駅で最も標高の高い駅になります(標高754m)。

 

波野を発車後は山間部を東進し滝水に着きます。滝水を発車後は熊本県から大分県竹田市へ入り、山間部を徐々に下りながら走ります。そして住宅地に入ると豊後荻に到着します。
豊後荻を発車後は深い山中を進み玉来、そして住宅地の中を玉来川、稲葉川と渡り右手に市街地が見えてくると豊後竹田に到着します。


 

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豊後荻~玉来にて。高台を走ります。霧の濃い朝は幻想的な風景になります。


 

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同じく豊後荻~玉来にて。平地が少なく、斜面には棚田が見られます。


 

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豊後竹田駅にて。当駅より大分方面は列車の本数がグッと増えます。
駅の北側には「落門の滝」があり、ホームから見る事ができます。
竹田(たけた)市は城下町で、昔ながらの町並みが残っています。
また、音楽家の滝廉太郎が幼少期を過ごした町としても有名です。 

 

豊後竹田を発車すると山間部の中を国道57号線と並行しながら進み、豊後大野市へと入ります。そして朝地を過ぎると国道57号線と分かれ南へ針路を変えて、大野川を渡った後に盆地の住宅地へ入ると緒方に着きます。
緒方を発車後は田園風景の中を東へ進み、やがて山間部へと入り緒方川を渡ります。豊後清川を過ぎてしばらくすると少しだけ大野川に沿って走り、その後峠を越えて住宅地が表れると豊後大野市役所最寄りの三重町駅に到着します。

 

三重町を発車すると丘陵の農村風景の中を北へと針路を変え、菅尾を過ぎると大野川の渓谷を進みます。そして大野川を渡ってしばらく進むと市街地の東側を走り犬飼に着きます。犬飼は国道10号線から57号線と326号線が分岐する道路交通の要衛となっています。


 

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犬飼を発車後は県庁所在地の大分市へと入りますが、まだまだ山間部で大野川の渓谷を引き続き北上します。

 

竹中を過ぎて短いトンネルを抜けると大野川から少し離れた所を走ります。そして再びトンネルを抜けると左手の丘陵に団地を望みながら走り中判田に到着します。大分方面からの約3分の1の列車は当駅にて折り返して行きます。

 

中判田を発車すると国道10号線と並走しながら丘陵を進み、左手に住宅地を見た後に大分大学前、そして住宅街の中へと入り敷戸、右へカーブして国道と分かれ、大分自動車道をアンダーパスして農村部を進むと滝尾に着きます。滝尾を発車後は平野部の住宅地の中を進み、やがて市街地に入り左へカーブすると日豊本線と合流します。そして大分川を渡ると高架線を走り、やがて左側から久大本線が合流すると2012年に全路線が高架化された大分駅に到着します。


 

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大分駅は2012年3月に完全な高架駅となりましたが、豊肥本線は先行して高架化されていました。
普通列車は主に南側の6、7番のりばを使用しています。

  

  
乗り鉄の注意点(記事投稿時点)  

豊肥本線では人吉・熊本と別府を結ぶ特急列車『九州横断特急』が4往復、そして休日や学休期間中などは熊本~宮地を観光特急『あそぼーい!』が2往復運転されています。

 

普通列車は肥後大津、宮地、豊後竹田と小刻みに系統が分かれていて、全線を通して運転する列車は皆無です。
電化区間の熊本~肥後大津では概ね毎時1~2本、ラッシュ時は最大5本運転されます。また、データイムには熊本~光の森・肥後大津で快速『豊肥ライナー』が概ね毎時1本運転されています。
肥後大津~宮地では概ね1~2時間に1本、閑散区間の宮地~豊後竹田は5往復のみで特に午前中は間隔が開くので注意が必要です。
そして豊後竹田~大分は概ね1~2時間に一本ですが、三重町、犬飼、中判田と大分へ近付くにつれて本数が増加し、中判田~大分ではデータイムでも毎時1~2本が確保されています。

 

普通列車の車両ですが、電化区間では815系がメインで一部415系と817系も運用されています。
非電化区間(電化区間にも乗り入れ)ではキハ40系、キハ125形、キハ200形・キハ220形が使用されています。

 

熊本~大分の所要時間は特急で3時間弱、普通列車ですと必ずどこかで乗換が必要で、最速3時間59分です。

  

  
のりかえ(記事投稿時点)  

乗換駅   乗換路線
熊本駅   JR九州:九州新幹線、鹿児島本線(博多方面八代方面)  
熊本駅   JR九州:(三角線【あまくさみすみ線】列車)  
熊本駅   熊本市電(熊本駅前駅):幹線田崎線 (ともにA系統のみ運転)  
新水前寺駅   熊本市電(新水前寺駅前駅):水前寺線 (A系統・B系統とも運転)  
立野駅   南阿蘇鉄道:高森線   
阿蘇駅   阿蘇山ロープウェー (阿蘇山西駅まで九州産交バスで約40分)  
宮地駅   仙酔峡ロープウェイ (休止中。仙酔峡駅までタクシーで13分)  
大分駅   JR九州:日豊本線(小倉方面宮崎方面)、久大本線【ゆふ高原線】  
  
(参考:Wikipedia)