【バブルOL
３つ子産んだら
昭和の母ちゃん】byなりふり構わず
凛としたイメージの女医
街で見かけた、その女性は
だれ？
三つ子事件簿
・
「あれ？この人だれだっけ？」
街で主治医に声をかけられた。
わからない。
白衣マジックならぬ、
変装 普段着！
・
小児科新生児室
私は、
おっぱいあげるために通う毎日。
看護師さんは、
交代で３つ子を診てくださる。
看護師さんが
今日は小児科の
田中（たなか）医師が来てくれます。
今後の診察について、お話があります。
はい。
るいの背骨のこと聞こうかな。
主治医が入ってきた。
女医さんだ。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
経過についてですが、良好です。
3男空（そら）くんの
体重が2300グラムを超えたら、3人退院ですね。
その空（そら）の背骨のことが心配です。
はい。整形外科の予約はされましたか？
はい。
詳しく聴かれるといいと思います。
今現在、とても元気ですよ。
はっきりとした声の通る、小顔の女医さん。
目線が私と同じくらいで、小柄。
白衣が似合って・・・。
あれ？お腹がおおきい。
先生妊娠なさってるんですか？
あ。はい。
ちょっと照れくさそうにお腹をさすり、
そうなんです。
もう、間もなくでして・・。
妊婦さんなんだ。
お腹、だいぶおおきい。
その後小児科で2回ほどお話ししただけで、
私と３つ子は退院。
・
半年後
・
「島谷さん？」
自宅のマンションの前で声をかけられた。
だれだ？見たことがない。
引っ越したばかりの私が
声をかけられるなんて。
入院友達かな？
うーん。だれだっけ？
よーく見る。
背中におんぶで、ベビーカーを引く姿。
大量の荷物を持ち、眼鏡をかけている。
おんぶひもが、昔ながらの形で
胸の前で×にクロスされている。
髪はぼさぼさ。
疲れ果てている母の姿だ・・。
保育園から帰り路だなあ。
で、だれだ？
「小児科のたなかです。」
はい？
まだ、思い出せない。
ようやく気付く、あわてて
「ああ。田中先生！
あれ？先生お二人目だったんですね。」
「そうなんです。」
照れくさそう。
「３つ子ちゃん、元気ですか？」
はい。おかげさまで
それでは。また。
と、別れた。
うしろ姿をもう一度みる。
別人だ。
あの時の女医さんとは！気が付かなかった。
母の姿だ！
しかも、
１２０％ 昭和のおっかさん！
なんだろうか？
女医のイメージを勝手に作り上げていた私の何かが
こわれた。
前でクロスに絞められたおんぶひもが、
目に焼き付く・・。
すごかったな。
しかし、
子供を育てるって、こういうことだ。
なりふり構わずお母さんをする。
見かけなんて言っていられない。
だからこそ、私に自然に声をかけてくるんだ。
出産前の私だったら、
ちょっと気恥ずかしてく、できなかっただろうな。
でも、今の私は田中先生と同じ。
なりふり構ってなんかいられない。
男前の女医さんに、
なんかすごいな。
と、
また違った尊敬のまなざしを送った。
その後
私は美容院で
「坊主（ぼうず）にしてください！」
と宣言した。
つづく
前回のみつご事件簿→背筋が凍る看護師の事実説明
頑張るお母さんたちに「考えすぎなくていいんだよ。」と、
3つ子男子子育て、24年間の経験をお伝えしてます。
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