【菊と稲荷】の始まりの物語はコチラです→『プロローグ。』
<あらすじ>
『怖いと思われている稲荷の誤解を解いてほしい』
その言葉と共に、六甲山の高取神社で
「神様」という存在に、接続してもらった私。
前からついていたという高野山の清高稲荷大明神さまの
子狐眷属の姿も確認できるようになり、
奇妙な共同生活(?)が始まっていた。
***
これまでのお話。
この辺りは武庫郡と言いまして。
武庫とは、武器の倉庫のこと。
都に武器を持ち込むのは良くないと考えた神功皇后は、
出兵から戻った際にこの辺りに武器を置き、保管していました。
兵庫も同じ。兵をここに置いていたわけです。
だから兵の倉庫で、兵庫と言います。
なぜに六甲山神社の話から
神功皇后の話になったのか、覚えていない。
ただ、よりによって今、権宮司様までが私に
「神功皇后」のアピールを……という事と
兵庫県の現在のカタチを思った時に、
"神宮皇后の意志" のようなものを感じた。
現在の兵庫県のカタチは、明治時代に定まったものだけど、
本州の中で、兵庫県のみが陸地を分断する形で、
日本海側と太平洋側(瀬戸内海だけど)にまたがっている。
菊「それって、なんか……
大陸側から都を守るための "壁" って気がするんだよね」
大阪の堺にも武器を置いていた跡があるという事で、
当時の船による出兵を想像すると、
神功皇后は住まいである都エリアには徹底的に "戦" を持ち込まないようにした
……と、ふと思った。
「神功皇后」と検索して出てくる画像は、
そのほとんどが鎧や武器をまとっている。
菊「………その姿って……戦いの場だったからであって」
生活の場に "戦" は
ひとかけらも持ち込みたくない。
愛する者と、共に暮らしゆく時間の "平和" は守りたい。
本当は、そんな母性に溢れた方だったんじゃないだろうか。
そんな風に思え、継承争いで
王子の首と兜を六甲山に埋めた伝説との温度差を感じた。
***
直会でわらび餅を頂き、境内散歩。
すると拝殿の中で、巫女舞の練習が始まった。
二人の巫女さん。
一人は弓矢を、もう一人は鳥を手に舞っている。
そして最後の方では弓を構え、実際に矢を放つという舞。
菊「…………」
神功皇后の、弓矢を手にした姿の絵を思い出す。
「まるで神功皇后のシーンのよう……」
二人の巫女舞の練習が終わってしばらくすると、
衣装を着た雅楽の方が並ぶのが見えた。
菊「練習じゃなくて、リハーサルか。
今から本番が始まるんだ! 観ていこう♪」
そして正式参拝される方々が拝殿の席に着かれ、
ご神事が始まりました。
皆さんスーツ姿で、拝殿に入られた時はなんとも誇らしげで、ニコニコと。
いいなー。神社って。
人の気分を上げる場所なんだなあ。
そんな風に拝殿の外から見学参拝していると、神楽が始まった。
現れたのはさっきの二人の巫女舞の方ではなく、
薄浅葱色の衣をまとった、麗しい男装の麗人たち。
菊「この色……」
その衣の色は間違いなく
未來さんが形にしてくれた
「神功皇后の首飾り」
《続く》
*2018年冬の連載『コトシロヌシ』はコチラです。
*2019年春の連載『ヒルコノミコト』はコチラです。
*2019年秋の連載『留守神様』はコチラです。
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