『寄生獣 完結編』 | やりすぎ限界映画入門

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ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

■「やりすぎ限界映画工房」
■「自称 “本物” のエド・ウッド」


■『寄生獣 完結編』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2014年/日本映画/118分
監督:山崎貴
出演:染谷将太/深津絵里/阿部サダヲ/橋本愛/新井浩文/ピエール瀧/山中崇/岩井秀人/飯田基祐/関めぐみ/余貴美子/東出昌大/池内万作/佐伯新/春木みさよ/オクイシュージ/山谷花純/大森南朋/豊原功補/北村一輝/國村隼/浅野忠信

2015年 第31回 やりすぎ限界映画祭
2015年 ベスト10 第20位:『寄生獣 完結編』
やりすぎ限界女優賞/やりすぎ限界男優賞/やりすぎ限界監督賞/やりすぎ限界脚本賞:『寄生獣 完結編』


[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。



やりすぎ限界男優賞:染谷将太


やりすぎ限界女優賞:橋本愛


やりすぎ限界男優賞:阿部サダヲ


やりすぎ限界女優賞:深津絵里


やりすぎ限界男優賞:北村一輝


やりすぎ限界男優賞:浅野忠信


[「原作」マンガ『寄生獣』]




僕が「原作」を読んだのは約「25年前」。“本物のジェームズ・ボンド” が誰かを教え、『ランボー』を僕に見せた「幼馴染のT」が、ある日「絶対読め」と、当時まだ連載中だった『寄生獣』の「1巻」から「5巻」を持ってきた。






当時「超てきとう」「不真面目」で、恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” しか見る気がない「鶏」は、「絵」を見ただけで正直「ごめんなさい」だった。超やる気なかったので、あまりに「グロテスク」な「寄生生物」の「デザイン」だけで、「偏見」「不信感」を抱いた。だが「嫌々読んだ」『寄生獣』が「かなり」面白かった記憶がある。






また『寄生獣』を「知らなかった」「無関心」なのは「鶏」だけだった。読んでからは映画学校で、『寄生獣』について話してる「声」が聞こえるようになった。「超話題作」のマンガで『ジョジョの奇妙な冒険』と同じく、「誰が映画化するか?」の話題が「25年前」から騒がれてた。






だがやはり「鶏」だった。面白かったが、「グロテスク」な「デザイン」の「偏見」「不信感」を超えられなかった。「6巻」から先を読まないまま今日まできてしまった。そして今「25年前」の記憶は、「何一つ殆ど覚えてない」状態と化してた。

[「唐傘お化け」極限のくそリアリズム]




「原作」との「違い」はもう僕には解からない。「原作」を「何一つ殆ど覚えてない」状態で『寄生獣』2部作を見て、『寄生獣』というタイトルが「寄生生物」ではなく、「人間」のことだと思い知って「ショック」だった。「かなり」「凄い話」だと、「6巻」から先を読まなかったことに「反省」「懺悔」「償い」しか選択肢がなくなった。






だが「映画化」を知って予告編を見た時、ミギー(阿部サダヲ)の「CG」が「唐傘お化け」にしか見えなかった。緊張感のない「唐傘お化け」が「ギャグ」にしか見えなかった。まさか「唐傘お化け」が極限のくそリアリズムで、「これでもか」までの「泣かし」を見せるなど想像もできなかった。




僕は『X-MEN』シリーズや、一部を除いた「マーベル」「DC」コミック系が「苦手」。設定が曖昧で、登場人物が「どうしたら死ぬのか解からない」から。あげくピンチになると、突然今まで見たことない「能力」や「光線」が出てきて、「実はこんな力があった」と勝ってしまう。「弱点」が殆どなく絶対「無敵」で、「こいつは絶対死なない」と思うと見ててハラハラしなくなる。興醒めして「感情移入」は消える。






だが『トワイライト・サーガ』5部作のように「弱点」が「明確」だと「ガン見」になる。ピンチになる時のハラハラが「かなり」凄い。「寄生生物」も「パワー」「速度」は人間を超えるが、銃で撃たれ普通に死ぬ「設定」を見て、「人間でも勝てるかもしれない」と引き込まれた。「絶望」から「希望」が見え「感情移入」した。






新一(染谷将太)、里美(橋本愛)、ミギー、後藤(浅野忠信)、広川(北村一輝)、田宮良子(深津絵里)達が、もし本当にいたらどうなってしまうか? 「本当にそう見える」『寄生獣』2部作の恐るべき極限のくそリアリズムに「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」。「これでもか」まで「泣かし」を見せた「唐傘お化け」に大きい方を漏らすしかなかった。

[「悪」は「人間」]




後藤との「最期の死闘」で新一が「どうやって勝つか」、超ハラハラして「ガン見」。『ターミネーター2』を思い出す「溶鉱炉」が「ヤバい」。「放射性物質」におしっこ垂れ流しだった。「寄生生物」も生きれない「環境汚染」こそが『寄生獣』のテーマ。「寄生生物」がやってきたのは、人間の「環境汚染」から地球を「守る」ため。「正義」が「寄生生物」で、「悪」は「人間」だった。






「もっと凄い」のは、「悪」の人間との「共存」を考えた「田宮涼子」。「悪いとこ」だけでなく人間の「良いとこ」を知ろうとした。「母親」になった田宮が子供を愛してしまう「凄い話」で、「人間」が完全な「悪」ではないことに救われる。「人間は… 何十 何百 何万 何十万と集まって 一つの生き物なのだということ」「人間は自分の頭以外に- もう一つの巨大な脳を持っている」「それに逆らった時… 私たちは敗北する」という台詞に、「震撼」「驚愕」「絶句」。「現実」に「今」、「協力し合ってない」から、「戦争」や「環境汚染」がなくならないと思い知らされる。






後藤との「人類の存亡を懸けた」「最期の死闘」に、新一が挑んだ「理由」。「でも俺には… 守りたいものが…」。「人類の存亡を懸けた」「最期の死闘」に新一が挑んだ、「やりすぎ」な「理由」を、「徹底的」に見つめるしかもはやなす術はない。

[「橋本愛」『寄生獣 完結編』「極限の美」]






■「この前さ…
  ひどいこと言って ごめん…
  助けてくれたのに
  本当は新一君の方が
  よっぽど苦しんでるよね…
  お母さんのこととか…」
 「いいんだよ 俺のことは別に」
 「強いね 弱虫で泣き虫の
  はずだったのにさ」
 「ははっ いつの話だよ
  泣けないんだ… 俺…
  涙 出ないんだよ
  って… 人間らしい心が
  もう なくなっちゃったのかな」
 「新一君は新一君だよ
  新一君だよ」





■「新一君!」
 「こらこら…」
 「ちょっと…」
 「涙が…
  戻ってきた」





「一途」に新一を「想う」姿が「超うらやましかった」。「新一君は新一君だよ 新一君だよ」なんて言われてみたい。「死ぬかもしれない」のに、「橋本愛」が「東福山動物公園」に行っちゃうの見ておしっこ垂れ流し。






■「イテ…」
 「ごめん」
  痛かった?」
 「里美…
  みんな いなくなった…
  みんな死んじまった」
 「私がいる
  私がいるよ!」







「ラブシーン」が「凄かった」。恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「橋本愛」の「下着姿」を、「見てしまった」。「今度生まれ変わったら絶対新一になりたい」。「私がいる 私がいるよ!」なんて言われたら、僕はあまりの幸せに「死んでしまうかもしれない」。男に生まれて、もはや「これ以上の幸せはこの世にない」。






■「逃げよう 新一君 早く!」
 「あいつは俺を探してるんだ」
 「だから逃げよう!
  どこまでも どこまでも
  逃げ続ければいいじゃん」
 「でも俺が行かなきゃ…」
 「どうして?
  新一君に何ができるの!」
 「分かんないよ!
  でも… ミギーは そうしたんだ
  必ず戻る」







新一「超カッコいい」。もう「ガン見」。「だから逃げよう! どこまでも どこまでも 逃げ続ければいいじゃん」なんて言われるまで、「橋本愛」に想われてみたい。






■「お前は悪くない…
  悪くない
  でも俺には…
  守りたいものが…」





「好きな人」の、「最期の死闘」を「全部」「見届けた」。「橋本愛」が「見てる」の見て、「完全」に漏らした。…………「やりすぎ」。「死ぬかもしれない」のに、新一のそばを「絶対離れない」「橋本愛」を見て、大きい方を漏らして泣きながら笑う以外、もはや僕になす術はなかった。






■「里美」
 「うん?」
 「いつかのさ…
  死んだ子犬のこと覚えてる?
  俺がゴミ箱に捨てた…
  ずっと言い忘れてたんだけど…
  あのあと少し考えて俺…
  ちゃんと木の根元に埋めたんだよ」





「変質者」に狙われ「超ハラハラ」した。「自称」恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「橋本愛」の「永遠の下僕」なので、「作り話」でも、「橋本愛」にナイフを当てる映像は見てて「かなり」「心臓に悪い」。だが、新一がやっつけた「後」の、「ハッピーエンド」が「凄かった」。






実は「変質者」は、やっつけた「後」、「橋本愛」と新一が「超イチャイチャする」ための、「きっかけ」でしかなかった! ……………………「俺は ああいう風には 生きられないんだろうなぁ」。ビールを飲んでベロンベロンに酔っ払い「泣きながら」、「俺もこうなりたい」と憧れるしか、もはや僕になす術はなかった。




『寄生獣』
『寄生獣 完結編』

画像 2021年 12月