日記「今日見た映画 2017」29『T2 トレインスポッティング』 | やりすぎ限界映画入門

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ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

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■『T2 トレインスポッティング』
☆☆☆☆★[85]

2017年/イギリス映画/117分
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー/ユエン・ブレムナー/ジョニー・リー・ミラー/ロバート・カーライル/ケリー・マクドナルド/シャーリー・ヘンダーソン/ジェームズ・コスモ/アンジェラ・ネディヤルコーヴァ/アーヴィン・ウェルシュ/アイリーン・ニコラス/ ポーリーン・リンチ

■2017年 劇場公開作品 29本目

「2作目」『T2 トレインスポッティング』を見終わり、「1作目」『トレインスポッティング』と合わせ、「20年前」の自分を思い出すきかっけとなった。

「黒冬」しかなかった、鬱屈した青春時代を生きた僕と、「1作目」『トレインスポッティング』「2作目」『T2 トレインスポッティング』の登場人物達は、実年齢で世代が近い。完全共感はできないが、共感できる部分もあった。

僕が「男」の「青春」が苦手なのは、体が弱くて運動できなかった「育ち」の影響が大きい。「黒冬時代」、女子からモテる「輝く男達」の仲間に入れなかった。『MEN'S NON-NO』の写真のような男達、まさに『トレインスポッティング』の登場人物のような「カッコいい」男達のように生きれなかった。

「1作目」「2作目」を一気に見て、「20年前」のことを思い出しながら調べ直すと、「1作目」『トレインスポッティング』が当時「爆発的話題」になったのは、「1996年」の社会病理だけでなく、「ファッション」「言葉」などが「斬新」で、「おしゃれ」だったことも思い知る。僕にとって「完全」に「無縁」な映画だったことを理解した。

本当は「俺もこうなりたい」と思っても「なれなかった」、「輝く男達」の仲間に入れなかった。だから『トレインスポッティング』は僕にとって辛い映画だったことを、冷静に「今」理解した。視界に入らず「忘れた」真実だと思う。

だが日本も他人事ではない、世界的な大不況の現代、「ダニー・ボイル監督」がどんな想いで「続編」を「映画化」したかは知らないが、「1996年」の若者達が20年経った今、どう生きてるかという発想は面白かった。極限のくそリアリズムを感じた。

「大成功」した「ユアン・マクレガー」が、「あえて」「ダメ人生」に帰る決断は壮絶だったと思う。ここに「他人事」を感じなかった。「アラ40」か「アラ50」か、「普通の安定した暮らし」を手に入れても、「生きてて面白くない」という「信念」「価値観」「倫理観」に、僕は「震撼」「驚愕」「絶句」した。僕自身にも「今」感じることがあるから。

「4人」が超「だらしない」、完全「ダメ大人」「ダメおやじ」にしか見えないが、「輝く男達」が落ちぶれても、「元気」に生きてる姿が、映画になるくらい「カッコいい」「絵」に、「少し」見えてしまったかもしれない。「男」の「青春」は苦手だが、「だらしない」「ダメ大人」「ダメおやじ」は、僕も「他人事」じゃない。20年経った今、僕も『T2 トレインスポッティング』のように変わり果てたのかもしれない。

また、恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「ケリー・マクドナルド」の名前を見て、どうなるのかが一番楽しみだったが、何も起こらず残念だった。「おまけ」のような出演だったが、20年経った今、まだ恐るべき「極限の美」で絶句した。


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画像 2019年 10月