■『リベンジgirl』
☆☆☆☆★★[90]
2017年/日本映画/110分
監督:三木康一郎
出演:桐谷美玲/鈴木伸之/清原翔/馬場ふみか/竹内愛紗/佐津川愛美/大和田伸也/斉藤由貴
■2017年 劇場公開作品 18本目
『リベンジgirl』を見始めた冒頭で、こんなの「絶対ありえない」と絶句した。『キューティ・ブロンド』をやろうとしてるのは感じたが、「第九条」で激動してる現代日本で、久しぶりの「採点不能」映画になるかもしれないと不安になる。
だが仕組まれた伏線に引き込まれた。『白鳥麗子でございます!』級の、「宝石美輝」という、こんなの「絶対ありえない」までの名前に、「承」の部分から「ガン見」になる。やりすぎ限界映画かもしれないと警戒した。「宝石美輝」の名前が、強烈に、「やりすぎ限界アンテナ」に反応した。
「選挙」を描いてはいるが、『リベンジgirl』は選挙を「題材」にした「恋愛映画」。「本当にそう見える」レベルは『キューティ・ブロンド』と同じくらいだったかもしれない。だが『ビリギャル』ではなかった。
当選のために、「宝石美輝」の敵が、「卑怯」な手段を使い陥れてくる。だが観客は、「僕もその一人」だったが、「政治家は本当にこういうことをする」ということを、「すんなり受け入れ」「当然」のことに見えてしまう人が多いように感じた。『リベンジgirl』のような「恋愛映画」の「題材」に、「不正」「汚職」が、「当たり前の現実」としてみんなが理解してしまう「恐るべき普遍性」、「政治家」に対する「日本人」の「共通認識」である現実に、「震え上がってしまった」。
これが「政治家」という言葉を聞いて、日本人が思いつくイメージであって、日本が経済復興できるとは絶対思えない。僕は『リベンジgirl』が、「政治家」の「不正」「汚職」が、恋愛映画の題材になってしまうほど「当たり前」であることを見せてるかのように見えた。
こんなの「絶対ありえない」、「バカバカしい」映画でありながら、「正しい人間」が「陥れられるプロセス」だけは「真実」、恐るべき極限のくそリアリズムにしか見えない。「嘘」を通り越し、「本当にそう見える」としか思えなかった。
「宝石美輝」の敵が、「政治に嘘はつきものだ 俺は何も悪くない だまされるバカが悪いんだよ」と言う。これが「嘘」に見えない。「真実」に見えることが「かなり」哀しい。だが「本当にいい政治家」は「いる」。だまされないために、みんなが「方針」「政策」、さらにはその政治家が本当はどんな「人間」であるか、「真実」「嘘」を、見極めなばならないと痛感する。
だが『リベンジgirl』は「実話ではない」。「宝石美輝」と、美輝を支えた「秘書」の恋愛映画。「秘書」が「宝石美輝」を「愛する」こと、「いつもそばにいる」「支える」ことが、心を撃ち砕き、人を変えてしまうことを見せた。見終わると、恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「桐谷美玲」、「宝石美輝」が、少し魅力的に見えた。
■[Previous]
■日記「今日見た映画 2017」11『チア☆ダン 女子高生がチ…』
■日記「今日見た映画 2017」12『ベイビー・ドライバー』
■日記「今日見た映画 2017」13『パターソン』
■日記「今日見た映画 2017」14『君の膵臓をたべたい』
■日記「今日見た映画 2017」15『哭声 コクソン』
■日記「今日見た映画 2017」16『時時巡りエブリデイ』
■日記「今日見た映画 2017」17『gifted ギフテッド』
■日記「今日見た映画 2017」18『リベンジgirl』
■日記「今日見た映画 2017」19『新 感染 ファイナル・エ…』
■日記「今日見た映画 2017」20『暗黒女子』
■[Next]
画像 2019年 8月