■『更年奇的な彼女』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]
2014年/中国映画/100分
監督:クァク・ジェヨン
出演:ジョウ・シュン/トン・ダーウェイ/ウォレス・チョン/ジャン・ズーリン
2016年 第32回 やりすぎ限界映画祭
■2016年 ベスト10 第4位:『更年奇的な彼女』
■やりすぎ限界審査員特別賞/やりすぎ限界男優賞/やりすぎ限界女優賞/やりすぎ限界監督賞/やりすぎ限界脚本賞:『更年奇的な彼女』
[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。
■やりすぎ限界女優賞:ジョウ・シュン
■やりすぎ限界男優賞:トン・ダーウェイ
■やりすぎ限界女優賞:ジャン・ズーリン
[「告白」は「宣戦布告」]
「日本」で男が女に「好きです」「つき合って下さい」と言う「告白」は、女性への求愛の「宣戦布告」であることを最近やっと理解した。女に「好きです」「つき合って下さい」と言う言葉は、「あなたのためなら何でも耐えられる」という「宣言」。どこまで「下僕」になれるかの「挑戦状」。時には「機嫌が悪い」、時には「メールの返事がこない」、時には「……、でも、「告白」は「あなたを絶対好きでいる」ことを貫く「誓い」。「ストーカー規制法」で逮捕されるなら「絶対止めなければいけない」が、そうでない場合、男は絶対「努力」しなければならない。これがもっと速く解ってたら、僕の人生は今頃違ってたかもしれない。
「あなたのためなら何でも耐えられる」「あなたを絶対好きでいる」ことを貫くことが何か、チー・ジア(ジョウ・シュン)への “本気” をユアン・シャオオウ(トン・ダーウェイ)が全世界に見せる。僕は “本気” でユアン・シャオオウを「見習わなければならない」。「チー・ジアを絶対好きでいる」ユアン・シャオオウに「涙が止まらなかった」。
[「君は選ぶ相手を間違えた」]
■「心配するな
俺が絶対 治してやるから」
『夢の降る街』『あなたに降る夢』『ユー・ガット・メール』『世界にひとつのプレイブック』……、「選ぶ相手を間違えた」恋愛映画は後を絶たない。「選ぶ相手を間違えた」ことは極限のくそリアリズムでかなりありえること。「運命の相手」を見極めるのは現実にとても難しい。チー・ジアだけじゃない。「若年性更年期障害」に堕ちた「哀しみ」「苦しみ」「辛さ」が他人事に見えなかった。
[「絶対後悔するぞ」]
■「絶対後悔するぞ」
ユアン・シャオオウの「絶対後悔するぞ」に魂を撃ち砕かれた。「自分が他人にしたことは、いずれ全部自分に返ってくる」。チー・ジアにしたことはいずれ全部リウ・チョンに返ってくると、「完全共感」してる自分を思い知る。「涙が流れてた」。
ユアン・シャオオウの「届かない愛」の「哀しみ」「苦しみ」を涙なしに見れなかった。ロマンチックなデートだけが恋愛じゃない。ユアン・シャオオウの「どろどろの献身」に「俺もこうなりたい」と憧れた。
[「ジェヨンワールド」「どろどろの献身」]
■「薬を飲むのは忘れるな
お碗2杯分に煎じて
朝夕と食後に飲むこと
夜の分は温め直さなくても-
ポットに入れておけばいい
カギ持って出るの忘れた時は-
スペアキーを
電気メーターの下に隠してある
それを探して使え
運動もちゃんと続けろよ
腹筋は毎週10回ずつ
増やすこと
ジョギングは
夕食後に1時間だぞ
余計なことは考えず
集中して走れ」
「清順ワールド」のように「ジェヨンワールド」がある。『猟奇的な彼女』にもあった「どろどろの献身」が、「ジェヨンワールド」が何かを全世界に思い知らせる。
「愛した女」のことを男は「別れても想い続けること」ができるか? 正直にとても難しい。ここまで “棲息速度域” の「究極の愛」を貫ける人間は少ない。「彼女シリーズ」を見て思い知ることは、「彼女シリーズ」がジェヨン監督の「信念」「価値観」「倫理観」「そのもの」だということ。「ジェヨン監督自身」が女性の前でここまで繊細なのだろう。「あなたを絶対好きでいる」ことのジェヨン監督の「教え」に、おしっこを漏らして震撼する以外僕はなす術を失い思い知るしかなかった。
[『好きにならずにいられない』]
■「天の精霊
地の精霊
霊験を現したまえ」
『春の日は過ぎゆく』でも使用された名曲『好きにならずにいられない』。「ジェヨンワールド」に流れた『好きにならずにいられない』が、「映画史」に刻まれる名シーンを生み出した。「涙が出なくなるまで泣いた」。
ジェヨン監督の「ホ・ジノ監督」への挑戦状なのか? これほどの「極限の美」は滅多に見ることができない。『春の日は過ぎゆく』の「イ・ヨンエ」と、『更年奇的な彼女』の「ジョウ・シュン」との『好きにならずにいられない』の「極限の美」対決。「時間が止まった」。あまりの美しさに「何回見たか知れない」。『シザーハンズ』の「キムの氷の彫刻から降る雪」 “Ice Dance” に匹敵する恐るべき「極限の美」に「震撼」「驚愕」「圧倒」された。
こんなロマンチックな演出がこの世の何人の映画監督にできるのか? 「女を喜ばせる」「女に命を捧げる」ジェヨン監督の「彼女シリーズ」の「集大成」にまで見えた。もはや「学ばなければならない」以外ない。「アナキン・スカイウォーカー」となってジェヨン監督に跪く以外なす術を失った。
[「ジョウ・シュン」女優生命限界点「極限の美」]
「チャン・ツィイー」「ヴィッキー・チャオ」「シュー・ジンレイ」と4人で「中国四大女優」の称号を持つ、恐るべき “極限ダイナマイト・ボンバー・ギャル” 「ジョウ・シュン」。『やりすぎ限界映画』とは?[定義⑤]『恋愛映画における女優の私見』において、今日までジョウ・シュンの「ベスト1」だった『ふたりの人魚』が『更年奇的な彼女』に敗れた。『更年奇的な彼女』は「もうこれ以上美しくジョウ・シュンを撮れない限界点に到達してる映画」。
「クァク・ジェヨン監督」の「彼女シリーズ」「集大成」。『更年奇的な彼女』では病に侵されたチー・ジアが、「強い美女」となって男に「試練」を与えた。「クァク・ジェヨン監督ここにあり」。ラストの「病院」の「ジェヨンワールド」まで、「チー・ジアを絶対好きでいる」ユアン・シャオオウに「涙が止まらなかった」。
■『猟奇的な彼女』
■『僕の彼女はサイボーグ』
■『更年奇的な彼女』
画像 2018年 11月