『僕の彼女はサイボーグ』 | やりすぎ限界映画入門

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ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

■「やりすぎ限界映画工房」
■「自称 “本物” のエド・ウッド」


■『僕の彼女はサイボーグ』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2008年/日本映画/120分
監督:クァク・ジェヨン
出演:綾瀬はるか/小出恵介/桐谷健太/鈴之助/吉高由里子/阿井莉沙/佐藤めぐみ

2008年 第24回 やりすぎ限界映画祭
2008年 ベスト10 第8位:『僕の彼女はサイボーグ』
やりすぎ限界女優賞/やりすぎ限界監督賞『僕の彼女はサイボーグ』


[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。



やりすぎ限界女優賞:綾瀬はるか


■第2稿 2018年 10月5日 版

[綾瀬はるか女優生命限界点「極限の美」]



『やりすぎ限界映画』とは?[定義⑤]『恋愛映画における女優の私見』において、僕は綾瀬はるかと結婚したいと “本気” で思った。『僕の彼女はサイボーグ』は「もうこれ以上美しく綾瀬はるかを撮れない限界点に到達してる映画」で、現時点での綾瀬はるかのベスト1の映画だ。TVを見ない僕はTVの綾瀬はるかを知らない。だが映画においてこれ以上美しい綾瀬はるかを僕は見たことがない。



ファースト・カットの、「ヱヴァンゲリヲン」のようなプラグスーツと「青い瞳」に「瞬殺」された。「これでもか」と永遠に続く綾瀬はるか「極限の美」が「絶対領域」に到達。綾瀬はるかの全カットにクァク・ジェヨン監督の「愛」、絶対妥協を許さない「執念」を見た。ジェヨン監督の “本気” に魂が震えた。

[『ターミネーター』の「猿真似」ではない「真実」]




開き直るほどの『ターミネーター』の「猿真似」に漏らした。だがジェヨン監督には「真似」した自覚さえないだろう。「強い美女」を追究してきたジェヨン監督にとって、「彼女シリーズ」の最終章は「最強の美女」でなければならなかった。ジェヨン監督が見つめた一点は「もしターミネーターが彼女だったら?」しかない。「もしターミネーターが綾瀬はるかだったら?」という「嘘」が「執念」の極限のくそリアリズムに到達する。

[「強い美女」に跪く「完全M男」の普遍性]



『チャーリーズ・エンジェル』『キューティーハニー』『美少女戦士 セーラームーン』……。人間の「創作」において「強い美女」を描く作品は後を絶たない。人間はなぜ「強い美女」に憧れるのか? 「完全M男」の僕も「強い美女」の虜だ。



「母性」など心の強さを持つ女性は現実にいる。だが身体能力の強さを持つ女性は殆どいない。男に甘えたい「ゴキブリが殺せない」女性がこの世の殆どだ。「ゴキブリが殺せない」のは、男に「かわいい」と思わせることに命を懸けてるからだ。



もし「ゴキブリが殺せない」女性が、「心の強さ」「身体能力の強さ」を持ち合わせたらもはや男は適わない。男は適わない女性の前で跪いて圧倒されるしかない。「邪馬台国の卑弥呼」「フランスのジャンヌ・ダルク」の普遍性は大昔から存在した。女性がヒーローに圧倒されるのと同じだが、「完全M男」は普通の男の「数十乗」で逆らえない。もしかしたらジェヨン監督も「数十乗」で跪く「完全M男」なのかもしれない。

[「もしターミネーターが綾瀬はるかだったら?」]



「彼女シリーズ」はジェヨン監督の絶対妥協を許さない「執念」の「理想の女性像」。ジェヨン監督が信じる「この世にこれ以上美しい女性はいない」「理想の女性像」の追究。『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』を経て、「最強の彼女」が「ターミネーター綾瀬はるか」へ到達した。「もしターミネーターが綾瀬はるかだったら?」こそ、「強い美女」に「数十乗」で逆らえない「完全M男」が、「強い美女」の「普遍性」に “棲息速度域” まで挑んだ「答え」だった。

[極限のくそリアリズム「美人に翻弄される」男の哀しさ]



■「じゃあ アレもできる?」
 「アレ?」
 「ほら… アレだよ」
 「アレって何よ?」
 「…セックス」


「もしターミネーターが綾瀬はるかだったら?」 彼女(綾瀬はるか)がターミネーターだと知ったジロー(小出恵介)が一番初めに考えたこと。「…セックス」と言うジローに「男の哀しさ」の極限のくそリアリズムを見た。全ての女性に「怒らないでほしい」と叫びたい。僕も正直にジローと全く同じことを考えた。



「男の性欲」を女性は理解し難い。男と関わり「知る」「感じる」ことから「何となく理解してくれる」ことを祈るしかない。正直な僕の性欲は一日三食の食欲に殆ど近い。朝起きると「セックスしたい」。電車に乗って美女を見ると「セックスしたい」。仕事中にパンスト美女を見ると「セックスしたい」となる。「最低な自分が本当に苦しい」。だがこの世の全ての「健康な成人男性の真実」。まるで『トワイライト・サーガ』シリーズのヴァンパイアが、人間の血を見ると抑制できなくなる感覚と完全に同じ。「相手が機械」でも「男の性欲」は絶対消えない。ジローの哀しさを弁護せずにいられなかった。「もしターミネーターが綾瀬はるかだったら?」のジローのドラマこそ、『僕の彼女はサイボーグ』の最大の魅力だ。

[綾瀬はるか「女優に見えない」]



優しい女性に見える綾瀬はるかがここまでやると思わなかった。「ターミネーター」の芝居が「女優に見えない」= “本物” に見える。ファースト・カットの「青い瞳」から綾瀬はるかの “本気” に漏らした。「ロボット・ダンス」のシーンも見事。僕は「大地震」のシーンの壮絶な芝居に涙が出た。やりすぎ限界女優賞受賞への賞賛の言葉を贈りたい。

[「本気の極限CG」]



綾瀬はるかの「大地震」のシーンは「本気の極限CG」なくしてありえなかった。「もしターミネーターが綾瀬はるかだったら?」というバカバカしさにここまで「本気の極限CG」はもはや「やりすぎ」。日本映画がここまで立派になって涙が出た。CG製作スタッフ達に賞賛の言葉を贈りたい。観客は「本気の極限CG」と綾瀬はるかにおしっこを漏らして震撼する以外もはやなす術はない。

[僕にとっての女性の存在]



幼少期不幸だった僕の思春期は女性とのコミュニケーションにかなり苦しんだ。僕はろくな恋愛経験がない哀れな男だ。



「あなたと そっくりなロボットがいるの」というメチャクチャ強引な話は納得できない部分だが、「記憶チップ」を「私の記憶にした」彼女が、ジローに魂を撃たれる感覚を僕は理解しつつある。人間ではない「機械」を瓦礫の中から掘り起こす姿こそ「愛する」ということ。ターミネーターの姿が本物の人間に見える領域なら、僕もジローと同じ気持ちになるだろう。人間か機械かと言うより「何を自分が本気で愛したか」ということなのだ。女性に対して僕に足りなかったことを最近思い知りつつある。




『猟奇的な彼女』
『僕の彼女はサイボーグ』
『更年奇的な彼女』

画像 2018年 10月