『春の日は過ぎゆく』 | やりすぎ限界映画入門

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■『春の日は過ぎゆく』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

2001年/韓国=日本=香港映画/113分
監督:ホ・ジノ
出演:イ・ヨンエ/ユ・ジテ

2002年 第18回 やりすぎ限界映画祭
2002年 ベスト10 第10位:『春の日は過ぎゆく』
やりすぎ限界女優賞/やりすぎ限界監督賞:『春の日は過ぎゆく』


[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。



やりすぎ限界女優賞:イ・ヨンエ


■第3稿 2018年 6月28日 版

[韓国四大女優]



自分の心にとても正直な僕は女優で映画を見る。①イ・ナヨン、②イ・ヨンエ、③チョン・ジヒョン、④ぺ・ドゥナが僕の心の中の「韓国四大女優」。イ・ナヨン様に続く「韓国四大女優」の2人目はイ・ヨンエ。『カンナさん大成功です!』の整形手術シーンで「輪郭は? シム・ウナ イ・ミヨン イ・ヨンエ…」と聞かれたカンナが「イ・ヨンエ!」と答える「極限の美」。日本ではその「極限の美」が2004年に『宮廷女官 チャングムの誓い』で有名となった。

[イ・ヨンエ]



だが僕は2001年の『JSA』ですでにイ・ヨンエに跪いてた。『宮廷女官 チャングムの誓い』は僕にはもはや遅過ぎだった。『JSA』で瞬殺され『春の日は過ぎゆく』で決定的に撃ちのめされた。『やりすぎ限界映画』とは?[定義⑤]『恋愛映画における女優の私見』において、僕はイ・ヨンエと結婚したいと “本気” で思った。『春の日は過ぎゆく』は「もうこれ以上美しくイ・ヨンエを撮れない限界に到達してる映画」で、現時点でのイ・ヨンエのベスト1の映画だ。

[「女優の存在意義」「結婚したい」と思わせる魅力]



男の僕は「恋愛映画」を「男の視点」で見る。強烈に「この女と結婚したい」と魂を撃たれた瞬間、僕は「恋愛映画」に感情移入する。「この女と結婚したい」と憧れる共感こそ僕には「忘れられない映画」となる。



「この女と結婚したい」と男を追いつめる「憧れ」「癒やし」の「夢」「目標」を見せる映画。これが僕の魂を撃つ「恋愛映画」だ。映画史に刻まれる偉大な「恋愛映画」は、女優の「結婚したいと思わせる魅力」が全てを決める。メグ・ライアンの以前、マリリン・モンローより昔から変わらない「女優の存在意義」は「恋愛映画」によって試されるのだと思う。

[「男」「女」の感覚の違い]



離婚歴のあるハン・ウンス(イ・ヨンエ)は、イ・サンウ(ユ・ジテ)との再婚を拒む。「ラジオのDJ」という、「男性社会」で自慢できるほどの「知名度」「地位」があれば、老後のことはたくさん計画があるのかもしれない。結婚して「おばあちゃん」や「父さん」を安心させたいサンウとの間に、価値観の違いが生まれる。



だがこんな美人と仲良くなれたら、僕だって結婚したいと思う。僕もサンウの「結婚」したい気持ちに共感した。

だがウンスはサンウと別れる。ウンスには「生活の変化」や「再婚の失敗」への不安があったのかもしれない。

だがサンウだって「はいそうですか」と理解し簡単に受け入れることはできないだろう。納得できない「苦しみ」が伝わる。



理屈で説明できない「男」「女」の感覚の違いが今は見える。この世で「合う人間」などいない。「合わせる」しかないと思う。サンウは「合わせる」努力をした。だが届かなかった。サンウの「苦しみ」が他人事に見えなかった。

[人生は「何が起きるかわからない」]



だが「本当は届いたのかもしれない」と今思う。ラストはウンスが謝りにきたのかもしれない。「将来」「結婚」の決断など、もし極限のくそリアリズムなら、簡単に結論を出せることではないだろう。

だが結婚は人生のゴールではないと今思う。結婚はスタートだ。結婚すること自体が「最高の幸せ」の到達ではない。結婚しても夫が交通事故で死んだり、妻が病気になったりするのが人生。結婚しても「離婚」するかもしれない。離婚しても「復縁」するかもしれない。人生は「何が起きるかわからない」。



ウンスが考え直すかもしれないことだってある。サンウもおばあちゃんの死で落ち込んでただけかもしれない。「もし」この先、ウンスがやり直したいと謝れば「復縁」するかもしれない。本当に何年後かに「結婚」するかもしれない。それが「現実」のように今思う。

[サンウを迷わせるほどの「極限の美」]



■「バスと女は
  去ったら追うもんじゃないよ」


他の女を探したくない気持ち。サンウの「本当に愛した」気持ちが今理解できるようになった。

だが「もしウンスと復縁できたら?」と考える。ウンスが結婚したくないなら無理強いはできない。サンウは結婚せずにウンスとつき合い続けるか、ウンスと別れ他の女性と結婚するか決めるしかない。



サンウを迷わせるほどの「極限の美」を見せたイ・ヨンエ。サンウを追いつめるウンスを、これほど「魅力的」に魅せた「怖さ」。これこそが「女優の存在意義」かもしれない。もはや男達はイ・ヨンエに跪く以外なす術はない。

[鼻歌『好きにならずにいられない』]



川のせせらぎを録音してる時ウンスの鼻歌が聴こえる。「眩暈」がするほど壮絶なイ・ヨンエの魅力。『好きにならずにいられない』のメロディを、男達は永遠に忘れずにいられない。そして「合わせる」努力が届かなかった「苦しみ」を、「思い出さずにいられない」。




『英語完全征服』
『春の日は過ぎゆく』
『猟奇的な彼女』
『空気人形』

画像 2018年 6月