機械人形化少女概説(1)
機械人形化少女概説(2)
機械人形化少女概説(3)
機械人形化少女概説(4)
機械人形化少女概説(5)
機械人形化少女概説(6)
機械人形化少女概説(7)
機械人形化少女概説(8)
機械人形化少女概説(9)
機械人形化少女概説(10)

「転写」について(4)
一時的に意識を転送するのではなく、永続的に意識を機械体に転送するとしたら、意識が消失した元の脳では一体どういう現象が起こっているのかということについては、1つの仮説として脳は人間が生まれたての時のような全く物理的に記憶が存在しない神経細胞に記録されていない状態になるのではないかと考えられます。
例えば人間の脳は知覚器官により外部から情報を受けとることによって神経細胞が変化していき意識が形成されると考えられるのですが、もしそのプロセスを逆にできれば外部に情報を徐々に放出することにより神経細胞が段々初期化していくことになり、最終的に外部に100%情報を放出しきった状態で脳が空っぽになることになります。もちろん何十年もかけて脳の中に形成された神経細胞の変化が極めて短時間に逆回しになるのはかなり飛躍的な発想なのですが、それは時間コントロールなどの別のテクノロジーで補うことも考えられます。
外部に放出された100%の情報を機械の頭脳に移動できるなら意識を移し替えたといえると思いますが、次に思いつく疑問としては、外部に情報を放出されていく過程での人間の意識はどういう状態なのかということです。記憶が知覚へと戻っていくいわば反経験ともいうべき不思議な状態になるのか、それともそのプロセス自体は人間には認識できず、ただ意識の移し替えが終了した時その結果だけを認識できるのか、興味深いところであります。

『精神転送(Wikipedia)』

【今回描いた絵】
高口悦子(分岐転写体・汎用人型ロボットPL23型309768号)