機械人形化少女概説(1)
機械人形化少女概説(2)
機械人形化少女概説(3)
機械人形化少女概説(4)
機械人形化少女概説(5)
機械人形化少女概説(6)
機械人形化少女概説(7)

『未来のイヴ』について(2)
以前「女性型ロボットを扱った作品としては最も古典に属する」と説明した『未来のイヴ』ですが、実は我々が通常ロボットと聞くとあたりまえのように想像する人間のように思考する人工知能を持ったものではありません。
『未来のイヴ』に登場する女性型ロボットハダリーの体内には発明家エジソンの発明した高性能蓄音機があって、そこにはハダリーのモデルになった女性の声で多くの台詞が録音されています。そしてエジソンはエウォルド卿に対して「何をハダリーに語りかけるかについては、あなたの方がハダリーの返事に合わせなければならない」と言います。つまり本来のハダリーのメカニズムは、人間のように思考する人工知能どころか人間の言葉に合わせて定型的に返事をする人工無脳ですらなく、ただ予定通りに音声を流しそれに合わせて記録された動作をする発達した蓄音機に過ぎない感じなのです(本来の、というのは、以前も説明したように、アンダーソン夫人の別人格ソワナがハダリーに宿っているため、現実のハダリーはエジソンの意図を越えた反応をするようになっていくからです)。

※今回のイラストは、モデルになった女性そっくりに肉付けする前の状態の甲冑状のボディのハダリーです。

『未来のイヴ(Wikipedia)』

【今回描いた絵】
ハダリー(元祖女性型アンドロイド)