機械人形化少女概説(1)
機械人形化少女概説(2)
機械人形化少女概説(3)

創作で人間を機械化(ロボット化)する場合、その技術的根拠として大体3つのパターンが考えられます。「移植」と「転写」と「改変」です。

「移植」
あらかじめ機械の体を用意して、それに脳および必要な臓器を移植するパターンです。生きた体から脳を取り出して生かしておく技術がその前段階となります。
生きた体から脳を取り出してそのまま生かしておく話としては『ドノヴァンの脳髄』(シオドマク)、『キャプテン・フューチャー』(ハミルトン)などがあります。

「転写」
脳そのものではなく、意識や記憶のような人間の精神を構成するものだけを移し替えるパターンです。これも前段階としては機械の体ではなく他の人間に精神を移し替える話が先行します。
他人の体に精神を移し替える話としては、『故エルヴシャム氏の物語』(ウエルズ)、『キャプテン・フューチャー』(ハミルトン)などがあります。

「改変」
これには生体の部品を取り出して機械の部品と取り換えていくパターンと、ナノマシンの注入などによって生きた体をそのまま機械へと変化させるパターンがあります。前者は最終的に脳は残るので「移植」の変形に近いのですが、後者は脳そのものがそのまま機械になるので、「移植」とも「転写」とも異なる第三のパターンとなります。

この第三のパターンはナノマシンが比較的新しい概念なので古い作品にはあまり見つからないのですが、強いてあげれば『鉄腕アトム』の「透明巨人」に出てくる物質電送機を使った変則的なロボット化(人間を構成する分子とロボットを構成する分子が完全に混ざる)がその古い例といえそうです。

【今回描いた絵】
才羽根津美(デジタルマウスガール02)